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2023年を振り返る(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 2023年が終わるにはもう少し時間がありますが、こと大学について言えばもう終わりと言っても良いでしょう。昨日の記事でも述べた様に本学八王子キャンパスはもうお休みに入っています。ということで、今回は今年、2023年を振り返みましょう。

 ここ数年来、正確には2020年以来、「今年を振り返る」という話題では必ず「コロナ禍が…」という話がでてきます。でも今回の記事はさすがにもうその手は使えないかなあ、などと思ったのですがよく思い出してみるとコロナが5類、いわゆる「普通の病気」となったのはまだ今年の5月のことだったのですね。実は2023年度も開始時点ではコロナ禍の最中だったということになります。

 とはいえ、その頃には2020年当時の緊張感はかなり薄れていたのも事実。2023年、というか2023「年度」は実質的にコロナ禍が終わった年と位置づけられるのではないでしょうか。

 いやー、コロナ禍の最中には「ニューノーマル」とか言ってたものですが、はてさて。

 大学関係者として一番気になるのはやはりオンライン授業関係なのですが、これなどコロナ禍がピークを過ぎると急速に元に戻って、「やはり授業は対面が基本」となった様に感じています。実は2022年の時点からその傾向はあったと思うのですが、2023年には完全の巻き戻されたというか。オンライン授業というものは「全てオンライン」となって大学に通学する必要がなくなれば大きなインパクトがあると思いますが、一部オンライン一部対面という形態では意外と厄介です。かといって全面オンライン授業というのも学習者にとってはつらい環境。それにどう考えても対面が良い授業というものもありますし。せめて「週の何日かはオンライン」というスタイルが実現できればとも思います。でも、それぞれの授業の性質とオンラインの日程を巧く組み合わせる、というのは至難の業ですよね。

 結局は対面が中心という従来の授業形態がもどってきたのが2023年ということに。とはいえ対面の授業といってもその内容はやはりコロナ禍の影響を受けているといえるでしょう。私自身の授業でも復習用に授業の動画(とっ言ってもスライドショーに音声が載っているものですが)を残すなど、以前とは違った工夫もしています(こちらの記事など)。

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 さて、授業は対面に急速巻き戻りつつある、というか巻き戻った2023年ですが、それでも戻らないものもあるだろう。実はちょうど1年前、2022年の末に書いた記事、「2022年を振り返る」では

教員も学生も確実に出勤・出席するという前提での大学教育は、本当は無理があったのではないか。

などと書いて、学生諸君だけでの我々教員にも、さらに世の中一般の人たちにも「必要があれば休みを取るべきで」「無理をしてでも出席(出勤)することが正しい事ではない」という意識が広がっているようだ、と書いています。

 よく考えると、この「無理に出席(出勤)しない」という姿勢が定着したことがコロナ禍の本当の影響なのかも知れません。それが「よく考え」ないと気が付かない、普通のことになっているのが正に「ニューノーマル」なのでは。私も「この授業は対面だけですよ」と言いながら、先ほど紹介した様に復習用の動画を作ったりしています。これが気軽にできるところもまた「ニューノーマル」でしょう。

 実際、最近授業をしていると明らかに以前より休む学生さんの人数が多いのです…って、おっと、それはこの冬の始まりからスタートしたインフルエンザの大流行(インフルエンザの流行についてはこちらの記事で、自分が罹った経験についてはこちらで触れています)のせいかも知れませんね。

江頭 靖幸

 

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