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7億ドルの男(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 少し前のニュースになりますが野球の大谷翔平選手がドジャーズに移籍。その際の契約金が7億ドルとのこと。破格の選手に相応しい破格の契約ですね。

 さて、このニュースを伝える2023年12月10日の7時のNHKニュースでは米ABCのニュースが引用されていました。以下の写真の様に「野球で初の7億ドル選手だ」とのキャプションがついています。

 いや、ここは「7億ドルの男」とすべきだと私は思います。以下、その説明を。(いや、別に大した理由では無いのですが…。)

 このアナウンサーは原語では「Baseball has its first seven hundred million dollar man.」と言っています。DeepLで日本語訳すると「野球界に初の7億ドル男が誕生した。」となって「7億ドル選手」ではなくて「7億ドル男」となっていますね。でも、このニュースの文脈では「男」というのは「選手」という意味はなのは明白で、NHKのつけたキャプションの方が相応しいと思えます。

 ではなぜABCのアナウンサーは「seven hundred million dollar player」と言わず「seven hundred million dollar man」と言ったのでしょうか。

 これ以降は私の推測ですが、おそらく「million dollar man」できれば「six million dollar man」と言いたかったのだと思います。

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 実は「six million dollar man」は1973年から米ABCで放送されたSFドラマのタイトルなのです。日本でも「600万ドルの男」というタイトルで放送されて、当時中学生だった私も見た記憶があるのです。(主人公スティーブオースティンの吹き替えは広川太一郎氏でした。格好良かったなあ。)

 要するに、このニュースの「seven hundred million dollar man」はおそらく「six million dollar man」をもじった表現なのですね。日本で松井秀喜選手のことを「ゴジラ」といったような感じでしょうか。

 それにしても「600万ドルの男」でも盛った金額だったのですが今やその100倍以上。アメリカの経済成長、というかインフレの凄さを感じますね。

PS:2018年の日本映画「億男」の英語タイトルがたしか「million dollar man」でした。それを見た私は「ああ、日本ではアメリカの6分の1か。」などと思ったものです。アメリカと比べて日本は「元気」がないなあ。

 

江頭 靖幸

 

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