バブル景気の後、そして現在へ(江頭教授)
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先日の記事「続・縮み行くポップコーン」では以前は100gで100円(税込み108円)のポップコーンがだんだん容量が減って、とうとう半分以下になってしまった、という話を紹介しました。その記事の中で物価が上昇し始めた記事について
物価が上昇し始めたのはたしかロシアとウクライナの戦争が始まったころ(2022年2月)では。
とかきました。今回はその点を確認しようと思います。
まずはその前提として長期の物価の動向を見てみましょう。以下は以前に「バブル景気の前と後」という記事で示した図。統計局のWEBサイトから持ってきた「消費者物価指数(CPI)」のデータ、「持家の帰属家賃を除く総合指数(1947年度~最新年度)」から作ったグラフです。
戦後から1990年くらいまで、物価の上昇が如何に激しかったかが分かります。その一方でバブル崩壊の後、1995年辺りから消費者物価はずっと安定していました。
さて、このグラフは2018年の10月に作成したものです。その後すでに6年。今はどうなっているのでしょうか。
それが以下のグラフ。先のグラフと同様に「持家の帰属家賃を除く総合指数」から作ったものですが基準年が2020年になっている点にはご注意ください。
このグラフをみると、物価の上昇が始まったのは2022年から。先の記事での「2022年2月」という見立てはそれほど外れてはいない様です。
さて、約6年前の記事で私は
最近、消費税増税が話題になってきましたが、恒常的に物価が上昇する社会では「消費税が上がる前に買っておこう」という駆け込み需要と同様の心理が日常的に働き続けることになります。何事も急いでやった方が得だ、という考えが社会の隅々にまで浸透している社会は、そうでない、つまり物価の安定している今の社会とはかなり違った雰囲気をもっていたと思います。
と書きました。この通りならすでに物価上昇が始まって3年近く、そして1割程度の上昇を経験した今の社会は「何事も急いでやった方が得だ、という考え」が広がってきているはずです。
正直、私にはその実感はないのですが、それが社会の変化には時間がかかるからなのか、単に私の社会の変化を感じる感度が低いからなのか、あるいは先の想定が間違っているからなのか。それについては今ひとつ結論が分からずにいます。
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