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格好良い文章とは(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 1962年生まれの私の中学・高校時代と言えば昭和50年(1975年)から昭和56年(1981年)となります。インターネットもまだアメリカの軍事技術だった時代で(今に比べれば)娯楽の少ない時代。学校の図書館からいろいろな本を借りだして読むのが私の楽しみでした。

 内容に余りこだわりなくいろいろな本を読んでいたのですが、そのなかで印象に残ったのが廣重徹氏の著作「科学の社会史」という本でした。

 いや、この本の内容が素晴らしかった、という訳ではありません。(いや、それなりに興味深くはありましたが。)その文体が格好良くて、当時高校生だった私はそこに「シビれ」て「あこがれ」ていたのです。

 高校生まで、いえ、大学に入っても卒論生になるまではあまり自分で文章を書く機会はなかったように思います。実験レポートなどは書いたはずですが、定型の書き方が中心で自分で文体を考える、という程ではありません。やがて卒論、修論、博士課程とすすむにつれて自分で文章を書く機会が増えると、格好良い文章を書きたい、という気持ちが芽生えてきました。

そう言えば「科学の社会史」は凄く格好良い文章だったはず。あれを参考にしよう。

と思いついて、何とかこの本を入手して、再読してみたのでした。

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 そのときの私の感想は…うーん「スター・ウォーズ/エピソード1」を公開時に見に行った人のような気分、と言いましょうか…。

 高校生の私が「シビれ」て「あこがれ」ていたの文章ですが、ある程度文章を書く訓練をされてから読み返してみると、分かりにくい悪文の様に感じられました。高校生時代にはその難しさが魅力に感じられた、というか私はそんな難しい文章を読んでいる自分に酔っていたのかも知れません。

江頭 靖幸

 

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