インフルエンザの季節…なのか?(江頭教授)
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最近授業を休む学生さんがちょくちょく目立つ様になりました。連絡をくれると決まって「インフルエンザにかかりました」とのこと。聞けば他の学科・学部の先生たちも同じ様子。ひょっとしてインフルエンザが流行っているのだろうか?
ということでちょっと調べてみました。以下のグラフは国立感染症研究所の「インフルエンザ過去10年間との比較グラフ(第43週 11/10更新)」という記事から引用のです。
いや、これは一体どういうことなのでしょう。43週というと10月末から11月初めのころで、本来はインフルエンザが流行する季節には早すぎなのです。2023年のデータは明らかに異常。例年に比べて比較にならない高レベル。大きな流行の波の年末ごろのレベルに近い値がすでに記録されているという状況です。
このデータを一体どう見るのか。「今年の末から来年の初めにかけて空前のインフルエンザの大流行が起こる」とするとこれはとんでもないことです。とはいえ「この冬のインフルエンザの流行は10週間ほど前倒しだ」という見方もあるでしょう。一体これからどうなるのかは分かりませんが、私たち一人一人にできることは「手洗い」「マスク着用」「咳(せき)エチケット」それに「三密を避ける」でしょうか。
実は今年の状況と非常によく似た流行を示した年があります。以前にこのブログで「インフルエンザの季節ですね」という記事を書いてこれと同じグラフを引用したのですが、その中にある2009年のデータでも40週ごろには大きな流行の波が始まっていました。
この年は何があったのか。上記の記事から引用しましょう
余談ですが、上の図をみて、まず気がつくのが2009年のデータの異常さです。2009年はメキシコで発生した「豚インフルエンザ」が流行した年です。従来とは異なった型のインフルエンザウイルスが登場したことによって例年よりずっと早い時期から流行がはじまりました。(ただしこのデータは来院患者数のデータなので豚インフルエンザの情報に触れて、病院に行こう、と思った人が増えた効果もあると思います。)結局のところ、豚インフルエンザはそれほど重症になるタイプのウイルスではなかったようで、大きな被害を出さずに流行が沈静化したのは幸運なことでした。
ということで、この年の流行は「この冬のインフルエンザの流行は10週間ほど前倒しだ」という結果になったのですが、はて、今回はどうなるのでしょうか。
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