日本と世界の違い(江頭教授)
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昨日の記事では物価が極めて安定していた平成の期間と比べて、令和に入ってからは物価の上昇がめだっているというデータを紹介しました。その理由は
ロシアのウクライナ侵攻の影響が早々に現れたのか、あるいはコロナ禍に対応した財政出動が遅ればせながら効いてきたのか。解釈はいろいろありうる
と書いておきました。今回は、少し世界に目を広げてその理由について考えてみましょう。
まず、世界の物価の動向はどうなっているのでしょうか。検索してみると労働政策研究・研修機構の「新型コロナウイルス感染症関連情報: 新型コロナが雇用・就業・失業に与える影響 国際比較統計:消費者物価指数」というページに「消費者物価指数(月次、前年同月比)」として以下の様なグラフが示されていました。
そもそも「新型コロナウイルス感染症」の関連情報だという触れ込みのデータですから、コロナ禍の影響だという意識で作られたグラフでしょう。実際、日本の物価は2022年の始めごろ、ロシアとウクライナの戦争が始まった頃から上昇に転じているのですが、他の国々の物価はそのずっと前から上昇しているのですから、戦争よりコロナ禍の影響での物価高なのだという理解の方がしっくりきますね。(このグラフは前年同月比の値なのでプラスになれば物価上昇、マイナスのときは物価下落を示しています。2021年中、特に前半の日本の物価は下落してたのですが、諸外国の物価はすでに上昇していたのです。)
さて、物価指数の傾向(上がるか下がるか。上のグラフならプラスかマイナスか)もさることながら、日本と比較した場合の各国の物価上昇のスピードには少々驚かされます。ドイツなどはイタリア、イギリス、ドイツなどヨーロッパの国々では年間10%程度の物価高ですから、日本の2倍程度のスピードで物価が上昇していたことになります。
私達は「物価が上がって大変だ」と思っているわけですが、それでも世界の中では恵まれている方なのかも知れませんね。
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