人口爆発から少子高齢化へ(江頭教授)
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ここのところ過去に考えた未来と本当に来た未来の違いについての記事を書いているのですが、今回は人口問題について書きましょう。この問題ほど世論の「手のひら返し」が著しい問題はちょっと思いつかないくらい。何しろ私が子供の頃には世界の人口は爆発的なスピードで増えていて、このまま増加を続ければ資源や食料が不足することは明か。人々は少ない資源を奪い合って文明は崩壊する、といったイメージがまことしやかに語られていたのです。まあ、これは私が子供の頃に子供向けの雑誌などから得た印象なので信頼性が高くない話(正直言えば与太話)なのは致し方のないことかもしれません。
それでも多くの国のエリート達が人口増化に対して危機感を持っていたことは疑いありません。たとえば有名な中国の「一人っ子政策」などはその象徴的な例でしょう。一人っ子政策のスタートは1979年であり、それに先行する人口抑止のための計画はいろいろあった様ですから、少なくとも当時の人々は地球の人口が増えす過ぎることに強い危機感を持っていたことが分かります。
ところがいつの間にか人口爆発の話はどこへやら。今人口問題のトレンドは「少子高齢化」です。
もっとも「少子高齢化」に関心が高まっていることを「手のひら返し」と表現するのは少々フェアではないかも知れません。人口爆発は世界全体の話。その一方で少子高齢化は(主に)国内のお話だと思います。
それでも「人口爆発」が最近大きな問題として議論に乗らなくなっているのは確かなのではないでしょうか。実は「少子高齢化」は日本だけの問題ではなく、世界中の先進国で問題になっています。つまり経済が発展すると「人口増化」の問題は自ずと解決する。その見通しがあるからこそ「人口爆発」はそれほど重要だと考えられない様になったのですね。
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