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大学と企業、あるいは進学と就職について(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 我々の応用化学科が属している東京工科大学工学部では時々就職関係のイベントを開催しています。その際、企業からリクルート担当の方が来校することもあって、ご挨拶することもあります。そのご挨拶の中でたまたま話題になったのが、

日本には企業が約400万社ある

という話。あれ、これどっかで聞いたことがあると思ったのですが、少しして思い出しました。小説家・評論家として名高い堺屋太一氏の文章で確か「日本には企業が500万社あって、これは凄い数だ。日本の世帯数は5000世帯くらいなので世帯数の約10分の一。つまり町並みを見て家10軒当たりに一つの企業がある、ということなのだから。」といった趣旨のことが書かれていたのです。(記憶が曖昧で原典にたどり着けていないので、もしかしたら間違っているかも知れません。)数字が少し違いますが、いずれにしても10世帯に1社という割合は今もそんなに変わっていないですね。

 就職、という観点でこの数字を見直してみると「就職とは400万社の中から1社を選ぶこと」となるでしょう。これはなかなか大変な選択ですよね。

 では、進学についてはどうでしょうか。なお、ここでの「進学」は「大学生の大学院への進学」ではなくて「高校生の大学への進学」という意味で使っています。

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 さて、日本の大学の数は約800だとか。企業の数と比べるとまさに「桁違い」に少なく、約5千分の1にしかなりません。こう考えると進学にくらべて就職は桁違いに難しい、と言うべきでしょう。

 数字だけの話ではありません。我々大学教員は「大学は高校とは全く違うぞ」と言いがちなのですが、そうは言っても高校と大学はどちらも教育機関の一種なので、大学と企業との違いに比べると高校と大学の違いは少ないと言って良いでしょう。内容という意味でも進学より就職の方が難しいでしょうね。

 なるほど、今の高校生諸君はオープンキャンパス等で進学先の大学研究の余念がないのですから、就職について企業研究にも熱心になるべきとう事でしょう。こう考えると本学の工学部で行っている就業体験を含む「コーオプ教育」というものの重要性が分かってきますね。

江頭 靖幸

 

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