化学の実験室では白衣が必須です(江頭教授)
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私がいま学生実験などで着用している白衣、実はこの白衣は本学の広報のお金で買ってもらったものです。いまから10年前、本学工学部の創設と同時に応用化学科も創設されたのですが、私はその準備期間に本学に着任しました。その際に広報用の動画を作ろうという話がでて、せっかくだから新しい白衣を、という話になったのです。
要するに私の白衣はコスプレなんですよね。(因みに私自身が実験するときは白衣ではなくて作業着を着るのです。)
さて、私の白衣は別として、世の中一般に化学の実験で白衣を着る、というのはどのような意味があるのでしょうか。
ここはchatGPTにまとめてもらいましょう。例によって全文はこの記事の最後に載せるとして、提案してくれた項目は以下の四つでした。
- 安全性の確保
- 実験への汚染の防止
- 視覚的識別
- 簡易な清潔管理
なるほど。では、これらの項目について少し考えてみましょう。
まず「実験への汚染の防止」について。これはどちらかというとクリーンルーム等の話ではないでしょうか。最後の「簡易な清潔管理」という項目もそうなのですが化学の実験において、人間の側から操作している薬品等に影響を与えることを心配する、というのは少なくとも私自身はあまり経験がありません。
身近な例として食事をしているときを想像してみてください。「白い服にカレーうどんのハネが…」というのはリアルですが、逆はあるのでしょうか。そんなに心配ならまず口を閉じてもマスクをしなよ、ということになりますよね。本当に微量の混入物が気になるなら、単なる「白衣」よりももう少しちゃんとした装備が必要でしょう。
また「視覚的識別」というのも聞いたことがないなあ。ChatGPTが作ってきた文章では「誰が実験を行っているのかを容易に特定」できる、とあるのですが、いや実験室に居る人間は基本全員白衣を着るのでは。だって1番目の項目は「安全性の確保」ですからね。
実はこの「安全性の確保」については私自身、ちょっとした経験があるのです。前職で学生実験を担当していて、学生実験室で大人数の学生さん達が実験をしている中を歩き回って指導をしていました。新しい白衣でしばらくそんな学生実験をしていた後、ふと気が付くと白衣に穴が開いていたのです。
おそらく前回紹介した水酸化ナトリウムのような薬品の水溶液が白衣に付着した結果なのでしょう。でも私自身は実験をしていた訳ではありませんし、そんな液が白衣に着いたという記憶はまったくありませんでした。しかし私が気が付かないうちに液が着いたのは事実でしょう。実験室には危険な薬品が存在し、それが体に付着することもある上に、その事実に気が付きもしないかもしれない。私はこれを体験したわけです。
もし私が「化学の実験室に入るときは白衣で」というルールを守っていなかったら…おそらく白衣ではなく私のジャケットかスラックスに穴ができていたはずです。そう考えると白衣は私の衣服を守った、ということですね。
以下のchatGPTの出力の全文を載せておきます。
白衣は化学の実験室で着用される主な理由はいくつかあります。
安全性の確保:
- 白衣は身体を化学物質やその他の実験による危険から保護します。化学物質が衣服にかかると、皮膚に接触する危険性がありますが、白衣を着用することでそのリスクを軽減します。
実験への汚染の防止:
- 実験室では、外部からの微粒子や他の物質が実験に混入するのを防ぐ必要があります。白衣は、身体からの微粒子の放出を最小限に抑え、実験の正確性を保つのに役立ちます。
視覚的識別:
- 白衣は、実験室で働く人々を識別するための視覚的なシンボルとして機能します。このようにして、誰が実験を行っているのかを容易に特定でき、安全上の観点からも重要です。
簡易な清潔管理:
- 白衣は比較的簡単に洗濯や消毒ができるため、実験室の清潔さを維持するのに役立ちます。清潔な環境は実験の信頼性を高めるだけでなく、作業者の健康にも良い影響を与えます。
総じて、白衣の着用は化学の実験室での安全性と正確性を確保するための重要な措置です。
以上です
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