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「風邪をひいたら仕事を休む」のは常識か 再論(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 2021年の最初のころの記事で、年末に再放送していたテレビドラマのこんなワンシーンを取り上げました。

舞台はITシステムの開発会社。突然の仕様変更で現場は大騒ぎとなりました。残業に次ぐ残業、徹夜に次ぐ徹夜で膨大な仕事をこなしてゆく社員たち。そんな中で「子供に風邪をもらちゃって」と一人が咳をしながら職場にやってくる。

これに「いや、そんなことしちゃダメでしょう。」と続け、コロナ禍によって人々の伝染病に関する関心が一気に高まったことに触れ、結論として以下を。

 さて、近い将来、今回のコロナウイルス感染症の問題が片付いたとき、このドラマの表現は再び受け入れられるようになるのでしょうか。それとも体調が悪いのに仕事に来るなんて変な話だ、という新しい常識が定着するのでしょうか。今のところ先は見通せない状況ですね。

とまあ、最初に書いたようにこれが2021年のはじめの頃のこと。コロナ禍が始まって約1年のころの状況です。あれから2年と10ヶ月、約3年がたったのですが、果たして現在はどうなっているのでしょうか。

 こんなことを考えるのも私が先日「インフルエンザA型陽性」 という診断を受けているからです。(詳細はこちら

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 さて、今回の私の経験に沿って考えると、まず発熱したことから「コロナの検査」をして陰性。これは自宅で簡易検査キットを使ったものも病院でのPCR検査も同様の結果です。この時点で「コロナ対策」の視点からは「気をつけて大学に来てください。」となるはずなのですが、同時に行ったインフルエンザの検査で先に述べたように「A型陽性」の結果がでています。

 コロナと違ってインフルエンザはコロナ禍以前にすでに「学校感染症」とされていて、その規定から「発症した後五日を経過し、かつ、解熱した後二日を経過するまで」が自宅待機という扱いで私は家にいるというわけです。(厳密に言えばこの規定は生徒向けで教員向けではないはずですが…。)

 つまり、先に述べたの「新しい常識」が(この例では)定着しているということができると思います。

 このように常識が変化した理由はもちろんコロナ禍によって「伝染病に関する関心」が高まったこともあるでしょうが、それと同時に「働き方改革」に代表されるワークライフバランスに対する意識の変化もあると思います。でも、今回私が一番大きな要因だと感じたことは、実は遠隔(在宅)でも可能な仕事が意外と多い、ということが多くの人に納得されたことでした。実はこれも広い意味ではコロナ禍の影響と言えないこともないですね。

江頭 靖幸

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