半導体とアイスクリームの市場規模(江頭教授)
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今からもう30年か40年くらい前のことでしょうか。当時、半導体に関係する仕事をしていたのですが「半導体の市場規模はアイスクリームの市場規模よりも小さい」という話を聞いたことがあります。「半導体の市場規模ってそんなに小さいのか」と驚くべきなのか「アイスクリームの市場規模ってそんなに大きいのか」と驚くべきなのか、人それぞれかとは思いますがどちらの立場から見ても意外性のある比較なので記憶に残っていたのでしょう。ついこないだも話のながれでこのセリフがふと口をついて出てきたのでした。
えっ、本当ですか?
いや、もうずいぶん昔の話だから。そういう時代もあったということだよ。
そうですよね。さすがに今はそんなことはないですよね。
といった結論になりました。今の世の中、PCやスマホに限らずほとんど全ての電気製品、いえいえ、機械や装置の類には必ず半導体を中心とした電気回路が入っているはずですからね。でもデータを見ずに結論というのは良くないなあ。ということで少し調べてみることにしました。
まずは半導体の市場規模について。総務省の「情報通信白書令和5年版 データ集」には「日本の半導体市場(出荷額)の推移」として以下の様なグラフが示されていました。
日本の半導体の市場規模は77億ドルくらいのようです。ではアイスクリームはどうでしょうか。
「日本アイスクリーム協会」のWEBサイトにの「販売実績概要(2022年度)」には
アイスクリーム販売金額は、2022年度5,534億円 過去最高となりました。
との記述が。1ドル150円として換算すると約37億ドルとなります。
半導体の市場規模が77億ドルですからアイスクリームの市場規模は半導体の約半分くらいということになります。やはり「半導体の市場規模はアイスクリームの市場規模よりも小さい」のは「ずいぶん昔の話」で「今はそんなことはない」ようです。
と、まとめたいところなのですが、実のところ皆さんはどうお感じになるでしょうか?
正直なところ、意外と差が小さくて私はけっこう驚いています。自分のイメージとして「半導体の半分のお金をアイスクリームに使っている」とはとても思えないのですが…。
私がそう感じるということは「アイスクリームに半導体の半分以上のお金を使っている」ひとがいる、ということになります。うーん、ちょっと食べ過ぎなのでは。
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