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人間はなぜ働くのか、自分はなぜ働くのか(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 昨日「FIRE」(Financial Independence, Retire Early)について書いたのですが、今回もその続きの話をしたいと思います。「FIRE」の後半、REはRetire Earlyとなっていますが、それに準ずる「early retirement」(早期退職)という言葉に私は以前から聞き覚えがあるのです。それも、

 アメリカのエリート会社員には猛烈に働いてどんどん稼いで「early retirement」するのが目標だ、という人が結構いるんだよ。

といった文脈で、です。(どこの誰に聞いたのかはっきり覚えていないのですが、多分大学生のころに先生から聞いたのでしょう。)つまり、人生はあくせく働くためにあるのではない。仕事をするのは必要悪の様なもので本来の自分の生活をエンジョイするのが本当の人生なのだ。という米国エリートの割り切った考え方です。

 わざわざこんな説明しているということは「仕事は必要悪」という考え方が日本では一般的ではないからでしょう。一生働かないと食べていけない、という切実な事情はひとまず棚に上げたとして、人は働く事で他人とつながり、社会の一員となるのだ、という考え方の方がより一般的ではないでしょうか。少し大袈裟な言い方ですが「仕事は生き甲斐」と考えているひとが多い、ということでしょうね。

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 実際、60歳になるとすでに退職する年齢になっている同期もいるのですが、話しを聞くと「老後を過ごすのに充分な蓄えはあるけど会社がやめさせてくれないんだよね。」などなど、あまり待ってましたという勢いで「Retire」しようという人には出会いません。

 かく言う私も「early retirement」(早期退職)しよう、とは思っていません。別に「仕事は生き甲斐」と考えている訳ではないのですが、自分がやめたらいろんな人に迷惑がかかるかなあ、などと思ってしまいます。要するにしがらみというか…いえいえ、これこそが「他人とつながり、社会の一員となる」ということなのかも知れませんね。

 

江頭 靖幸

 

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