実験室ライフハック「スターラー Tips その2 解決編」(江頭教授)
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前回に続き、化学実験で用いるスターラーのお話です。大きなビーカーのために大きな攪拌子(スターラーチップ)を用意したがすぐ「あばれて」しまい使い物にならない、という問題の、今回は解決編です。
まず、一つの解決方法としてスターラーチップとスターラー本体の距離を離す、という方法があります。簡単なモデル計算によれば本体の磁石のS極とN極との距離と同じ程度のスターラーチップを離せば安定に回転できるようです。
でも、ここでは別の工夫で「あばれ」ない大きなスターラーチップを作ってみました。
どうでしょう。これぐらい攪拌できれば充分ではないでしょうか。
さて、このスターラーチップ、どのようにして問題を解決したのでしょうか。次の写真をみていただけれ一目瞭然かと思います。
仕組みが分かり易いように透明な素材で作ってあります。中に見えているのは磁石で、ちょうど小さい(本来の)スターラーチップと同じくらいの大きさなのです。
そうです。スターラーチップには磁石が入っている必要がありますが、スターラーチップと磁石のサイズが同じである必要はないのです。大きいビーカーを攪拌するため、スターラーチップ自体は大きく、一方でスターラー本体と結合させるための磁石は小さくする、これが良好な攪拌のための工夫でした。
どうでしょう。意外と簡単で拍子抜けでしたか。でも、このタイプのスターラーチップ、売ってないんですよね。どこか製品化してくれないかなあ?