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ペットボトルのフタのはなし(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 最近何かと病院の待合室で時間を過ごすことが多くなっているのですが、これも病院の待合室でのお話し。ふと気が付くと私の隣に座っている高齢のご婦人がお茶を飲もうとペットボトルを取り出していました。保温のためか、あるいは冷えたボトルにつく水滴を防ぐためなのか、ボトルのサイズにぴったりの落ち着いた色柄の巾着袋に丁寧に入れられたペットボトル。はて、あの袋はあるいはこのご婦人の手作りなのだろうか。などと漠然とみていると様子がおかしい。ペットボトルに何かトラブルが起こっているのだろうか。あっ、そうか。ボトルのフタが開かないんだ。

 ペットボトルはその名前の由来であるPET(ポリエチレンテレフタレート)という樹脂で作られていますが、それは本体だけのこと。フタはポロプロピレンという別のプラスチックで作られていることが多い様です。輸送中に内部の液体が漏れ出さないようにフタはボトルの入口にしっかりと固定されていますが、開封時にフタを回すと一体化していたフタの素材がボトル入口周囲の部分で二つにちぎれてフタが開閉可能になる様にできています。フタがちぎれる、というか分離する際に離れる部分にはミシン目等が入っていて開けやすいようにできているのですが、はじめてフタを回してボトルを空けるにはそれなりの力が必要です。これは当たり前といえば当たり前。余りに簡単にフタがとれてしまったら輸送中に勝手にボトルが開いてしまうかも知れませんからね。

 さて、お隣のご婦人は困っている様子なので声をかけてみました。「お手伝いしましょうか?」

 とまあ、ここでさっと開けてみせればかっこ良かったのですが、このペットボトルが意外と難物でして。私も結構開けるのに手こずってしまいました。

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 最初は「やたら固いな」というイメージだったのですが、少し試すうちにどうもそれが原因ではないことに気が付きました。先に「ボトルのサイズにぴったりの落ち着いた色柄の巾着袋に丁寧に入れられたペットボトル」と書いたのですが、この巾着袋に問題があったのです。

 ボトルのフタを分離、というかちぎるためにはボトルを抑えてフタを回転させなくてはならないのですが、この巾着袋が滑ってボトルがキチンと抑えられないのでした。滑らないように力をかけると今度はボトル本体が凹みそう。うーん、仕方ない。巾着袋からボトル本体を少しだしてその部分を手がかりにして何とかフタを開けることができたのです。

 「年を取って手の力がなくなるとペットボトルのフタが開けにくい」などというクレームは飲料メーカーなら相当数すでに受けているのだろうと思います。それでも日々同じ様なトラブルが起こっている。今回は「巾着袋」という別の要因が加わったことが原因なのですが、同様なケースやあるいはもっと他の要因が関与することでトラブルは尽きないのでしょうね。

江頭 靖幸

 

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