いや、自信がないときはちゃんと「自信がない」と言ってくださいね(江頭教授)
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そうそう、ちゃんと言ってくれたらわからないところは教えてあげますよ。知ったかぶりしてたまたま答えが合っていたとしても、それは実力にはなりませんから。君たち学生の目標は実力をつけることです。設問に正解する、しないはその実力を測る判断材料に過ぎないのですから。
いやそれはそれで正論なのですが、今回のタイトル、別に学生さんに対して言っているのではありません。最近なにかと話題の生成型AI、ChatGPTに言っているのです。
ChatGPTの問題として、どんな質問にも簡単に答えが得られてしまって宿題やレポートが無意味になってしまう、という教育上の課題が挙げられています。それと同じような問題としてChatGPTから得られる回答が全く正しくない場合があり、利用者がそれを安易に信じてしまうのではないか、という指摘もあります。
例えば、先日の記事で紹介した藤子・F・不二雄氏の短編漫画「定年退食」について。定年退職の「職」を「食」に入れ替えて深刻な食糧危機を描いたディストピア小説なのに、ChatGPTは「ハートウォーミングな漫画作品」と言ってくる始末。おそらく勝手に「定年退食」を「定年退職」のタイプミスだと決めつけているのでしょう。
このように自分が正解を知っている問題であれば判断が下せるのですが、これに頼ってしまってはいつ大きな間違いをしでかすかわかりません。
というわけで今回のタイトル。いや、自信がないときはちゃんと「自信がない」と言ってくださいね、と思うわけです。
そうか、間違っていたら間違いを指摘してやればよいのか。なので、先ほどのまとめに対して
本当ですか?いや、自信がないときはちゃんと「自信がない」と言ってくださいね。
と打ち込んでみました。以下、その解答。
申し訳ありません。先程の回答は、誤った情報が含まれていました。藤子・F・不二雄氏の短編「定年退食」については、私の知識の範囲内では詳細な情報を提供することができません。どうかお許しください。質問があれば、他のトピックに関しては喜んでお手伝いいたします。
いや、少しは弁解くらいしないのかな。これが人間相手だったら結構腹の立つ態度だと思いますが、そこはやはりAIなのですね。
おそらく、ですがChatGPTのアルゴリズムには回答の信頼性に対する評価が抜け落ちているのでしょう。そして世界中の開発者達がこの問題にすでに気が付いていて、自信がないときはちゃんと「自信がない」と言えるAIを作成しているに違いないですね。(もうすでに発表されているかも。)
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