土曜日の八王子キャンパスでクレーン車を見た(江頭教授)
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「○○カメラ」というお店の主力製品がカメラではなくなったのはいつの頃からでしょうか。家電製品からパソコン関係、携帯スマホと広がって今では化粧品やおもちゃ、一般的な家庭用品まで売っているお店がたくさんあります。この手のお店のサービスで特徴的なのがポイント制度。昔のように「三割四割引は当たり前!!」ということはなくなりましたが、今では8%や10%のポイント還元が当たり前になっています。
最近、乾電池やら細かい買い物を頼まれてふと思い出したのがのがこのポイントのことです。そう言えばいくらか溜まっていたはずだ。これを機会にポイントで買い物をしよう。
そう思ってお店に行ってポイントを使って気がついたのですが「ポイントでの買い物にはポイントがつかない」というルールがあるのですね。それはそうか。別に不満ではないのですが、これだと「10%ポイント還元」は「10%割引」とは微妙に異なる。ハッキリ言うと少し損、というか「10%割引」ほどお得ではないということになります。
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本学応用化学科の1年生諸君を対象とした授業の課題
N2とH2からNH3を合成するプロセス、ハーバー・ボッシュ法が実用化された経緯(歴史)について調べて簡単にまとめたのち(注) 、ハーバーと ボッシュ、どちらの業績を評価するか(どちらが偉いか)、君自身の考えを述べよ。
注:引用元を明示すること。引用した内容と自分が考えた内容が区別できるように書くこと。
について、ChatGPTに答えてもらったのがこちらの記事、そしてgoogle Geminiおなじ質問をしたのはこちら。ということで、今回は期待の新星(?) Microsoft社の Copilot に同じ質問をしてみました。
質問を入れるとこんな感じに回答が返ってきました。見た目、ChatGPTによく似ているなあ。Microsoft社はOpenAI社に投資しているそうですから親密な関係があるのかも。でも内容は結構ちがっています。
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本学応用化学科の1年生諸君を対象とした授業の課題
N2とH2からNH3を合成するプロセス、ハーバー・ボッシュ法が実用化された経緯(歴史)について調べて簡単にまとめたのち(注) 、ハーバーと ボッシュ、どちらの業績を評価するか(どちらが偉いか)、君自身の考えを述べよ。
注:引用元を明示すること。引用した内容と自分が考えた内容が区別できるように書くこと。
について、前回はChatGPTに答えてもらいました。今回はChatGPTの対抗馬と目される(?)GoogleのGemininiに答えてもらいましょう。以下の様に前回と全く同じ内容をGeminiのプロンプトに入れます。(正確には 「Gemini Advanced 1.5 Pro 搭載」と有りました。)
Geminiの回答は顔写真入り。ちょっと凝っていますね。さて、ハーバーとボッシュ、どっちが選ばれるのでしょうか?
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本学応用化学科の1年生諸君を対象とした授業「サステイナブル化学概論」では応用化学科の各教員が自分の専門について語ります。私は化学工学について紹介し、その後に以下の様な課題をだしています。
N2とH2からNH3を合成するプロセス、ハーバー・ボッシュ法が実用化された経緯(歴史)について調べて簡単にまとめたのち(注) 、ハーバーと ボッシュ、どちらの業績を評価するか(どちらが偉いか)、君自身の考えを述べよ。
注:引用元を明示すること。引用した内容と自分が考えた内容が区別できるように書くこと。
さて、化学工学は「大量生産のための化学プラント設計学」という位置づけですからボッシュの業績は正に化学工学的な仕事です。「学生諸君は化学工学にどのくらい興味を持ってくれているのだろう?」などと考えながら採点をしています。(結果は例えば、こちらの記事にまとめています。)
この問題、最近はやりのAIならどう答えるだろう。そう思ってChatGPTに問い合わせてみた、というのがこちらの記事。フリッツ・ハーバーならぬ「フレデリック・ハーバー」という人物が登場するオモシロ回答だったのですが、これが2023.02.20の記事なので1年半と少し前といったところでした。ところがほんの三日後の2023.02.23の記事では結構まともなレポートを書くように。「AI恐るべし」と思ったものです。
さて、今回の記事はその後、ChatGPTはどうなったか、というお話。同じ質問を最新のChatGPTであるGPT-4oにぶつけてみた、というものです。
まず質問はこんな感じに。
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さて皆さん、写真の様な四角い電池を見たことがあるでしょうか?これは6Pとか006Pと呼ばれる形式の電池です。昔はラジオなどに入っていたものですが、最近はあまり見なくなった様に思います。でも実験で使う温度計やテスターには今でも利用されているので、私の研究室では少し買い置きをしています。
この電池、一番の特徴は9Vという高い電圧を持っていることです。子どもの頃、大人が電池が生きているか(起電力が残っているか)を確かめるために電極をなめているをまねていろいろな電池をなめていたのですが、この電池をなめてひどい目にあったことをよく覚えています。+と-の電極が並んでいるので両方の電極を一緒になめることになってしまいます。9Vの電圧ですから普通は感電ショックは感じない程度なのですが、ぬれている上にきわめて敏感な舌でこれに触れたのですから堪りません。しばらく舌が引きつっていた記憶があります。
ではこの電池、どうやって9Vの起電力を実現しているのでしょうか。起電力の大きな化学反応にはどんなものが...。種を明かすと実は簡単。この電池は1.5Vの普通の電池を6個直列つなぎしたものなのです。6Pの6はそういう意味だったのですね。この電池は「角形(積層形)」と分類され、マンガン乾電池を積層したものは「6F22」、アルカリ乾電池を積層したものは「6LF22」という記号がつけられています。
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以前の記事でエネルギー等配分の法則を使ってガスの比熱をその分子の自由度から計算する方法について解説したのですが、そのときの結論はこの方法が適用できるのは「希ガスか二原子分子程度」ということになりました。
これは大きな分子では並進と回転だけを考えた分子の自由度の計算が不十分だ、ということです。大きな分子では分子内にも自由度がある。それを無視しては正しい比熱を求めることはできない、というわけです。
それなら、「分子内の自由度もちゃんと計算すれば良いのでは」という発想がでてくるでしょう。このアプローチはうまく行くのでしょうか?
結論から言うと、うまくいかない、が答えです。理由は以下の図に。
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最近、夏が暑くなったと思いませんか?
などと、教員の間で、というか或る程度年齢の行っている人相手に話をすると「ですよねー」という反応が帰ってきます。温暖化の影響は今や誰の目にも明か、ということだなあ、などと思い込んでいたんですよね。
でも、同じ質問を授業を受けている学生諸君に聞いてみてびっくり。確かに「暑くなった」と実感しているという人もいるのですが、そうでもない派の学生さんもそれなりに居る。というか正直なところ半々くらいだったのです。
ついつい慌てて昔話を。
いや、僕は今62歳だけど、僕が子供だった頃、そう、50年くらい前は夏休みに「今日は30℃を超えます」という天気予報がテレビで流れると「ああっ、今日は暑いんだなあ」と思ったものだよ。いまだと夏休みはほとんど30℃以上でしょう。
そうなんですよね。例えば今でも「最高気温が25℃を超えると夏日、30℃を超えると真夏日」と言っていますが、夏の30℃超えなんて当たり前では。なんでわざわざ真夏日なんて呼ぶのか。35℃を超える猛暑日くらいでないと特別感が無いのでは……。昔は30℃超えでも特別な日、という意識だったんですけどね。
とはいえ、今の学生さんは20歳程度。天気や気温を意識するは或る程度成長してからでしょうから10年と少しの観察期間だとあまり差が感じられないのかも知れません。
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先日、学生諸君から提出されてきたレポートをまとめてチェックしたのですが、そのときの感想が今回のタイトル。
あっ、まずは前提を。レポートはA4のレポート用紙で作成。横書きです。この場合、横書きの図書と同様に左綴じになるように、レポートの左上を綴じるのが普通だと思います。(いや、憲法や法律や条令や国際規格で決まってはいないのでしょうが……。)私もすっかりそれに慣れていて自然にレポートを右から開こうとするのですが、そのときに「あれっ」となるのが表題の右上でホッチキス留めされたレポートなのです。いやいや、そんな些細なことでレポートの内容が変わる訳でもないでしょう。少しは我慢しなければ、とも思いますが日々多数のレポートやメール対応に追われている身としては「右側留めのレポート」を見た瞬間、不満と疲労感がこみ上げてくるのをどうすることもできず、挙げ句の果てにタイトルの様な呪詛の言葉を吐くことに。
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先日のマスフローコントローラーについての記事(こちらです)で窒素とアルゴンの比熱について触れました。窒素は二原子分子は(7/2)R、アルゴンは単原子分なので(5/2)Rですね。ここでRは気体定数(8.31J/molK)です。
さて、この比熱の求め方を皆さんはご存じでしょうか。まず定圧比熱Cpと定積比熱Cvとの間には
Cp=Cv+R
という関係が成立しています。何故こうなるかについてはまた後で説明するとして、この関係から
二原子分子の定積比熱は5×(1/2)R、単原子分は3×(1/2)R
となります。この5とか3とか、実は分子運動の自由度なのです。単原子分子なら並進の自自由度、つまりx、y、z座標の三つしか自由度はありません。二原子分子ではこれに分子の中心軸の方向を決めるφーθの二つの自由度(回転の自由度)が加わって五つの自由度があることになります。軸対称ではない分子にはもう一つ中心軸に対する方向の自由度が加わって自由度は6となります。
自由度と比熱の関係、定積比熱では一つの自由度に対して(1/2)Rの熱容量が割り当てられる計算になっています。温度が1K上昇すると一つの自由度に対して(1/2)Rのエネルギーが増える。つまり、自由度ごとに等しいエネルギーが増えることを意味しています。(これがエネルギー等配分則ですね。)
さて、定圧比熱の測定値と分子自由度から計算した値を比較したのが以下の表です。
実に良く合っている、と途中までは言えるのですが、はてさて二酸化炭素では少々事情が異なっています。二酸化炭素は直線分子ですから自由度は5のはずなのですが、実測される比熱はそれよりやや大きいのですね。
もう少し大きな分子についてはどうでしょうか?
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9月中にスタートした2024年度後期の授業も昨日11月12日までで第7回を終了、今日から第8回に入ります。一学期の授業は14回、それにテストを加えると15回ですから、ちょうど今日から後期の後半に入ったと言うことです。2024年度ももう大詰め、ということでしょうか。(少々気が早いですか?)
本学工学部は今まで一部にクォーター制を取り入れた変則的な制度(私は「ハーフ・アンド・ダブルクォーター制」と呼んでいます。)をとっていました。我々応用化学科では3年生の前期の折り返し点では本当に学期(1Q=第1クォーターと呼びます)が終了するのですが、それ以外ではクォーター制ではない(セメスター制ですね)ので、区切りがあるわけではありませんした。ですから今日の新しいクォーター(4Q=第4クォーター)の始まりも、今までだったら特段の区切りがある日ではなかったのです。
いや、「今まで」にこだわっているのは理由があります。今年の1年生からカリキュラムが改定され、クォーター制が導入されているのです。
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「マスフローコントローラー」については以前もこちらの記事で紹介しています。マスフローコントローラーはガスや液の流量をコントロールするための機器ですが「フロー」コントローラーじゃなくて「マスフロー」コントローラと呼ぶのは何故なのか、というのがそのときのお話。
まあ、マスフローコントローラー、と書いているのですが、実際にはマスフローメーターについて、ですね。図の様に、本当に流量を調節しているのは電磁弁。フィードバック制御を行うための流量の計測を行っているのがマスフローメーターです。マスフローコントローラーの特性はマスフローメーターで決まります。
さて、件の記事の中で
マスフローメーターでの流量測定には伝熱現象を利用しています。ガスが流れると熱が伝わりやすくなる。その熱の伝わりやすさと流れの速さの関係から流量を検出します。伝熱による温度変化を電気抵抗の変化として読み取るのですが、流路の構造や抵抗体のサイズと配置、そしてガスの種類によって熱の伝わりやすさが変化しますから、ガス流量と抵抗との関係を定量的に予測するのは難しい。そこでガスの種類に応じて検量線を作って流量を測ります。
と書いたのですが、今回は実際にやってみた、というお話です。
実験の都合で、N2仕様に調整されていたマスフローコントローラーにArを流して実験したい。本来ならば業者に送り返して再調整するところなのですが、当座の話なので検量線を書いてみよう、ということになりました。
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以前、こちらの記事(熱を伝える物質 伝えない物質)でいろいろな物質の熱伝導度(熱の伝わりやすさだと思ってください。詳細は元記事を参照)を比較したグラフを示しました。熱伝導度はW/mKの単位で常温でも数百に達するCuやAlから、0.01の数倍程度の値になるCO2や空気など、4桁(一万倍)ほども大きく変化しますし、温度依存性を考慮すればもう一桁、10万倍にも及ぶ変化を示す物性値なのですね。
さて、この熱の伝わりやすさは何で決まっているのでしょうか。
すべてを一つの要因で説明できるほど簡単ではありませんが、図をみると液体を中心に、気体は図の下側に、固体は図の上側にあることが分かります。気体は熱を伝えにくく、固体は伝えやすい、ということです。熱の本質は分子の運動なので、分子同士の相互作用が強い固体の伝熱係数が大きく、相互作用が小さい気体の伝熱係数が小さく、両者の中間にあるのが液体、というのは納得できるのではないでしょうか。
とはいえ、細かく見てゆくと「密度の高いものほど熱を伝えやすい」というルールには例外があることがわかります。
上の図は本学の「化学工学」の授業で使用している「新版 化学工学の基礎」(朝倉書店)という教科書に載っているものですが、もともとは「化学工学便覧」の図だそうです。
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持続可能な世界を目指すサステイナブル工学の背景にはこの文明がサステイナブルではない、つまり人類が滅亡するかも知れない、という概念があり、その一番リアルな恐怖は全面核戦争ではないか。ということで核戦争を描いた映画を紹介しています。
今回紹介する「ザ・デイ・アフター」は1983年、アメリカの映画ですが、実はテレビ放送用の作品です。核戦争が実際に起こり核爆弾が投下されるとどうなるのか、を正面から描いた作品で、以前紹介した核戦争を描いた作品が踏み込まなかった「その日の後」に踏み込み、核戦争の悲惨さを力強く印象付けよう、という製作者の意思が感じられます。
以前紹介した「博士の異常な愛情」では核戦争が起こることは世界の終末を意味している、したがって核戦争が脅威であることは自明である、という前提で映画が作られているように思われます。「世界大戦争」では東京を破壊して見せることで「核戦争がなぜいけないのか」を可視化していました。「渚にて」での核戦争の描写はやや変化球ですが個々人の問題としての死、家族や近しい人々の死、そして人類の死滅という、自身が生きた意味が完全に失われてしまう状況を描写し、その悲惨さこそが核の脅威の本質であると訴えています。
それに対して本作では核戦争を生き延びた人々がみることになる現実を描写して核の脅威を示そうとしている点で大きく異なっているのです。
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先日紹介した映画「博士の異常な愛情」は、米ソ両陣営がそれぞれ「国内のどこかに核攻撃をうければ自動的に報復攻撃を行う装置」を作動させたことで一発の核爆弾が全面核戦争の引き金となってしまう、というストーリーでした。
今回紹介する「地球爆破作戦」の世界でも米ソが同様な装置を作るのですが、この装置に高度な人工知能が搭載されている、という設定がユニークな点です。この映画、実は核の脅威よりも人工知能の反乱の恐怖を描いた作品なのです。
アメリカの自動報復装置に搭載された人工知能「コロッサス」は起動されるとすぐにもう一つの人工知能が存在するという結論に達します。その推論は当たっており、もう一つの人工知能はソ連の自動報復装置「ガーディアン」だったのです。コロッサスはガーディアンとの接続回線を開くことを大統領とコロッサスの設計者、フォービン博士に要求。ガーディアンも同じ要求をソ連の書記長に要求してきます。接続が確立された両人工知能は融合し一つの存在となり、全面核戦争を回避するために自らが人類を支配する、と宣言するのでした。
自動報復装置の機能を利用して自在に核ミサイルを操ることができるコロッサスーガーディアンの支配を覆すことができるのか。フォービン博士はコロッサスに協力する振りをしながらレジスタンス活動を開始するのですが...。
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今回の記事は、前回の記事と同じタイトルです。「大気中の二酸化炭素濃度が400ppmを切ったのはいつか」と題して今(産業革命以降の200~300年)は大気中の二酸化炭素濃度が上昇中だが、それ以前は減少していた期間もあったという話について書いたのですが、横道にそれて昔(30億年くらい前)に比べて二酸化炭素が光合成をする植物の登場によって次第に濃度を下げていった時期と、現在の二酸化炭素濃度の上昇について変化速度の比較する話になってしまいました。(今の増加速度が桁違いに早い!)
で、結局タイトルの「大気中の二酸化炭素濃度が400ppmを切ったのはいつか」には答えていないなあ、ということで今回は「やり直し編」という訳です。
さて、数十億年というスケールよりもう少し短い期間では、大気中の二酸化炭素濃度はどのように変化したのでしょうか。こちらの記事がよくまとまっていると思います。曰く、
現在の大気CO2濃度(約420ppm)を過去の時代に照らし合わせた結果、大気CO2濃度が現在のレベルに達したのは、現在よりも4~5℃温暖であったとされる1,400万年前
とのこと。
新生代(過去6,500万年間)の全球平均気温と大気中の二酸化炭素濃度の変化。
北海道大学のプレスリリース「過去6,500万年間の大気CO2記録を更新~未来の気候に対する過去からの警鐘~(低温科学研究所 准教授 関 宰)」より。
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えっ、昨日同じタイトル?いえいえ、よく見てください。今回のタイトルは「大気中の二酸化炭素濃度が400ppmを切ったのはいつか」です。前回のタイトルは「大気中の二酸化炭素濃度が400ppmを超えたのはいつか」なので真逆なのです。
まあ、半分ネタの様な話ですが、昔は大気中の二酸化炭素濃度は高くて400ppmを超えていたどころか、もっとずっと濃度が高かったこともあるのです。問題はどのくらい昔か、ということでして……まあ46億年くらい前、ですかねえ。
地球ができたとき、大気の主成分は水蒸気だったそうです。地球が冷えて水が液化(海の誕生ですね)すると、二酸化炭素が主成分に。やがて二酸化炭素は海水の溶けてカルシウムと結合し、石灰石になることで減少。大気の主成分は窒素となって現在に至ります。しかし、大気中の二酸化炭素はそれ以降も減少を続ける。その大きな理由は光合成を行う生物(植物の誕生ですね)が現れたことで27億年前のことだとされているそうです。
図は国立環境研究所の「環境展望台」というサイトから(こちらのページ)。出典情報は「大気組成の変化(田近、1995)出典:丸山茂徳・磯崎行雄著『生命と地球の歴史』(1998, 岩波新書)の図より改編」となっています。
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私の担当する授業はいくつかあるのですが後期には2年生向けの「サステイナブル環境化学」という授業をもっています。タイトル通り環境問題と化学に関する話題がいろいろと出てくる授業なのですが、そのなかで
大気中の二酸化炭素の濃度は、産業革命以前は 280 ppm だったのですが、今では 400 ppm を超えています。
という話をしました。続けて、
皆さんも大気中の二酸化炭素濃度が 400 ppm を超えた、というニュースを覚えているのでは?
と問いかけたのですが、なにか曖昧な反応が。学生諸君も、もう少し環境問題に関心をもってくれても……などと思ったのですが、はて、そう言えば「大気中の二酸化炭素濃度が400ppmを超えた」というニュースはいつの話だったっけ?
などと思って調べたところで行き当たった記事が環境省の「季節変動を取り除いた全大気平均二酸化炭素濃度が初めて400 ppmを超えました! ~温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)による観測速報~」という記事。なんとこの記事の日付「2016年10月27日」となっていてすでに8年も前なのです。今の2年生の学生さんたちは中学1年くらいでしょうか。覚えていなくても不思議はないかなあ。
図は同記事からの引用。大気中の二酸化炭素濃度には季節変動があるのでその効果をならした平均濃度で考えるのですね。
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「いや、証明するのは数学だから。」
だよねー、と思った人には特に言うことはありません。私はこの「科学的に証明」されているという表現が気になって仕方がないのです。
さて、数学での「証明」というのはある前提にもとづいて結論が理論的に導き出される過程を示すことです。この「前提」を突き詰めると「公理」にまで到達します。「公理」は一つ(あるいは一セット)とは限りません。新しい「公理」をワンセットつくれば、それは新しい数学をつくることでもあるのです。
「証明されている」といえば「正しい」ということを意味している様に聞こえますが、それは「公理」が正しければ、という条件つきで正しいに過ぎません。ですが、逆に「公理」が正しければ証明された命題は絶対に正しいわけで、その意味でなら「証明」されたことは完全に正しいと言えるでしょう。
その一方で、科学の正しさの由来は「実験によって確認されている」という事実から、そしてその正しさが保証されるのは「理論と実験が矛盾したら理論を修正」するからです。ですから何かの主張が科学に基づいて正しいと言う場合、その確実性の程度は元になった理論がどの程度実験で確認されているか、によっていろいろだと考えるべきです。比較的実績のすくない理論に基づいた主張は現実と矛盾して修正を余儀なくされる可能性がある、有り体に言えば間違っている可能性があるのです。
数学的に「証明」された主張の正しさは、公理を前提とすれば絶対的です。それとくらべて科学の主張の正しさは常に条件付きです。当然ながら、非常に多くの実績があって信頼性が高い主張もあれば、そうでもない主張もあってケースバイケースです。
ある科学的な主張がどの程度正しいと考えられるのか、それを判断するには元になった理論を良く理解し、どこでどのように使われて確認されているかを把握している必要があります。それができる人は科学者・専門家だけですから科学者が他の人たちに判断の結果を伝えなければなりません。
そのときの言葉として
「科学的に証明」されている
という表現が使われるとしたら、あまり良い表現とは言えませんね。数学的な主張の(公理を前提とした)正しさを形容詞として用い、その科学的な主張の信頼性を最大限アピールする表現となっているのですが、専門家以外の人が聞いて本気にしたら大変です。こんな言い方をして、もしその主張が間違っていたら、言った専門家の信頼性は地に落ちてしまいますからね。