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雑誌「ノジュール」のこと(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 最近タブレットを更新したのでいろいろ設定やファイルを整理していたのですが、その流れで堺屋太一氏の著書「団塊の世代」を読み返しています。(いや片付けに集中すべきなのですが……。)そこで思い出したんですよね。雑誌「ノジュール」のことを。

 まず「ノジュール」というタイトルですが、これは英語の「nodule」から来ています。実際、この雑誌のWEBサイトには以下のような説明が。

ノジュールとは、鉱物学の専門用語で硬くて丸い石球(団塊)のこと。

「団塊の世代」の語源となったもので、球の中心にアンモナイトや三葉虫などの化石が入っていることがあります。

とあります。要するにいわゆる「団塊の世代」向けの雑誌だといということですね。

 とはいえ、この雑誌には「50代からの旅と暮らしの発見マガジン」というサブタイトルが。いや、50代はさば読みすぎでしょう。

 では、正確には団塊の世代は何歳の人のことなのでしょうか?先にあげて堺屋太一氏の「団塊の世代」がその語源なのですが、その中で氏は

日本民族は、終戦直後の一九四七年から四九年にかけて、空前絶後の大繁殖を行った。この三年間に生まれた日本人は、その直前よりも二〇パーセント、直後より二六パーセントも多いのである。

と述べています。

 ですから今(2024年時点で)は74歳から76歳の人、というのが団塊の世代の厳密な定義と言えるでしょう。

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 さて、この年齢を見て気が付くことは、いま団塊の世代に人たちが75歳くらいになっていること。つまり後期高齢者になりつつあるということですね。あと1年後の2025年には団塊の世代が全て後期高齢者になってしまいます。「高齢者とはいってもまだまだ元気」などと言っていられるのは65歳から75歳までの前期高齢者、いやいや、私なんてまだ前期高齢者にもなっていないのにも日々衰えを実感する毎日ですから、これが後期高齢者ともなれば一人でできない事も増えるのでは。

 実は65歳以上の高齢者の人口は少し前から安定していてそれほど増えていません。でも若い人の人口が減っているので高齢者の割合(高齢化率ですね)は増えているのです。

 ですから、団塊の世代の老化に従って高齢者の平均年齢が高くなって行くと、いろいろな問題が日本社会に起こってくることが予想されるわけです。いや、少子化も大問題ですが高齢化も大きな問題ですよね。

 なお、最初の方で触れた雑誌のノジュールですが、創刊は2006年だとか。この頃だと団塊の世代は58歳から60歳なので、会社をリタイアして新しい趣味や生き甲斐を探し始めた頃ではないでしょうか。そこに「旅と暮らしの発見」をテーマに雑誌を売り込む、というは慧眼ですよね。(でも、やっぱり50代はさば読みすぎでしょう。)

江頭 靖幸

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