水酸化ナトリウムが服につくとどうなるか(江頭教授)
| 固定リンク 投稿者: tut_staff
私が中学生の頃の話。学校の「化学部」(そう、「科学」ではなくて「化学」でした)の活動で水の電気分解の実験をしたことがあります。電気の力で水を酸素と水素に分解するという内容ですが、水だけでは(ほとんど)電気が通らないので水酸化ナトリウムを入れて実験を行いました。
さて、異変に気が付いたのはその実験からしばらくしてから。白衣に少し黄色っぽいシミができているなあ、などとおもってその部分を触るとぽろぽろと崩れてしまいました。白衣の繊維がボロボロになってしまっていたのです。これは一体…電気分解の実験で使用した水酸化ナトリウムの水溶液が服についたのでしょう。乾燥し濃縮された水酸化ナトリウムの強アルカリによって服の繊維が分解されてしまったのですね。
水酸化ナトリウムが自分の手についた、となればすぐに気が付くことができますから大量の水で洗えば大丈夫。その瞬間には気が付かなくても水酸化ナトリウム水溶液が乾燥する途中、どこかで必ず気が付くはずです。そして多少皮膚が溶けても自己再生能力がありますから肌がぽろぽろと崩れ落ちる、などというホラーなことは起こりません。
一方、白衣については、まず水酸化ナトリウムの水溶液がついたかどうか、よく分かりません。乾燥すれば水酸化ナトリウムは濃縮されますし、服には自己再生の機能も有りません。実験が終わったら大量の水で洗う、という習慣を付けておけば良いのかも知れませんが、さすがにそれは…。
いやいや、そもそも実験をするときに白衣を着るのは(白衣では無く)普通に着ている服に穴が開くのを防ぐためなのでは?そういう意味では中学生だったころの僕の白衣は学生服を守った、という意味で本来の役割を果たしたのだと言えるかも知れませんね。
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