「自己責任」のはなしと休学者ガイダンス(江頭教授)
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このブログを読んでいるあなたがもし高校生なら「自己責任」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。今回は、「自己責任」という言葉を誤解している人が多いのではないか、という話をしたいと思います。
自分の仕事は自分で片付ける。何もかも自分で責任をもって解決する。それが自己責任。
もしかしたらあなたはそう思っているかも知れません。でも世の中にはいろいろな仕事があります。最初から予測できない仕事だってある。予測よりずっと簡単なケースもあるでしょうが、思った以上に大変な場合もある。もし大変な仕事があって、自分の能力を超えていたらどうなるのでしょうか?頑張る。でもその頑張りで追いつかないほどの仕事だったら?もっと頑張る。それでも…、同じことの繰り返しですよね。
実際に、ほとんどの人は自分では対応できない仕事の出くわすことがあるのです。その仕事が公的なものでもプライベートなものでも。いずれにしても自分で対応し切れないときは他人の力を借りなくてはなりません。
だれかに助けを求めないと完成しない仕事がある。だから責任をもって仕事を完成させるには「誰かに助けを求める」ことが必要な場合もあるのです。そんなの無責任?いえいえ、意地を張って仕事を完成させられないことのほうが問題です。そうであるならば、
自分の仕事が自分で片付けられないとき、自分で責任をもって誰かの助けを求める。それが自己責任。
ではないでしょうか。適切なタイミングで助けをもとめることこそが責任を果たすことなのだと思います。
なぜ急にこんな話を始めたか、なのですが切っ掛けは「休学者ガイダンス」です。
大学の学部は4年制、大学院と一貫で3年半で終わる学生さんもいますが、基本的には4年間で卒業と決まっています。
とはいえ、必ずしも全ての学生さんが予定通りに卒業できる訳ではありません。学業の途中で病気になる場合、経済的な問題で学業を続けられない場合もあるのです。そんな場合の一つの選択肢として休学という制度があります。一旦大学を休んで問題が解決するのを待って大学に戻ってくる。毎年この季節になると休学制度を利用している学生さん達が本学に復帰するためのガイダンスを行います。休学する学生さんの人数はそれほど多くはないので、このガイダンスは応用化学科だけではなく工学部で共通、学年も全学年共通で実施しています。
さて、私は昨年度のこのガイダンスで、この「自己責任には他人の助けもを求めることも含まれる」というお話しをしました。ところが他の先生たちも同じ様に「他人の助けもを求めること」の必要性・重要性を説くお話しをしたのです。「大切なことだから2回言いました」ならまだしも3回も同じ話がでるとは…。「ものすごく大切なことだから3回言いました」ということでしょうか。
いや、この「他人の助けもを求めること」は本当に「ものすごく大切」なんですけどね。
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