「責任廃棄」って言葉知ってますか?(江頭教授)
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我々応用化学科が属する東京工科大学工学部は設立から今年で10年目。10年目ともなればすでに退職された先生方もいらっしゃいます。そんな先生方から「退職に際しての片付けは大変。とくに大変なのは責任廃棄だよ。」という話を何回か聞いています。
「そうか、大学の先生は責任感が強いから責任を廃棄するのは難しいのか」って、そうじゃない!
「責任廃棄」というのは「責任をもって廃棄すること」で、断じて「責任を廃棄すること」ではありません。
我々教員は個人情報の入った情報を扱う機会が結構あります。保護すべき個人情報として「成績情報、採点結果、学生提出物(レポート等)」が含まれている以上、授業を担当している教員は必然的に保護する責任を負った情報を扱うことになるのです。学生さん達の試験の答案などはまだしも、実験などのレポートとなるとそれなりの分量があります。これを「責任をもって廃棄する」となると、焼却や溶解、あるいはシュレッダー処理が必要となります。まあ簡単なのはシュレッダー処理ですが量が多くなるとこれも時間のかかる作業となります。退職を前にして時間のないところで長年ため込んだその手の資料を処理するとなると、これは「大変だ」と愚痴りたくなるのも分かりますよね。
さて、責任廃棄が大変なのは対象が紙の場合ですよね。電子データの場合も大変ではないとは言いませんが、必要な労力が量に比例しないので、数年分のデータを一気に処理ということも可能でしょう。そう考えると成績のデータなどは紙に残さないのがよいかと思います。
とはいえ、紙でなければならない資料のありますよね。試験の答案などはその典型でしょう。一方、微妙のところなのは実験などのレポートだと思います。
実験レポートは、試験の答案などと比べて圧倒的に枚数が多い。そして複数枚のレポート用紙がホッチキスなどの金属で閉じてあるり、おまけにチャーや写真などが貼り付けられているなど、如何にも処理がしにくい形になっています。
それを考えると、試験の答案とは違うのですから、実験レポートも電子版で統一すれば、とも思います。でもやはり紙のレポートを作成するという体験は特に1年生辺りの初学者には必須だという気もします。これはなかなか難しいですね。
PS:このブログを書くに当たって「責任廃棄」という言葉を検索してみたのですが、あまり該当がありませんでした。(採用募集における履歴書関連の話がちらほら。)もしかすると「責任廃棄」は本学固有の用語(所謂「方言」)なのかも知れません。言われてみれば私もここに来てから聞いた言葉なのですが、個人情報保護の意識が高まったことに対応してごく最近「責任廃棄」という言葉が使われる様になったからかと思っていました。
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