今年も「朝まで生テレビ」を見た(江頭教授)
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「朝まで生テレビ」という番組は1987年から続いている討論番組。昨年の正月にひさびさにこの番組をみていろいろ思うところがあり(このブログでも、こちらの記事やこちらの記事にまとめてあります)今年も見てみよう、とおもって今回はきちんと録画設定をしておきました。
ことしも司会は田原総一朗氏。御年89歳とのこと。昨年一年も無事に過ごされて下の写真の様に元気に司会者を続けられているのを見ると、新年早々嬉しい気持ちになりますね。
昨年同様、田原総一朗氏のために「皆さん滑舌に気をつけていて大きな声でゆっくりと分かり易い言葉で語ってくれる」という昔には無かった敬老番組という要素が加わった「朝まで生テレビ」ですが、肝心の田原氏の話がもごもごして何を言っているのか、若干分かりにくいという問題はやや顕著になっているかも。とはいえ、今年は昨年より結構快調に進んでいるという印象を持ちました。
理由はもちろん裏金問題をはじめとする「政治不信」の問題があるからでしょう。この問題に関しては田原氏をはじめ参加者の皆さんが活き活きと討論していて、とてもアットホームな雰囲気になっています。少し声を荒げてじゃれ合ってみたり、みんなとても仲良し。それはそうでしょう、肝心の裏金問題で疑惑を持たれているひとは出席していないのですから、討論と言っても欠席裁判の様相を呈しています。そこに居ないひとの悪口を皆で言い合うとなれば、それは盛り上がりますよね。昨年のこの番組が今ひとつ不完全燃焼だったのはこの「朝まで生テレビ」の得意分野の話題が少なかったことが問題だったことがよく分かりました。
もう一つ印象的だったのは番組の中頃にでてきた教育問題についての議論です。
有権者になる若者達への「主権者教育」を進める活動をしているという女性の参加者の方(この方は昨年も出席されていましたね。)の提起で議論が盛り上がったのですが、その議論の中で元女優の方の主張が我々視聴者に強く「主権者教育」の必要性を感じさせるものだったのです。
この元女優の方の主張は「日本の政治家はダメだ」だから「日本がダメになる」というもの。自分の責任という考えには思い至らない様子。子供を育てているなかで「テレビやネットで伝わってくる政治家のイメージが最悪」で子供には大ダメージなのだとか。うーん、でもこの人も「テレビ」の中の人に一人なのでは…。どうもこの元女優さんの頭の中では「政治家」という生き物がわれわれホモサピエンスとはべつに存在しているかのよう。有権者が政治家を選んでいて、すくなくともその有権者はこの元女優さんと同じく「我々庶民」のはずなのですが(いや、元女優さんの方が「庶民」なのか疑わしい)、その辺は一体どう考えているんだろう。
見るに見かねたのか社会学者の方が「あなたは立候補しようと思わないんですか」とその無自覚な態度を批判する痛烈な一撃を放ちますが「思わないですね」と全く糠に釘。カエルの…おっとっと。「だって上の人たちが言うことを聞いてくれないもん」がその理由。司会の田原氏が「言うこと聞かないのは誰」と重ねて問うても「さあ…。」いや、あの、普通名前も知らないひとが言うことを聞いてくれるとか、ないと思うけどなあ。
とまあ、こんな感じで。この元女優さんは本人自らが日本の「主権者教育」が失敗していることの見事な具体例を演じていたのでした。(いや、元女優さんだけあって本当に「演じて」いたのか!?)
さて、今年の「朝まで生テレビ」新春スペシャル、昨年よりは楽しく見させてもらいました。でも一点だけ。「生テレビ」というタイトルですが、やっぱりこの番組は録画して見るのが良いですね。いろいろ腹の立つことが多過ぎでときどき止めて頭を冷やさないとみていられませんから。
PS:件の元女優さん、前から顔を覚えていた人なので今回の醜態は誠に残念の一言。「うたかたの空夢」とか大好きなエピソードだったけどなあ。
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