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正規分布は釣り鐘型なのだろうか(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 「正規分布」は統計では必ず出てくる分布関数の形です。真ん中(ここが平均値)で最大になり左右にずれるに従って急激に、やがてゆっくりと下がってゆく。下の図の様なカーブをほとんどの人は見たことがあるのではないでしょうか。

 

Fig0_20230829174801

 これ自体は問題ありません。で、この正規分布のことを「釣り鐘型」と表現することがよくあるのですが、私は「釣り鐘型」という呼び方聞いたときには違和感を拭えませんでした。

 いやだって、釣り鐘ってこんな奴だろう。

Fig1_20230829175401

 よく話を聞いてみると「釣り鐘」としてイメージされているのは以下のようなタイプの様です。

Fig2_20230829175701

 なるほど確かにこれなら「正規分布」に似ていると言ってよいでしょう。でも「釣り鐘型」じゃなくて「ベルカーブ」と言って欲しいかなあ。

 と、まあそれだけの話なのですが、やはり「百聞は一見にしかず」と言うとおり、図形を言葉で表現するのは実に難しい。実際には図形をイメージしながら言葉に変換する訳ですが、本人の中でのイメージが明確であるのに対して、聞き手側のイメージは極めて多様になり得るのです。今回の例では「釣り鐘」としてどのタイプを思い起こすか、という点で齟齬があったわけです。正確な形を伝えるためにはやはり図形を示すのが一番です。

 こう考えると、近年になってPCを利用して写真と文章を混在した文書が簡単に作成できるようになったことで我々の表現力は大幅にアップしているのですね。

 

江頭 靖幸

 

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