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2024年9月

2024.09.30

今学期の履修登録はひと味違う、のだが(江頭教授)

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 本学の後期、ちょうど1週間の授業が終了し、今日から第2週間目に入ります。学生諸君も一通りの授業に出席して新学期の授業の概要が分かったところでしょう。

 さて、小学校から高校まで、学生諸君がどの授業を学ぶかは基本的には学校側が決めていました。選択授業があってもごく一部。それに対して大学の授業では学生諸君による授業の選択の幅が非常に大きくなっていて、基本的には学生諸君が選択した授業を受けることになっています。

 学生諸君が「この授業に決めた!」と思っても、それを教員に知らせてくれないと話が始まりません。そのための制度が「履修登録」です。学生諸君はオンラインでどの授業を履修するのか登録し、その結果が我々教員にも伝えられます。

 以前はこの履修登録が授業開始の後に設定されていました。でも授業開始時に受講者名簿が決まっていないのはやりにくい。そこで今年から履修登録期間が授業が始まる前に設定されることになりました。(この件についてはこちらの記事で紹介しています。)

 名簿が確定したので、私はいくつかのグループワークのある授業で班分けの作業を開始していたのですが……

 あれ、ちょっと待てよ!履修登録はもう終わっていますが、実は授業が始まって1週間後の正に本日、「履修登録確認・修正」の時間が取られているのです。えっ、もしかして今の名簿は修正されるの?

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2024.09.27

八王子キャンパスの掲示板(物理)(江頭教授)

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 本学の学生に大学から情報を提供する手段、その一つとして本学学生専用の情報サイト「TUT 学生ポータル」についてはこちらの記事で紹介しました。そのなかで、

私の大学生時代には学生向けの「掲示板」がありました。いや、これは本当に物理的な掲示板でして、大学に行って何かお知らせがないかを確認するというものです。

といった話を紹介しました。いまの学生は「TUT 学生ポータル」があるので大学に行かなくても、自分の好きな時間、好きな場所で「休講」や「教室変更」のお知らせをみることができる、とういお話。でも、思い返してみると本学八王子キャンパスにも掲示板(物理)があったのですよね。最近は気にするどころか思い出すこともないのですが、あれは今どうなっているのだろう。

 と、いうことで調べてみたというのが今回の記事。もっとも写真は少し前、先週の(2024年9月20日)のものです。

 さて、掲示板は確かスクールバスのバス停の近くのあの辺に……あっ、あったあった、というのが以下の写真。ちなみに左側には本学の学園祭、紅華祭の看板も見えていますね。

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いや、意外といろいろなものが掲示されている様ですね。

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近づいて見るとこんな感じ。サークルなどのメンバー募集の張り紙が多数。なるほど、この掲示板は単なる情報伝達のツールに留まらずに広告の役割も兼ねているようです。

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2024.09.26

「台風一過」ではないが「台風一過」のような八王子キャンパス その2(江頭教授)

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 先週の木曜日(2024年9月19日)に八王子市でものすごい風と雨、そして雹が降りました。これ、意外なことに八王子ローカルの現象だったらしく、少し離れた場所の人に聞くと「えっ、そうだったの」という反応も。もしかしたら私の妄想だったのか……いえいえ、そんな事はありません。その証拠に暴風雨と雹の影響は大学キャンパスにも残っていますよ、ということでこちらの記事でその痕跡を紹介。ところが最寄りの八王子みなみ野駅からスタートしたところ、大学キャンパスの正門で話が終わってしまいました。で、今回はその続きをご紹介しましょう。

 暴風雨翌日の八王子キャンパスを歩くと強風で引き剥がされた緑の葉っぱや小枝などが散乱していました。でもその程度なのかなあ、と思っていると以下の様な光景が。

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 この写真、背景に写っている建物は「FOODS FUU」というコンビニや書店、フードコートなどが入っている建物です。正門の方向から見てその裏手にあたる場所で樹が倒れているのを見つけました。

 幸い、人が歩く歩道から離れた位置で、しかも歩道の反対方向に倒れています。

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 これが倒れた木の根元。ざっくりいってますね。よく見るとこの木にはワイヤーがかかっていたことが分かります。危険な方向に倒れないように用意されていたのでしょうか。

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2024.09.25

ハンディファンは昭和にもあった、という話(江頭教授)

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 先週末か今週にはいってからか、最近になって急に涼しくなって夏の気分も薄れてきました。いや、もう9月も後半というか末になってきたのでそれが正常な気候のですが、いままでの暑さのせいでまだ夏の気分が残っている様な気もするここ最近ですよね。

 さて、今回の記事も夏の間、というかついこないだまでの暑いさなかに考えていたことです。最近、小型で手持ちのハンディファンをもっている人が目立つなあ、などと。

 いままでの扇子や団扇の代用でしょうか。でも電池(蓄電池)の電力でモーターを回してくれるのは良いですよね。これなら、団扇の様に扇ぎすぎでかえって体が火照る、なんてことはないでしょうからね。これは仲々の発明だと言えるでしょう。

 でもちょっと待ってください。電池でモーターを回す携帯扇風機なんて機械的にはごくごく汎用の部品だけで作れそうです。こんなものが21世紀まで誰も思いつかなかった、などということがあり得るのでしょうか?

 実はこの問の答えは「そんな事はない。普通に思いついた人はいた」です。私が子供の頃に、正に「電池でモーターを回す携帯扇風機」が売られているのを見たことがあるのです。

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2024.09.24

先週の金曜日に卒業式が行われました(江頭教授)

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 少し前の話ですが、先週の金曜日(2023年9月20日)は本学の卒業式でした。

 あれっ、と思った人も多いかもしれません。普通の卒業式は春に行いますが、本日の卒業式は秋の行事。そうです、いわゆる9月卒業の学生さん達の卒業式なのです。

 本学には秋入学という制度はありません。ですから通常通り4年間で大学の教程を終われば卒業は入学から4年後の春となります。とはいえ学生さん達の中にもいろいろな事情があることも。学業の途中で病気になる場合、経済的な問題で学業を続けられない場合もあるでしょう。そんな場合、半年卒業を遅らせることも選択肢にはあるわけで、結果として秋に卒業式を行う人たちもいる、そしてその卒業式が本日なのです。

 おっと、そう言えば別の事情で卒業式が半年ずれる学生さん達もいますね。

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2024.09.23

本日(9月23日)から後期授業が始まります。(江頭教授)

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 本日(9月23日 月曜日)から後期授業が始まります。夏休みも終わり、14回の授業と期末試験の新しい学期が始まるのです。

 えっ、今頃?と思っている高校生の皆さん、大学の授業は前期と後期の2期制なので「夏休み」が終わって授業が始まったのではなく、「秋休み」が終わって授業が始まったのだと思ってください。

 前期、後期ともに14回の講義と1回の試験、全部で15週間で一学期となります。前期と後期を合わせて30週間ですから、その間の休みは全部で22週間、春と秋に平均11週間の休みがある計算です(後述するように学期中のお休みなどがありますから、実際にはそこまでまとまった休みにはなりませんが。)

 前期の授業の終わりは7月25日、試験も終わり「秋休み」が始まったのが8月2日ですから、7週間くらいの休みだった、ということになります。

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2024.09.20

「台風一過」ではないが「台風一過」のような八王子キャンパス その1(江頭教授)

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 本日は2024年9月20日ですが、べつに八王子に台風が来ていた、と言うわけではありません。ですが9月19日の八王子では「台風並み」の猛烈な風と雨、そして場所によっては雹が降るというひどい天候になりました。今回のブログでは八王子キャンパスに残っている悪天候の影響を見てみよう、というわけで私は少し早く家を出てキャンパスに向かったのです。

 キャンパスに行く前にすでに影響が。下の写真は東京工科大学八王子キャンパスの最寄り駅の八王子みなみ野からキャンパスに向かう途中の風景。街路樹が真ん中から折れているのが見えます。ちなみに図奥の左側に見える建物は本学の学生会館(学生寮)です。街路樹が一本、真ん中からポッキリといってますね。

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 大学に向けて坂を上ってゆくと……あれ、また街路樹が倒れています。

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近づいて確認してみましょう。いやー、根元からボッキリですね。

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その先、こんどは折れた枝が倒れかかっていて道がふさがれています。

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脇をすり抜けるとこんな感じにみえます。街路樹が途中から折れているのですね。

 さて、本学のキャンパスに到着するまえにいろいろな傷跡がみつかりました。以下の地図上で見ると①が途中で折れた街路樹、②が根元からボッキリの街路樹、そして③が通せんぼの道、という感じ。でも実は三つとも、坂道の北側(大学に行く場合は車道の左手)の歩道にありました。一方で、南側の歩道は普通に歩ける状態になっています。これは風の方向の影響なのでしょうか。

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2024.09.19

オーストラリア レオノラ の重力(江頭教授)

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 昨日の記事で「じつは重力加速度は厳密には一定の値ではなく、場所によって変化する値です。」と書いたのですが、それで思い出したのが西オーストラリア州の内陸部、レオノラという町のことです。私は「乾燥地への植林による二酸化炭素固定」というテーマで研究を行っています。要するに沙漠の緑化なのですが、その対象地がこのレオノラという町でした。(下の地図の赤線の部分。小さな町なのですが領域でみると大きいですね。)

 さて、このレオノラの町の主な産業は牧畜ともう一つ、地下資源の採掘があります。最近はニッケルの鉱石を掘り出しているそうです。それもあるのでしょう、現地調査にゆくと乾燥地のなかでキャンプをしている集団に出会うことがあります。聞けば彼らは鉱床を探索しているとか。どうやって?最近は重力を測定することで鉱石がある場所がわかるのだそうです。

 はて、鉱床があると重力が変化するのでしょうか。重力は非常に弱い力で地球ぐらい大きな質量の物体の重力はそれなりですが、鉱床の重力なんか測ることができるのでしょうか?

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2024.09.18

kgとkgf(江頭教授)

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 今回のタイトル「kg」は「キログラム」と読んで質量の単位ですよね。これはSIの基本単位の一つですから今更説明する必要もないでしょう。(基本単位なのに「k」が付いているのは如何なものか、とは思いますけどね。)

 さて、もう一つの「kgf」を皆さんは知っているでしょうか。私は、まあ知ってはいたのですが恥ずかしながら「kg重」と書いて「キログラムジュウ」と読むのが正しいのだと思っていました。でもどうやら「kgf」と書いて「重量キログラム」と読むのが正しい様です。英語ならfは「force」の略で「キログラムフォース」となるようです。

 なんかはっきりしない書き方で申し訳ありませんが、問題は「kg」にはSIというちゃんとしたスタンダード、こうであるべし、というルールがあるのに対して「kgf」にはそれが無い。もっというとSI的には「使わないことが正しい」という位置づけなのです。

 おっと、話の肝心な点が飛んでしまいましたね。そもそも「kgf」は何なのか。これ、実は力の単位なのです。ですが利用は推奨されない非SI単位となっています。

 通商産業省(経済産業省の以前の名前ですね。)のSI単位等普及促進委員会名義の「新計量法とSI化の進め方 -重力単位系から国際単位系(SI)へ-」という資料には

従来は力の単位として、質量と同じ単位の“kg”が使用されていた。日本では、20年ぐらい前から力の単位に質量と同じ単位の“kg”を使用することに問題があるとして、工学単位系では“kgf”を使用して表すことが多くなった。この表示は、質量と同じ単位の“k g”と区別するためであり、SI化ではなかった。(同資料15ページ)

という記載があります。この資料が平成11年(西暦1999年)に書かれていますからその20年前といえば1979年ということになります。当時私は高校生でしたら、私が本格的に物理学や工学の勉強をしていたころには力の単位としての「kgf」は(SI化ではないとしても)使われていたのですね。

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2024.09.17

「TUT 学生ポータル」について(江頭教授)

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 学校から学生の情報を伝える方法、というのは昔(というか私自身が学生のころ)は限られたものでした。いや、情報を伝えるという意味では毎日授業をやっているので十分な時間があるわけですが、それ以外の場合、つまり緊急の要件などの場合です。

 小中学生のころ、いや高校生のころもでしょうか。クラスごとに電話連絡網というのがあって、学校から各生徒の家に電話でメッセージをリレーする形で伝えたりしたものです。とはいえ、これは「遠足の日に雨が降りそうだが、決行するか中止にするか」みたいな特別な情報を伝えるための最後の手段という位置づけでしたね。

 大学にはいるとさすがに電話連絡網はなくなりました。代わりに学生向けの「掲示板」が準備されるようになりました。いや、これは本当に物理的な掲示板でして、大学に行って何かお知らせがないかを確認するというものです。大学には「遠足」とか「運動会」はなかったのでもこれでもOK。大学に行ってから「休講」のお知らせを見つけても別に気にならなかったなあ。例えその授業が1限でも。早く大学に来たのに授業が無くて無駄足だったことよりも、授業を休めるという喜びが勝っていたんですよね。

 さて、思い出話が長くなってしまいましたが、今の大学、というか東京工科大学ではこのタイプの情報はWEBサイトを通じて通知されることになっています。本学の公式のWEBサイトとはまた別に内部の学生さん向けのWEBサイトが準備されています。名称は「TUT 学生ポータル」でして、TUTは「Tokyo University of Technology」の略。要するに本学の学生向けポータルという訳ですね。

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2024.09.16

映画「地球は壊滅する」(原題:Crack in the world)は日本のテレビで放送されたことがありますか?(江頭教授)

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 先日のこの記事で紹介したのが映画「地球は壊滅する」(原題:Crack in the world)です。その記事の中でも書いたとおり、実はこの映画、私は子供時代にテレビで放送していたものを見たことがあるのです。内容もうっすらと覚えているのですが、同時にそのときの状況も覚えています。家族のあつまる居間でこたつ(当時の私の家は掘りごたつでした)に入って、英語の宿題をしながら見ていたような。ということは中学生くらいの冬のことなのだろうか。

 などと記憶をたどっていったのですが、はて、どのくらい本当なのでしょうか。人間の記憶なんてすぐ書き換えられるものですから心許ないところです。実際、先の記事でもこの映画のあるシーンの記憶について「子供時代に見たことを覚えていたのですが、そのときに板ではなくて紙だと記憶していました。」と書くような有様ですしね。

 そこでふと思いついたのですが、この「地球は壊滅する」は本当にテレビ放送されたのか、ChatGPTに問い合わせる、というのはどうでしょうか。早速

映画「地球は壊滅する」(原題:Crack in the world)は日本のテレビで放送されたことがありますか?

とプロンプトに入れてみた、というのが今回のタイトルなのでした。

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2024.09.13

映画「地球は壊滅する」(江頭教授)

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 いや、凄いタイトルですよね。これは1965年のアメリカ映画。つまり今から半世紀以上前の映画で、当時の感覚では「有り」のタイトルだったのではないでしょうか。ちなみに原題は「Crack in the World」で、こちらのタイトルの方が内容をちゃんと反映していると言えるでしょう。

 地球の地下深くからマグマを取り出し、その熱を利用することで実質的に無限のエネルギーを手に入れる。そんな計画が(おそらく)英国によってアフリカ大陸で実施されている。マグマを取り出すための長大な掘削孔が掘られているが、マグマに到達する直前に強固な岩盤の存在によって作業は滞っていた。その解決策として核ミサイルの利用が提案されたのだが……

というのがこの映画のスタート。核爆発によって岩盤を打ち破ることは出来るが、果たして影響はそれに留まるのか。すでに地下核実験の影響を受け続けてきた地殻の大崩壊への最後の一撃になるのではないか、と主張する若手科学者がこの物語の主人公です。

 もちろん「地球は壊滅する」というタイトルの通り、核ミサイルの使用は最悪の結果をもたらします。地殻に大きな亀裂(まさに原題の「Crack in the World」です)が生じ、アフリカ大陸からインド洋にかけて地球を一周する勢いで進んでゆくのです。このままでは地球は真っ二つになってしまう。どうやってこの亀裂を止めれば良いのだろうか。

 とまあ、なんとも規模の大きなお話になってゆくのですが、私が少し驚いたのはこの映画が「核の脅威」を扱った映画(かなりの変化球ですが)だったということです。

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2024.09.12

醤油差しと洗びん(江頭教授)

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 化学の実験と料理は少し似ているところがありますよね。という話でこちらの記事では液体の体積の量り方の例として化学実験でつかうメスシリンダーと料理で使う計量カップを比較してみました。

 で、今回は量を測る、という点からは少し外れますが液体を少量取り分ける器具を比較してみましょう。

 まずは料理で使うものとしては「醤油差し」がその代表でしょう。容器内に入れた液体を、容器全体を傾けることで出口(「くちばし」とかいいますね。)から出す、というシンプルなものです。操作は傾けるだけ。液体は重力によって流出します。傾ける角度によって流出する速度を微妙に調整することができるという優れものですね。

 とはいえ、以前は醤油を出したあと、くちばしに残っている醤油が容器の外部に垂れてくる、液だれという現象があって、結構不愉快に感じたものでした。最近はいろいろと構造を工夫して液だれの起こらない・起こりにくい醤油差しが作られているようです。

 でも醤油以外の液体に利用する場合もあるので完璧とは行かないでしょう。特に気になるのはラー油を入れて使う場合。どうしてもベタベタになってしまいますよね。

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2024.09.11

「cc」って読めますか?(江頭教授)

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 「cc」は「シーシー」と読みます。(「シーツ―」じゃないですよ。)

 さて、以前この記事で「立米」の話を書きました。「立米」はあまり知られていない言葉かも知れませんが、「cc」はもっと知られていると思います。「cubic centimetre」の略、「立方センチメータ」のこと。本来は「cm3」と書くべきですね。

 これも授業の中での話しですが「cc」と言ったところ、こちらも「高校までの授業では使われていないようで学生さんはきょとんとしています」という事態に。これには私の方も「きょとん」としてしまいました。

 cc は体積ので縦横高さ、それぞれ 1 cm の空間が占める体積です。この体積を表現するにはいまの高校の教育では 1 mL という用語を使うようです。 その影響でしょうか、最近は cc よりも mL の方がよく使われるような気がします。

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 大さじ一杯は 15 cc と昔は習ったような気がするのですが......。いまは 15 mL なのでしょうね。

 

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2024.09.10

ノートパソコンが無いと仕事にならない、という話(江頭教授)

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 昨日のこのブログの記事、本学の学生はノートパソコン必携となっていますが、それは教員も同じ。ノートパソコンが必要だ、という話を書いたのですが、実はその記事自体はノートパソコンではなくてデスクトップパソコンで書いたのでした。

 何でかって?実は朝大学に来てみると「机の上にいつも使っているノートパソコンが無い!」という事態に直面したのです。そこで気が付いたのが「ノートパソコンが無いと仕事にならない」ということでした。

 授業が休みの今の期間、私の場合は仕事のかなりの部分がメールでの連絡を受けてそれに返事を返す、というスタイルになっています。メールの送受信の設定がしてあるいつものノートパソコンが無いといきなり詰むなあ、ということに。あっ、でもブログの更新ならWEB上で完了できるぞ、と思って急遽昨日の記事を書いたのでした。

 実際、私のデスクサイドにはデスクトップパソコンが、いや、デスクサイドにデスクトップはおかしいか。タワー型のパソコンが私のデスクサイドには置いてあるのです。以前はこれがメインのパソコンだったのですが、何時の頃からかノートパソコンがメインになって、しばらく利用していなかったのです。久々にデスクトップ、というかタワー型のパソコンを使ったのですが、いや、これもなかなか快適だなあ。

 おっと、本題はノートパソコンが手元にないという話でしたね。

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2024.09.09

ノートパソコン必携なのは学生だけではない件(江頭教授)

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 本学では入学時からノートパソコンは必携。学生全員がノートパソコンを持っているという前提で授業も進められています。これは工学部応用化学科が設立される前からの本学の方針で、このために教室にはノートパソコンのために電源コンセントとイーサーネットケーブルのソケットが標準装備されていました。この「イーサーネットケーブルのソケット」というのが歴史(オーバーな!)を感じさせますよね。いや、今の高校生諸君だと「懐かしいを通り越して知らない」領域でしょうか。通信はWi-Fiの無線LANに取って代わられたので、今では電源用のコンセントだけが利用されています。

 さて、昔は自分専用のノートパソコンを持っていない、という学生さんは普通にいたと思います。それでもこの制度が導入されたのは、やがて大人でも子供でも皆ノートパソコンをもつ時代が来るに違いない、という予測があったからでしょう。実際、世の中はその方向に動いていくように見えましたが、スマホの登場によって「何でもスマホで済ませるので、ノートパソコンは持っていません」という若者も増えているとか。そう考えると、大学生になったのを機にノートパソコンを購入する、というのは工学系の学生さんにとっては一つのイベントなのかも知れませんね。

 本学では、入学に際してノートパソコンを購入する人向けに大学推奨のノートパソコンの共同購入を斡旋しています。学部学科毎に授業の内容に合わせたスペックを出し合って最小公倍数的なPCを全学でまとめて指定します。(正確には一部の学部に例外がありますが。)ノートパソコンに詳しくない新入生もいることですし、何より数をそろえることで割引率も期待できますからね。

 学生さんの話はこれぐらいにして、では教員の方はどうなのか。別に教員向けの共同購入はありませんが、ノートパソコンは必携というのは実質上教員にも適用されていると言って良いでしょう。

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2024.09.06

計量カップとメスシリンダー(江頭教授)

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 先日の記事で化学の実験での操作について

液体の「体積を測る」という操作にはいろいろなタイプがあり、そのやり方も化学実験独自のものと言えるでしょう。

と書きました。今回は、この液体の体積を測る操作について少し説明しましょう。

 まず、私達の身の回りで液体の体積を測る、という操作自体、どのくらい必要なものなのでしょうか。「コップ一杯」とか「バケツに半分」とか。あまり正確に体積を測るという場面は思い浮かばないのでは。場合によっては「ひたひたになるくらい」の様に絶対量ではなくて相対的な量だけが問題になるケースも多いでしょう。

 「化学の実験なんて料理みたいなもの」という言い方がありますが、一般の家庭で液体の体積を測ることが必要になる場面はやはり料理をする台所でしょうか。小さじ一杯 5 mL、大さじ一杯 15 mL など決まった体積を測る方法もありますが、任意の量を測る(というか測り取る、でと言うべきですね)とすれば計量カップが使われるのではないでしょうか。目盛り付きの透明な容器で、使い方は一目瞭然。入れた液体の量を目盛りで読み取るわけですね。

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化学実験の操作でも同じ機能をもった器具が使われています。

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2024.09.05

休学者ガイダンスと規則正しい生活のはなし(江頭教授)

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 大学の学部は4年制、大学院と一貫で3年半で終わる学生さんもいますが、基本的には4年間で卒業と決まっています。

 とはいえ、必ずしも全ての学生さんが予定通りに卒業できる訳ではありません。学業の途中で病気になる場合、経済的な問題で学業を続けられない場合もあるのです。そんな場合の一つの選択肢として休学という制度があります。一旦大学を休んで問題が解決するのを待って大学に戻ってくる。

 昨日、そんな休学制度を利用している学生さん達が本学に復帰するためのガイダンスを行いました。休学する学生さんの人数はそれほど多くはないので、このガイダンスは応用化学科だけではなく工学部で共通、学年も全学年共通で実施しました。

 さて、このガイダンスでは数人の先生が復学予定者諸君にそれぞれの立場からアドバイスをするのですが、その中で「立場を離れた上でのアドバイス」としてこんな話をされた先生がいました。

規則正しい生活をしてください。まず手始めに朝起きる時間を一定にしましょう。大学だと1限が休み、などで寝坊することができる曜日も有るかも知れませんね。でも、日によって起きる時間を変えるのは生活リズムが狂う元凶になります。実際私も毎日6時半に起きる様にしていますが特につらいことはありません。かえって楽なくらいですよ。

なるほど、これは我が意を得たり。実は私も起きる時間を一定にしているのです。の、ですが!残念ながら楽じゃないんだなー、これが。

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2024.09.04

公害問題と温暖化問題の違い(江頭教授)

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 ChatGPTに「公害問題と温暖化問題の違い」と入力するとこんな答えが返ってきます(一部抜粋)

影響範囲: 公害問題は特定の地域に影響を及ぼすのに対し、温暖化問題は地球全体に影響を及ぼします。
原因: 公害問題は特定の人間の活動に直接関連しているのに対し、温暖化問題は特に化石燃料の燃焼による温室効果ガスの排出が主な原因です。

なるほどその通り。私も授業のなかでこの様な特徴について触れて

要するに公害問題では加害者と被害者がはっきりしているが、温暖化問題では皆が被害者であると同時に皆が加害者なのだ

などと説明しています。だって「化石燃料の燃焼」をさせている人たちの目的は別に地球を温暖化させることではなく、多くの人が豊かな生活を送るためには(今のところ)技術的にそれしか方法しかないからなのです。化石燃料を燃やしている人たちがいるからこそ豊かな生活を送れる、いえ、もっと言えばそもそも80億人の人間が今現在地球に居る、というそのことがその人たちのおかげだと言っても良いでしょう。

 ですから、「温暖化問題について私は完全に被害者であり加害者ではない」と言える人間はこの世に一人も居ない、とまあ、私は思っていたんですよね。

 ところがドッコイ、

あなた方は私たちを裏切っています。しかし、若者たちはあなた方の裏切りに気付き始めています。未来の世代の目は、あなた方に向けられています。

てな言い方をする人がいるんですよね。(どこの誰の言葉かは検索してみてください。)単純化して言えば「若者」と「大人」を分断して「若者」は純粋な被害者だと宣言しているわけです。

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2024.09.03

応用化学科球技大会を開催しました(江頭教授)

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 小学校から高校まで、皆さんの学校でも「運動会」というものがあったのではないでしょうか(高校だと「体育祭」になりますかね?)。では大学ではどうでしょうか。

 東京工科大学そのものとしての体育祭というものはありませんが、我々応用化学科では学科としてスポーツのイベントを実施してきました。第一期生を迎えた春に新入生交流のイベントという位置づけで「ドッジボール」をやったのが始まり。その後学年も増え、第一期生が研究室に配属されるようになると学年有志チームや研究室チームの対抗試合に。種目もソフトボールに変更になりました。

 この様な経緯で本学科の伝統行事になるかと思われたソフトボール大会ですが、ご多分に漏れずコロナ禍によって中断ということに。そして昨年から「新生」スポーツ大会が再開。今年はその2回目を実施できることができました。

 種目はバレーボール。会場も八王子キャンパスの体育館を借りて屋内での実施に。この時期屋外での球技大会は気温的に厳しい。また、屋内実施ということでソフトボールという訳にはいきませんよね。

 体育館は9時から開場していて、多くの学生さん達が開会式よりずっと早くに来て肩ならしをしていました。そして開会式は10時からスタート。試合が始まります。

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2024.09.02

学生実験の今昔(江頭教授)

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 化学の学生実験には共通した基本的な操作がいくつもあります。そのなかで重さを量る、というのは広く世の中一般に行われている作業で、化学の実験室でもやり方に余り変わりはありません。(使っている器具の性能は破格ですが。)

 その一方で液体の「体積を測る」という操作にはいろいろなタイプがあり、そのやり方も化学実験独自のものと言えるでしょう。例えばピペットを利用して一定量の液体を取り分ける、という操作などは一般に生活している範囲内ではほとんど見ない操作ではないでしょうか。

 本学工学部応用化学科の最初の実験「工学基礎実験Ⅰ(C)」(括弧内のCは応用化学の意味です)では、このピペットの利用法の実験があります。具体的には「ホールピペットで純水を計量して、その重さを量る」という作業を繰り返すもので、作業そのものは単純なものです。しかし、測定における誤差の考え方を学び、与えられた目盛を盲信せず自分でチェックする姿勢に触れる、という意味で大切な実験なのです。

 実は私も学生時代、これと同様の実験をしていました。もう30年ほども前の事ですが、作業の内容はほとんど同じです。ただ、一点だけ大きく進歩したところがありました。そう、PCを利用したデータの解析です。

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