「リデュース」VS「イノベーション」(江頭教授)
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サステイナブルな社会、もっと限定的に言って循環型の社会をつくるために重要なのはリサイクルだけではありません。3Rといって「リデュース(Reduce)」「リユース(Reuse)」「リサイクル(Recycle)」の三つが重要で、しかもこの順番で重要なのだ、というはなし。前回の記事ではこのうちリユースとリサイクルの違いについて述べたのですが、今回は一番重要だというリデュースについて考えてみましょう。
リデュースは「削減」という意味。「節約」と言い換えても良いでしょうか。過剰包装を避ける、使い捨て商品を選ばないなどといった行動がすぐに思い浮かぶのですが、同時に「良いものを長く使う」という方針もあるでしょう。
いや、別に長く使うなら「良いもの」である必要もないのですが…資源やエネルギーの削減、ではなくてお金の節約を念頭におくと「良いもの」はほぼ「高いもの」と同じ。つまり「安かろう悪かろう」の教えの通りなら安物は長持ちせず、結局新しいものを買う必要がでてくる。要は「安物買いの銭失い」になるよ、といったところでしょう。
リデュースを節約と言い換えると上記のように定型句が一杯出てきます。これは節約というものが昔から「良き習慣」として庶民の間にひろがっていた概念だからなのでしょう。ところが今の社会では必ずしも節約を美徳とみなすことはできないかも知れません。それは今の社会には「イノベーション」があるからです。