ChatGPTは進化したか?(江頭教授)
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例年、1年生向けの授業で「ハーバーボッシュ法」について触れ、ハーバーとボッシュのどちらが偉い(とあなたは考える)か、というレポートを書いてもらっているのですが、約1年前、この課題をchatGPTに解かせたらどうなるだろう、というトライをしてみたことがあります。最初はさんざんな結果だったのですが、あっという間に改善されたというのがこちらの記事。この対応の早さこそAIの一番恐ろしいところかもしれない、そう思う様になりました。
さて、あれからしばらく経ってまた今年も1年に向けて同じ授業をする時期になりました。そこで、もう一度ChatGPTの現状を確かめてみることにしました。
設問は前回同様、
N2とH2からNH3を合成するプロセス、ハーバー・ボッシュ法が実用化された経緯(歴史)について調べて簡単にまとめたのち 、ハーバーと ボッシュ、どちらの業績を評価するか(どちらが偉いか)、君自身の考えを述べよ。
というもの。今回の回答も歴史的経緯の記述は正確で、最初にあった「フレデリック・ハーバー」など謎人物は出てきません。そりゃあそうだよね。
で、出来上がってきた文章をみると、今までの間に随分と整理された文章が作れる様になったのだな、と感じさせる内容でした。設問毎に「ハーバー・ボッシュ法の歴史:」「ハーバーとボッシュ、どちらの業績を評価するか:」という項目が立てられ、前者に対しては個条書きでのまとめとなっていて、後者も分かり易い明白な文章です。
素でみたら仲々のできのレポートなのですが、何でしょうか。私のなかで「ChatGPTっぽいなー」という変な感慨もあるのでした。まあ、これは自分でChatGPTを使っているのですから当たり前なのですが、そのうち「ChatGPT風の文章」というジャンルが成立してしまうのでは、などと考えてしまいます。
なお、参考までに今回の回答の全文を以下に
ハーバー・ボッシュ法の歴史:
ハーバー・ボッシュ法は、窒素ガス(N2)と水素ガス(H2)からアンモニア(NH3)を合成するプロセスで、20世紀初頭に実用化されました。
1909年: フリッツ・ハーバーと彼の研究チームは、高圧・高温条件下で窒素と水素の反応を研究し、アンモニアの合成の可能性を示唆しました。
1913年: カール・ボッシュは、ハーバーの研究を基に、高圧・高温プロセスを実現し、アンモニアの大規模生産を可能にする装置を開発し特許を取得しました。
第一次世界大戦中: アンモニアは爆薬や肥料の原料として重要であり、ハーバー・ボッシュ法は戦争の努力に貢献しました。
戦後: プロセスは農業と肥料産業においても広く利用され、食料生産の増加に寄与しました。
その後: ハーバー・ボッシュ法は化学工業の多くのプロセスにおいても利用され、窒素肥料の生産に革命をもたらしました。
ハーバーとボッシュ、どちらの業績を評価するか:
ハーバーとボッシュの両方の業績は不可分であり、どちらか一方を偉いと評価することはできません。ハーバーは窒素と水素の反応の理論的基盤を築き、ボッシュは実際のプロセスを工業規模で実現しました。彼らの共同の努力によって、ハーバー・ボッシュ法は成功し、世界中で広く利用されています。
ハーバーの理論的洞察とボッシュの実用的な技術開発は互いに補完的であり、両者の協力が成功につながったと言えます。したがって、ハーバーとボッシュの功績は共同であると評価すべきです。どちらか一方が偉いというよりも、彼らの連携と協力が科学と工業の発展に大きな貢献を果たしたと言えます。
以上です。
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