「未来を見たい」というはなし(江頭教授)
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「今の若い人たちがうらやましい」と思っている大人(老人?)はたくさんいると思います。私もその一人でその理由もたくさんあるのですが、今一番に感じる理由は彼らが未来の世界を見ることができるから、です。
もちろん、何時の時代も若者には未来を見るチャンスがあり、老人がそれをうらやましく思う、という構図はあったと思いますが、今、この時代は少し特別なのではないか、私にはそう思えるのです。
少し大きな話になりますが産業革命以降、世界はどんどん変化するようになりました。私の祖父も、父も、亡くなるときには生まれたときの生活とは全く違うレベルの豊かな生活を送っていたものです。そして私もまたそうなるでしょう。
世の中は進歩と発展を続けているのです。しかし、世界を見渡せば未だに産業革命の恩恵が行き渡っているとは言い難い国もあります。それでも、私が子供の頃、いえ、大人になってからもしばらくは東西冷戦が続いていて、世界は豊かになる以前に戦争で滅んでしまうのではないかという恐怖と共に暮らしていたのです。その冷戦が終結し、産業革命の完成を妨げるものはなにもなくなった様にみえました。私も一時は自分の生涯の内に世界中の人たちが豊かな暮らしを手に入れる理想的な世界が実現すると思ったこともありました。
ところが世界は私が思っていた程には、いえ、期待していた様には変化していなかったのでしょう。どうやら私自身が理想的な世界の実現を見ることができる可能性はそれほど高くないのかもしれません。
それに対して本学の学生さんたちをはじめとして、今の若者たちにはチャンスがある。そう思うと未来をみることができる「今の若い人たちがうらやましい」とどうしても感じてしまうのです。
もちろん、何時の時代も若者には未来を見るチャンスがあり、老人がそれをうらやましく思い、その理由を「今、この時代は特別だから」という構図も普遍的なものかもしれませんね。
PS:私事ですが本日(11月29日)は私の誕生日。61歳になりました。
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