発表練習はコスパが高い(江頭教授)
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本日から我々東京工科大学工学部応用化学科の卒業研究中間発表会が始まります。学生諸君は発表の準備で大わらわ。グラフを見直したり表を作り直したり。スライドのレイアウトもいろいろと修正が入ります。
よし、次は原稿だ。完璧な原稿をつくって…。
おっと待って。発表で原稿を読み上げる、というスタイルはあまり推奨されません。実際、我々応用化学科の学生の発表会ではPowerPointのスライドショーでの「スピーカーノート」(手元のPCの画面にだけ原稿が表示される機能です)は利用できない形式になっています。
原稿を読み上げるのではなくて聴衆に話しかけるように発表しましょう。
先に「完璧な原稿をつくって」と書いたのですが、完璧な原稿どころか良くできた原稿でもなかなか作れるものではありません。そもそもどんな原稿が完璧であり良くできているのでしょうか。
聞いた人が分かり易い話が良い話。であれば読み上げると「聞いた人が分かり易い話」になる原稿が良い原稿ですよね。なら良い原稿を書くためにはまず「分かり易い話」ができなくてはならない。良い原稿を書ける人はすでに「分かり易い話」ができるのですが、なんでそれを原稿という文章に落とし込んでもう一度読み上げなければならないのか。
文章と口頭での発表ではいろいろと違いがあります。文章は書く方も読む方もなんども見直しができるのですが、口頭ではそうはいかない。話の順番や抑揚の付け方など、話の分かり易さにはいろいろな要素が関わってきます。その一方で話すより書く方が、一般的にはずっと速度が速いのです。
こう考えると発表前に「発表原稿を準備して推敲する」ことと比べて「発表練習をくり返して分かり易い話し方を探す」ほうがずっと効率的で「コスパが良い」のではないでしょうか。
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