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公害問題と温暖化問題の違い(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 ChatGPTに「公害問題と温暖化問題の違い」と入力するとこんな答えが返ってきます(一部抜粋)

影響範囲: 公害問題は特定の地域に影響を及ぼすのに対し、温暖化問題は地球全体に影響を及ぼします。
原因: 公害問題は特定の人間の活動に直接関連しているのに対し、温暖化問題は特に化石燃料の燃焼による温室効果ガスの排出が主な原因です。

なるほどその通り。私も授業のなかでこの様な特徴について触れて

要するに公害問題では加害者と被害者がはっきりしているが、温暖化問題では皆が被害者であると同時に皆が加害者なのだ

などと説明しています。だって「化石燃料の燃焼」をさせている人たちの目的は別に地球を温暖化させることではなく、多くの人が豊かな生活を送るためには(今のところ)技術的にそれしか方法しかないからなのです。化石燃料を燃やしている人たちがいるからこそ豊かな生活を送れる、いえ、もっと言えばそもそも80億人の人間が今現在地球に居る、というそのことがその人たちのおかげだと言っても良いでしょう。

 ですから、「温暖化問題について私は完全に被害者であり加害者ではない」と言える人間はこの世に一人も居ない、とまあ、私は思っていたんですよね。

 ところがドッコイ、

あなた方は私たちを裏切っています。しかし、若者たちはあなた方の裏切りに気付き始めています。未来の世代の目は、あなた方に向けられています。

てな言い方をする人がいるんですよね。(どこの誰の言葉かは検索してみてください。)単純化して言えば「若者」と「大人」を分断して「若者」は純粋な被害者だと宣言しているわけです。

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この様な言動は如何なものか、なんてしたり顔で言いたいところなのですが、実は私も同じ様なことを考えていたなあ。というのが先日のこちらの記事。ここで書いたのは公害問題についてなのですが

公害を野放しにしている大人たちに激しい憤りを感じる様になってゆきました。「公害を生み出した愚かな人間たちが滅びるのは当然」などと考える様になった

という子供時代の私とよく似た心境なのだろうと思います。いわゆる「中二病」の年代にはこんな考えにかぶれるのも仕方ない話ですよね。

 まあ、加害者を糾弾するだけで問題が解決する訳ではない、というのは地球温暖化問題も同じです。でも、公害問題は見かけ上は「被害者」と「加害者」がはっきりしているので、このような「被害者として糾弾する」考えにとらわれてしまうのも大目に見て欲しいなあ、などと思います。だって、先ほどの「あなた方は私たちを裏切っています」の人、上手に分断を作り出して自分を「被害者」側において言いたい放題なわけですから、(子供時代の)私の方が少しマシでしょう?

 可哀想なことに、この人も大人になれば自分の過去のこの発言についていろいろな感情が渦巻くことになるでしょうに。世間にこんなに大々的に広めてしまった周りの大人達には少し反省してもらいたいとところですね。

 

江頭 靖幸

 

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