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金融については素人ですが(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 私は一応は人にものを教える立場なのですが、それは専門分野に限った話。表題のとおり、金融や経済については素人なのでどちらかというと教えてもらいたい側です。いや、ここはもっと正直になりましょう。どうやったらお金儲けができるのか、お金持ちになれるのか、すごく知りたいですね。

 とはいえ、今から大学のその専門の学部に入学するのは結構大変なので、できれば手近で本でも読んで勉強したい、などと考えたことがありました。(何年も前、いや十何年も前、いや何十年も前の話です。)タイトルは思い出せないのですが「お金持ちになる方法」的な怪しげな本を買ってきた読んだことがあるのです。

 なんかいろいろ書いてあるのですが、根底にあるのは「借金して不動産に投資して儲けた」という個人的な体験談。というか、具体性があるのはそこだけでした。いや、これはたまたま運が良かっただけでは…。普通の人がまねしてもかなりの確率で借金を抱えて苦労することになるとしか思えない。それが当時の私の結論でした。以来、私は不動産投資に手を出してはいませんし、借金を抱えることもありませんでした。いや、当時の自分の判断力に感謝ですね。

 

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 さて、この本で勧められていた「借金して不動産に投資」という「お金持ちになる方法」はどこに問題があるのでしょうか。

 まとまった規模の不動産に、しかも借金してまで投資するという話でしたから、著者が投資する時点に持っているお金よりずっと大きな金額を投資していたに違いありません。正真正銘の「一生に一度の大ばくち」で、たまたま勝ったからお金持ちになって本を出版したりできたのであって、そこで失敗していたら本を書くどころに騒ぎではないはずです。(いや、不動産投資はやめておけ、という内容の本を書いていたかも知れませんが…。)

 要するに大きなリスクをとることで大きなリターンを求める、という方法をとるのですから、不動産投資と呼んで「投資」の一種を装っていますが、実際には投機でしょう。これは本当の意味でのばくち、ギャンブルなのですね。

 では適正なリスクをとって適正なリターンを期待するなら、それは投機ではなく投資だといえるのか。今の私の答えは「然り」ですが、それについては稿を改めて説明したいと思います。

江頭 靖幸

 

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