「生成系AIの就職活動への利用についての注意点」(江頭教授)
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(以下の記述はフィクションです。実在の組織・個人とは関係がありません。)
ある日大学から学生に「生成系AIの就職活動への利用についての注意点」と題して以下の様なメッセージが届きました。
大学生の皆さん
近年、AI技術は急速に進化し、特に生成系AI(GPTなど)は私たちの生活、学習、さらには就職活動にも多大な影響を与えています。しかし、その利便性に目を向けるだけでなく、それらの利用に伴うリスクについても理解し、注意深く行動することが求められます。
生成系AIを使うことで、履歴書作成や面接対策など、就職活動における多くのタスクが簡略化され、効率化されることは間違いありません。しかし、その裏には以下のようなリスクが存在します。
- 個性の喪失:生成系AIは多くの場合、一般的であり、特定の傾向に基づいてテキストを生成します。これにより、あなた自身の特色や個性が希薄になり、企業にとってあなたが何百人もの他の応募者と区別できない一人に見える可能性があります。
- 信憑性の問題:AIによって生成された情報が100%正確であるとは限りません。AIはデータやアルゴリズムに基づいて動作しますが、その情報源が常に正確であるとは限らず、結果的に誤った情報を提供する可能性があります。
- 情報漏洩の危険:私たちがAIに情報を提供すると、そのデータは何処かで保存、分析されます。その情報が適切に保護されていない場合、あなたのプライバシーは侵害される可能性があります。
以上のようなリスクを理解した上で、生成系AIを適切に活用することは重要です。その際には、自分自身の個性や意見を反映させるためにAIが生成した内容を適切に編集し、その信憑性を確認し、情報を提供する前にプライバシーポリシーやデータ管理の対策をしっかりと確認することが必要です。
テクノロジーの進化は止まりません。それをうまく活用しつつ、そのリスクを理解し、適切に対処することが、これからの社会で生き抜くための必要なスキルとなっています。
あなたの就職活動が成功に結びつくことを心から祈念しております。
さて、このメッセージを皆さんはどうお想いですか?
さて、ここでフィクションはおわり。で、このフィクションのポイントですが、すでに文の特徴から気が付いたかたも居られるでしょう。この「生成系AIの就職活動への利用についての注意点」と言う文章、実はこれ自体がChatGPTによって書かれているのです。
もっと言うと、実際に本学の学生に対して「生成系AIの就職活動への利用についての注意点」という文書が出されています。それを見た私が思いついてChatGPTに同じタイトルの文書を書かせてみた、という訳です。
本学が出している本物の注意文書とGhatGPTが出力した文書、じつは後ろの2項目、信憑性の問題と情報漏洩の危険の指摘は実に良く似ています。これらの点についてはChatGPTも良い仕事をしていて本物と入れ換えても分からないくらいですね。
でもChatGPTが出力してきた最初の、そしておそらく最も重要だと位置づけられている「個性の喪失」という論点は、本物とはかなり異なっています。詳細は書きませんが、本学が実際に出している文書の第一項目は就職活動の現実をより理解していないとかけない注意事項になっていて、その点ではやはりChatGPTは力不足な部分があるのかな、などと思いました。
さて、今回の記事の結論
AIは手作り(?)の良さを実感させる、という効能もあるよね。
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