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ちょっと気になる「ちょっと」という言葉(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

「こないだの実験結果のまとめ、どうなった?」

「まだ、ちょっと未完成なのですが...」

「ちょっと未完成、ということはほとんど完成、ということだよね。それで良いから見せてよ。」

「...すいません。えーっと、ちょっとしか完成していません。」

いやいや、最初の「ちょっと」という言葉の使い方、特に意味はなくて雰囲気を和らげるためだ、ということは理解しています。それを言えば文末を「なのですが...」とするのも曖昧で、本来なら「まだ未完成です。」で良いはずですよね。

 さて、この話、どう転がしていきましょうか。「科学・工学の分野では余計な修飾を廃して正確な言葉遣いを」とかでしょうか。「仕事での連絡は簡潔で正確に」というとコーオプ教育の雰囲気になります。「コミニュケーションのスキルは大切で云々」といって肯定的に扱うの有りですね。

 では、おまえはどう考えるんだ、となりますが私の今の考えはこうです。

Photo_2 

学生さんが「ちょっと」という言葉使いをするのは有り。

ただし、聞き手が気にしている、ということが分かったら使わない。

これにプラスして

自分も「ちょっと」を気にしない。

 言葉は常に変化している、ということは良く指摘されることです。それを認めたとして私たちが取るべき態度は「相手が言葉に対して自分と違う感じ方をする」ことを念頭において、相手に合わせる様な言葉使いを心掛けることです。

 コミュニケーションは双方の協力で成り立つものですが、コントロールできるのは自分の方だけです。ですから、相手に要求する前にコントロール可能な自分の方を変えるべきなのです。

 でも、やっぱりちょっとはちょっと気になるんですけどね。

 さて、以上の内容、実は以前にこのブログで紹介した記事の再録なのです。先の「八王子近隣地域交流会」で聞いたもとフジテレビアナウンサー野島卓教授の話しのなかで「なんか…」という言い方が気になる口癖として上がっていたのをみて思い出したというわけです。

 

江頭 靖幸

 

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