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2024年12月

2024.12.31

面白い話をする人は同じ話を何回もする(できる)人だ、ということ(江頭教授)

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「面白い話をする人」にあなたは出会ったことがあるでしょうか。いえ、別に漫才師や落語家のことではありません。身近に接する人、いえ、身近ではなくても知り合いの中にも、話をしていて楽しい人はたくさんいるでしょう。でも私がここで「面白い話をする人」と呼んでいるのは、会話の中で少しまとまったお話、起承転結やオチがしっかりついている話をしてくれる人のことです。

 私が大学院の修士課程に入ったときの教授が、まさにこの「面白い話をする人」でした。「面白い」といっても単なる笑い話だけではありません。(いや、それも多かったかもしれませんが。)先生自らが実験した興味深い現象の話、論文で読んだ注目すべき概念、有名な科学者に会って話を聞いてもらったときの印象など、研究に関する話題も含めた「面白い話」でした。

 先生は当時、国立の研究所に所属し、大学は兼任でした。週1日か2日の出勤だったと記憶しています。本来、私たちのような修士の1、2年生が気軽に話を聞けるような方ではなかったのですが、大学にいる間には空き時間ができやすかったのでしょう。その時間を利用して、私たちにいろいろな「面白い話」をしてくれたのでした。

 さて、物怖じしないと言うか、血気盛んと言いますか。もっとはっきり「生意気」と形容すべきか。当時の私たちは先生を囲んでたくさんの「面白い話」を聞かせてもらっておきながら、こんなことを言うようになってきたのです。

「あっ、先生、その話、前にもしてますよ!」

「えっ、参ったなあ」と先生は笑っていたのですが、今にして思うと……。

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2024.12.30

映画「妖星ゴラス」(江頭教授)

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 このブログをお読みの皆さんは「午前10時の映画祭」という映画館で行われている催しのことを聞いたことがあるでしょうか。もし皆さんが高校生なら「午前10時」に映画館に行く、というのは土日以外は無理ですね。でも、リタイアした人にとっては都合の良い時間帯。おそらく映画館がそれを当て込んで「リタイアした人たちが若かりし頃に観たであろう映画」の再上映を行ってくれているのです。

 私自身はまだリタイアできていないのですが、年齢的にはリタイアしてもおかしくない年齢になりました。そんなわけで「午前10時の映画祭」の中にも気になる映画がチラホラ。その一つが今回2025年の1月3日からリバイバル公開されることに。

 「妖星ゴラス」それが映画のタイトルです。

というわけで、以前に書いた「妖星ゴラス」の記事を以下に再録することとしました。以下の記事を読んで気になった方は是非映画館へ!

(以降は2020年7月27日の記事の再録となります)

 以前このブログにて紹介した映画「地球最後の日」では地球が太陽系に侵入してきた遊星と衝突して破壊される、というまさに天文学的な確率の事象を想定したSF映画、いや、空想科学映画でした。地球を脱出するロケットを建造した人々は若者たちをそのロケットに乗せて地球が破壊された後に、ちょうど地球と同じ軌道に残ることが予測されている遊星の伴星へと移住させる、というストーリー。その時、この映画のポイントは

この映画で中心的に描かれているのは宇宙船の建造には数百人のスタッフが必要だが、その宇宙船の乗れるのは数十名のみ、という状況です。

と書きました。

 その「地球最後の日」から11年後の1962年に作成された本作「妖星ゴラス」も、同様の状況を扱った日本映画です。

 「ゴジラ」をはじめとする特撮映画で有名な円谷英二氏が制作かかわった作品だけあって、特撮映像の大盤振る舞い。「地球最後の日」に比べると、これでもかとばかりに驚きの映像が次々と出てきます。もちろん、現在の目から見ると、というかおそらくは当時から見ても、見るからにミニチュアワークの映像であり、リアリティがあるとはとても言えません。しかし、少なくとも私にとっては、その映像のタッチに懐かしさを感じるとともに、それだけのミニチュアが作られたという圧倒的な作業量に対する感銘が合わさって、ワクワク、ドキドキの映像の連続でした。

 さて、天文学的な事象によって地球が破壊される、という危機に際して「地球最後の日」で描かれた上記のジレンマに対して「妖星ゴラス」ではあっと驚く解決策が示されています。(「続きをよむ」以降にはネタバレを含みます。)

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2024.12.27

映画「子鹿物語」(江頭教授)

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「本学のメディア学部で教鞭を執ってもらっていた金子先生はアニメーションにCGを導入するという当時では最先端の仕事をしておられた方で、フジテレビの『子鹿物語』などの作成にかかわっておられたんですよ。」

「理事長、アニメの『子鹿物語』はフジテレビじゃなくてNHKですよ。」

なんて会話があって、ふと「子鹿物語」のことを思い出しました。件のアニメ版は今では視聴が難しいそうなので、1946年の映画(私は何となく「グレゴリー・ペック版」と記憶していました)を久々に見てみた、という次第です。今回はアマゾンの Prime Video での鑑賞。本当に40~50年振りです。

 さて、「子鹿物語」というぐらいですから、もちろん子鹿が出てきます。そして写真を見て分かる様に少年(ジョディという名前です)がその子鹿をペットにする話なんですね。ところが、肝心の子鹿が登場するのは物語の後半に入ってから。オープニングでも述べられていますが、この物語はアメリカの開拓民の生活と、その厳しい環境の中で成長してゆくジョディの姿を描いた作品なのです。

 物語のスタートはジョディの父親の回想から。開拓地に入植した経緯が語られるのですが「南北戦争が終わって」からの入植という説明から、それ以前にいろいろな事があったのだろうと想像させます。そして開拓地の町で出会った女性と結婚し、今は11歳になる息子、一人っ子のジョディを育てているのです。

 この「一人っ子」という設定、いまでこそ何の違和感も無く受け入れられるのですが、おそらく当時の感覚からすれば子供の人数が少なすぎると感じられたでしょう。物語の開始すぐに、実はこの夫婦がもっと多くの子供を授かりながらも、どの子供も赤ん坊のうちに亡くなったのだ、という背景が明らかになります。

 そんな事情もあるのでしょう。いつも不機嫌にしている母親に対して、ジョディは「ペットを飼いたい」という希望をなかなか伝えられずにいます。そんな時、蛇に噛まれた父親が毒を吸い出すために射って殺した鹿が、たまたま子鹿をつれていたことから、「父の命の恩人」である鹿の子供を飼うことをみとめてもらうことができたのです。

(後半には「子鹿物語」の結末についてのネタバレがあります。)

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2024.12.26

期末テストに一工夫(江頭教授)

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「こんどのテストはカンニングペーパー持ち込み可だよ!ただしA4で1枚。手書きに限ります。」

「えっ、カンニングはだめでしょう。」

「いやいや、カンニングペーパーをつくる作業自体が授業の要点をしっかりとまとめる勉強になるんだよ。それも込みでのテストであり成績なのさ。」

こんな感じで「カンニングペーパーをつくらせる」というテストの工夫は私が高校生の頃からありました。はて、今の高校でも同じ様なことをしている先生がいるのでしょうか。

 高校生だった私もいまは大学の教員。テストを作る側になっているので、日頃から何か面白いやり方があればなあ、と思っています。そこでふと思い出したのが大学の専門科目で受けたテストのこと。国井大蔵先生の伝熱工学(当時は「単位操作第一」と言ったような)の期末試験で、たしかこんな内容でした

今期の伝熱工学の授業の期末試験として適切な試験問題を作成せよ。模範解答も示すこと。

なるほど、これは良い問題ですね。

 

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2024.12.25

アレニウスプロットと活性化エネルギー(江頭教授)

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 化学反応は一般に温度が高いほど早くなる。では、具体的には温度が何度上がると何倍になるのでしょうか?こんな疑問をもった昔の化学者の研究成果は一つの式となってまとめられ、現在でもその名前が残っています。それが「アレニウスの式」。具体的には以下の様な式です。

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式中のR、Tはそれぞれガス定数と絶対温度。Aは定数で、Eは活性化エネルギーと呼ばれています。左辺は反応速度の濃度依存性を除いた反応速度定数で、濃度一定の時の反応速度を比べた、とみても良いでしょう。

 温度 T が大きくなると (E/RT) は小さくなる。マイナスの符号がついた (-E/RT) は逆に大きくなるので exp(-E/RT) も大きくなる。この式は温度の上昇にともなって反応速度が速くなることを反映しています。

 この式の形、なんともややこしいのですが、これが実験に合うのだから仕方がないですね。我々の方が式を分かりやすく示す方法を探すべきだ、ということで反応速度のデータ整理ではこのアレニウスの式を念頭にアレニウスプロットというグラフが書かれます。

 アレニウスの式の両辺の対数をとると

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となります。したがって「1/T」をx軸に「反応速度定数の対数」をy軸にとったグラフをつくるとアレニウスの式に従うデータは傾きが E/R の直線になります。

 実際には温度を変えて反応速度を測定する実験を行い、得られた反応速度定数の対数をプロットする。まず直線になるかどうかでアレニウスの式に従うかどうかを判断。OKなら傾きから活性化エネルギーを求める、といった具合です。

 さて、ここでは「反応速度定数の対数をプロット」と軽く書きました。PC等が使える様になった現在では本当に簡単な作業なのですが、PCどころか電卓すらない時代にはどうしていたのでしょうか。対数表を読んで変換していた?いえいえ、「対数をプロット」するための特別なグラフ用紙を使っていたのです。

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2024.12.24

少子化と「人口論」(江頭教授)

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 このところマルサスの「人口論」についての記事(こちらとかこちら)を書いているのですが、今回は「人口論」を現在の日本の状況と比べてみましょう。

 良く知られている通り、日本の人口は第二次大戦後から増加を続けていたのですが2008年以降減少に転じています。戦後の人口増加は「人口論」でよく説明できるのですが、問題は最近の人口減少をどのように説明するか、です。

「生活物資は等差級数的にしか増加しない。」

から、人口の成長は抑えられる、というのが「人口論」の説明です。ここで「生活物資」は具体的には食糧、あるいは農業生産物の事なのですが、まずこれは現在の日本では妥当ではない。確かに日本の食糧自給率はカロリーベースで38%と低い値ですが、これは残りの62%の食糧を海外から輸入することができている、ということでもあります。

 ではなぜ人口が減っているのでしょうか。

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日本の人口の推移(総務省「情報通信白書」より)

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2024.12.23

スマホをアップデートしただけなのに(江頭教授)

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 私のスマホは iPhone で Apple社の製品です。でも Mac 遣いではないので iPhone のコンテンツ管理は Windows 版の iTunes で行っています。忘れもしません。先週の木曜日の夜、iTunes のライブラリと iPhone の同期を行ったら iOS の新しいバージョンがあるというお知らせが。何の気なしにアップデートを開始してそのまま寝てしまったのですが……。

 さて、翌日の金曜日の朝に様子をみると、まず iPhone のアップデートの途中で止まってしまったらしい。おまけに Window 上の iTunes はなぜか終了した状態になっているのです。

これは不味いのでは。

いやな予感はしたのですよね。しばらく様子をみても変化ない。しかたなくネットで iPhone の強制終了の方法を調べ、終了から再起動させたのですが、画面にコネクターをつなげというメッセージが出る。Windows パソコンにつなぐと iTunes から「修復」というオプションが示されるのですが、この作業の途中で iTunes が終了してしまうのです。iPhone の方も停止状態で、それ以上進まない。iPhone と Windows PC の再起動を複数回試したものの状況に変化無しでした。iTunes の代わりに Apple デバイスアプリ というソフトも試してみたのですが、結局のところ進展はありませんでした。

 これが金曜日の状況。これはどうやら手に負えない。見切りを付けてApple 製品の修理ができる店を探して予約をとることに。土曜日には用事があったので日曜日の予約の空きがあり、比較的交通の便が良い渋谷のアップルストアに予約を取ることができました。

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2024.12.20

「人口論」と「成長の限界」(江頭教授)

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 昨日の記事ではマルサスの「人口論」について紹介しました。「人口増加は幾何級数的」であるから、食糧生産の限界によって必然的に飢餓をもたらす、という内容は、実は1972年出版の「成長の限界」とよく似た部分があると思います。と言うか「人口論」は「成長の限界」よりずっと以前に書かれているので「成長の限界」が「人口論」を前提としているのですね。

 両者に共通するのは「幾何級数的」あるいは同じ事ですが「指数関数的」な成長の特徴、というか恐ろしさでしょう。「人口論」では人口が単体で議論されますが、「成長の限界」では人口に工業生産を含めた文明の規模が対象となっています。いずれも「幾何級数的」「指数関数的」に成長する特性を持っていて、早晩限界に到達する。野放図に成長がつづけば、それが限界に達したとき、悲劇的な形、具体的には多くの人の死、という形で成長が抑えられることになる。この議論はどちらの書物にも共通しています。

 では「成長の限界」はどこが新しかったのでしょうか?

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国連食糧計画(WFP)が作成したハンガーマップ・ライブではリアルタイムで世界90カ国以上の食料不安の状況をモニターしているそうです。世界では約8億人の人々が飢餓に苦しんでいます。

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2024.12.19

リモート化とはデジタル化のことである(江頭教授)

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 コロナ禍の影響でリモート授業に移行した大学、それに高校も多かったのではないでしょうか。そのときには授業の内容はオンラインで送信、テストや課題もオンラインでのやり取りになったと思います。でも、そこで利用されたオンラインの通話システム(ZoomとかMeetとか、昔風に言えば「テレビ電話」ですね)やLMS(Learning Management System、学修管理システムです)によるデジタルでの資料配付・テストの実施・レポートの提出の機能は実はコロナ禍以前から有ったものなのです。

 特に本学では全ての学生に授業でのノートPCの携帯を義務付けていましたから、コロナ禍以前からオンライン授業は可能だった、と言えるのでしょうか?

 この点、私自身もコロナ禍の際に考えさせられたポイントです。実際にオンラインでの授業を行ってみて行き着いた結論は、通話システムとLMSだけでは不充分であるということ。そして、これらの仕組みで足りないのはリアルな教室での教員による「板書」を再現する機能である、という点です。(詳しくはこちらの記事をご覧ください。)

 ですから、私の視点からは「コロナ禍以前からオンライン授業は可能だった」としても、それは決して完全なものではなかった。それどころか今でも「板書」を含めた授業のリモート化は不完全である。板書のデジタル化が完成されるまで授業のリモート化もまた完成しない、ということになります。

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2024.12.18

書評 マルサス 「人口論」 (光文社古典新訳文庫)(江頭教授)

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 「人口論」は18世紀の英国の経済学者、トマス・ロバート・マルサスによる古典的な書物です。原著は1798年に英語で書かれた書物ですが、日本語にも翻訳されており、吉田秀夫氏による1948年の翻訳版は青空文庫で無料で読むことができます。今回紹介するのは2011年に光文社から斉藤 悦則氏による翻訳で 「光文社古典新訳文庫」の一つとして出版されたもので、私はその電子書籍版を読みました。「新訳文庫」とタイトルにある通り、より現代的な訳文で読みやすくなっています。

 「人口論」の第一章で著者のマルサスは以下の二つを前提として議論を進めるとしています。

第一に、食糧は人間の生存にとって不可欠である。

第二に、男女間の性欲は必然であり、ほぼ現状のまま将来も存続する。

(「性欲」って...。1948年版の翻訳では「情欲」となっていてなかなかの品格なのですが、まあ、新訳の方が分かりやすいですね。)

 さて、この前提からマルサスは

人口は、何の抑制もなければ、等比級数的に増加する。

と結論します。それに対して

生活物資は等差級数的にしか増加しない。

といいます。前後の文脈から「生活物資」は食糧を意味しているとみなして良いでしょう。

 この二つの条件から人間の社会で飢餓が無くなることはない、全ての人が豊かに暮らせる理想的な社会が到来する(「人間と社会の完成」と表現されています)ことは不可能だ、と述べているのです。

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2024.12.17

AIにブログ記事を評価してもらおう(江頭教授)

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 昨日の記事では「自分の書いたブログ記事を ChatGPT に要約させ、その要約を元に Google Gemini にブログ記事(正確にはエッセイですが)を書いてもらう」という試みをしてみました。全く違う感じの文章になったので「文体ロンダリング」ができる、などと思っているのですが、はて、どちらの文章がより良いのでしょうか?

 気になってしまったらしょうがない。ということでこれもAIに比較してもらいましょう。今度は Microsoft社の Copilot に御願いしてみました。

 えっ、なんで毎回違うAIを使うのか、ですか? いや、最初は ChatGPT に要約させて、同じく ChatGPT にブログ記事を書いてもらおうとしたのですが、ChatGPT が作ってきたブログ記事は要約にはないはずの元記事の細部の情報が反映されていたのです。いや、まあ、それはそうなるよな。というわけで要約と記事作成には違うAIを使う事にしたのです。

 で、今回の両記事の比較ですが、これも別のAIにした方が良いかなあ、などと考えました。少なくとも Gemini に評価させると自分が作った記事(じゃなくてエッセイ)の方を依怙贔屓しそうです。いや、逆に元記事を評価されて何か気を遣わせたような気分になるのも気まずいですよね。(誰に?)
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2024.12.16

授業録画という思わぬ収穫(江頭教授)

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 コロナ禍は、教育現場に大きな変化をもたらした。対面授業が困難になり、オンライン授業が急速に普及したことは記憶に新しい。私の大学でも、オンライン授業への移行を余儀なくされ、試行錯誤の連続だった。その中で始めた取り組みの一つが、授業の録画である。

 当初は、感染対策のために欠席した学生への対応として、録画を始めた。しかし、録画という行為は、当初の目的を超えて、教育活動に思わぬ影響を与えることになった。

 録画作業は、正直なところ、手間が増える。授業の準備に加えて、録画の準備、撮影後の編集作業など、負担は決して小さくない。学生の視聴状況も芳しくなく、1年前の動画の視聴回数はわずか10回程度だった。学生にとって、録画された授業は、リアルタイムの授業に比べて魅力に欠けるのかもしれない。

 ところが、私自身にとって、授業録画は予想外の効果をもたらした。それは、自己点検と振り返りのためのツールとしての活用である。毎回の授業前に、昨年度の同じ授業の録画をチェックすることで、自身の説明の仕方、内容の構成、時間配分などを客観的に見直すことができるようになったのだ。まるで、もう一人の自分が授業を評価してくれるかのような感覚である。

 さらに、授業録画は、記録としての役割も果たしてくれた。

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2024.12.13

圧力と気体の伝熱(江頭教授)

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 「魔法瓶」は真空を利用した断熱性の高い保温用の瓶のことです。(「魔法」っていうのはどうかと思いますがね。) 熱は分子の運動だから、熱が伝わるには分子、つまり物質が必要なはず。真空なら熱は伝わらない、という発想の産物ですね。

 さて、真空では熱が伝わらない、ということを前提として、「気体の熱の伝わりやすさ」つまり熱伝導度と圧力の関係はどうなっている、と思いますか?

気圧0の真空では熱伝導度も0になる、ということは熱伝導度は圧力に比例するんだ!

と、その通りであればこんな記事は書かないですよね。期待に反して気体の熱伝導度は圧力にほとんど依存しないのです。

 以前、気体の熱伝導について紹介したのですが、そこで熱の伝わりやすさに関係する三つの要素を挙げました。

 一つは分子の速度。もう一つは分子の熱容量、そして分子が衝突しないで直進できる距離(これを自由行程と呼びます)です。

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2024.12.12

「年を取ると時間が早く進むと感じる」という法則(江頭教授)

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 先日のこちらの記事でも愚痴っ触れたのですが「年を取ると時間が早く進むと感じる」という現象は還暦を超えた私には切実な実感を伴って日々、明々白々な事実として心に刻まれているのですが、はて、私がこの現象に気が付いたのはいつ頃だったのでしょう。このブログを読んでいるあなたが高校生だったとして、はたして、あなたは今「年を取ると時間が早く進むと感じ」ているのでしょうか?

 私が高校生のころ、どのように感じていたか記憶が定かではないのですが大学院生になったころにはそう感じていたことは確かだと思います。何故なら「年を取ると時間が早く進むと感じる」という法則について、大学の研究室で議論した記憶があるのですよね。

 そのとき話題になったのはもう少し具体的な話で「年を取ると時間が早く進むと感じる」なぜなら「人間が体感する時間は絶対的な時間ではなく、それまで生きてきた人生の全時間(つまり年齢)に対する割合で決まる」からだ、というのです。つまり「60歳の人が感じる1年は20歳の人が感じる1年の1/3、つまり4ヶ月くらいでしかない」という訳です。あるいは「18歳の高校3年生が感じる1年は6歳の小学1年生の1年の1年の1/3でしかない」となります。高校生の皆さんでも小学1年生の頃を思い出すと一年が凄く長かったのでは?

 さて、この法則を議論していたときの私の論点は「もしそうだとして新生児、つまり0歳児の時間感覚はどうなるのか?」でした。

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2024.12.11

授業の録画は、いろいろ、役に立つということ(江頭教授)

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 コロナ禍のことを思い出すことは最近は少なくなってきたと思います。でもコロナ禍の影響は確実にあるもので、私自身もコロナ禍で行動が変容したことがあります。

 その一つが授業のやり方。最近は授業を動画を残しておいて授業後に公開する(学生に向けてのみですが)ことにしています。コロナ禍で遠隔授業を行う必要に迫られて授業をオンラインで見られる状態にすることが普通にできる様になりました。一歩進んで、そのオンラインのデータを録画して授業の動画を残せるようになるのは極簡単なことでした。もっとも授業に持って行く持ち物が増えたり、セットアップに時間がかかったり。授業の手間は確実に増えているのですが。(その辺の事情はこちらのブログの記事に。)

 さて、それなりに手間をかけてアップロードしている講義動画ですが、はて、これはどのぐらい視聴されているのだろう?そう思って調べてみると1年前の動画で大体10回前後の視聴回数でした。

少ないなあ。しかもこの中の数回は自分自身も含まれているからなあ。

そうです。私は自分自身で自作の講義動画をチェックしているのです。

いい声だなー、さすが俺

と言っているわけではなくて、毎回の授業の前に昨年度の自分の授業聞いて予習しているのです。

 まあ、受講生だけの限定公開だし、そんなものか。いや、100名弱の授業で10人聴いていたら大したものかも。

などと思っていたら、先日意外なことで授業録画が役に立つことがありました。Internet_school_elearning_man

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2024.12.10

蒸留の限界(江頭教授)

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 昨日の記事では分離技術の一つである「蒸留」の起源として蒸留酒についてふれました。発酵させてつくられたお酒を蒸留すればアルコール濃度の高い蒸留酒をつくることができる。なるほど、だとしたらもう一回蒸留を行えばより強い(アルコール濃度の高い)お酒をつくることができるのでは……。

 そう考えた人がいたらしく非常にアルコール濃度の高い蒸留酒が存在しています。スピリタスというウォッカの一種がそれで何と95%がエタノールだといいます。いや、凄いなあ。

 でも100%じゃないんだ。ならもっと蒸留を繰りかえしてスピリタスを超える蒸留酒を、と思った人がいるかどうかは分かりませんが、実は95%以上の蒸留酒を造ることはできません。蒸留酒のアルコール濃度には限界があるのです。

 なぜ限界があるのか。蒸留の原理に立ち返って考えてみましょう。「混合溶液を加熱した際、蒸発しやすい成分の方がたくさん蒸気になるので、その蒸気を集めて凝縮させれば蒸発しやすい成分を濃縮できる。」これがその原理ですが、では水とアルコール、おっと、水とエタノールの場合、そもそもなんでエタノールの方が蒸発しやすいのでしょうか?

 一般的には小さくて軽い(分子量の小さい)分子の方が大きくて重い分子より蒸発しやすい。だとしたらエタノール分子よりずっと小さい水分子はすごく蒸発しやすいはずなのですが……。分子量のわりには水の沸点が高く、蒸発しにくい。その理由は水素結合があるからだ、もしあなたが高校で化学を学んでいればその様に教わっているかと思います。

 水分子には水素と酸素の結合が1分子に二つずつあるので液体の水の中には強力な水素結合のネットワークが作られています。そのなかにぽつんとエタノール分子があるとしましょう。一つは水素と酸素の結合があるので液体中に留まることができますが、まあ、他の水分子からみれば「こいつ仲間じゃないぞ」となってはじき出されやすいのでしょう。水よりエタノールの方が蒸気となって飛び出しやすい訳ですね。

 では、逆に液体のエタノールの中にぽつんと一個の水分子がある場合はどうなるのでしょうか。

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2024.12.09

蒸留は最古の分離技術(江頭教授)

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 私(江頭)の専門は「化学工学」なので、そのものズバリ「化学工学」という授業を受け持っています。後期はちょうどその「化学工学」の開講期間で、いまは「分離技術」それも「蒸留」について説明したところです。

 「化学工学」はそもそも「化学プラント設計学」でもあるので化学工場に設置される装置をどう設計するのか、が授業の大きな割合を占めています。もちろん、化学工場にはいろいろな装置があって、いろいろな役割を持っているのですが、その中で「蒸留」は比較的多くの人に知られているのではないかと思います。

 もちろん「高校の化学の授業にでてきます」という事情もあると思いますが、やはり我々の身近に「蒸留」とついた言葉がある、ということが大きいと思います。その言葉、皆さんは思いつくでしょうか?

 皆さんがもし高校生なら少し縁遠いことばで、化学の授業の方が身近かも、などと思いますが……。

 いや、もったいぶるのは止めましょう。ズバリ「蒸留酒」のことです。

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2024.12.06

魔法瓶ってどうよ(江頭教授)

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 前回の記事では気体について、熱の伝えやすさの指標である熱伝導度が「温度差を1℃、壁間距離を1mとしたときに流れる熱量」であること、その熱伝導度が気体の場合、分子の熱運動による速さ、分子同士が衝突せずに自由に運動できる距離、そして分子が運びうるエネルギーの指標としての熱容量によって決まるのだ、という説明をしました。

 でもその前に,基本的なポイントの確認を。「温度差を1℃、壁間距離を1mとしたときに流れる熱量」といいましたが、熱が流れるのは気体があるからだ、という点に注目してみましょう。気体そのものが存在しない場合、つまり一定距離の壁の間が真空になっている場合、熱を伝えるものがないため伝熱が進まないだろうということも推察されます。

 さて、この真空による断熱、という現象を利用したのが「魔法瓶」です。二重になったガラスの容器をつくり、二つのガラスの壁の間を真空にする。これで高い断熱性がえられるので、容器に入れたお湯がいつまでも冷えない、あるいは容器に冷たい水をいれておけばなかなかぬるくならない、という「魔法」のように便利な水筒ができあがるわけです。

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2024.12.05

分子の重さと熱の伝わりやすさ(江頭教授)

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 以前、こちらの記事で気体の比熱は分子の持っている自由度で決まる、という話をしました。例えばN2とH2は分子の重さは14倍違うのですがほぼ同じ比熱。HeはH2より重くN2より軽いのですが単原子分子なのでどちらよりも比熱が小さいのです。



 なるほど、気体の熱的な性質と分子の重さは関係ないのか...



いえいえ、関係する性質もありますよ、というのが今回のお話。その具体例が熱の伝わりやすさだ、ということです。


 熱の伝わりやすさはどう表現しましょうか。温度の高い壁と温度の低い壁に挟まれた気体を通してどれくらいの熱が流れるのか、熱い壁と冷たい壁の温度差と壁と壁の距離を一定にして比較すれば「熱の伝わりやすさ」の指標ができそうですね。温度差を1℃、壁間距離を1mとしたときに流れる熱量は熱伝導度と呼ばれていて、物質と温度・圧力がきまれば一意に決まる物性値です。(1℃は小さすぎだし1mは長すぎの様な気もしますが...。)


 さて、0℃、1気圧での熱伝導度、気体ではどんな値になるのでしょうか。


 H2 0.1675 W/mK


 He 0.1442 W/mK


 N2 0.0241 W/mK


となります。H2 > He > N2 となって、どうやら分子の重さの逆順に並んでいるようです。


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2024.12.04

「1日は短いが1年は長い」と感じますか?(江頭教授)

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「もう11月ですね」「早いですね」

「もう11月も終わりです」「早いですね」

「もう12月になりました」「本当に早いですね」

「こんなことを言っていたら一年なんてあっという間に終わってしまう!」

いや、実際ここのところの自分の会話を思い出すと「時の経つのが早いことに対する愚痴」ばかり。これはいけない。何とかしなくては。

 時間の進み方は私達にはどうすることもできませんが、愚痴ばかり言っている、そのこと自体は止められる。ということで

「まだ12月4日ですよ」

とか

「早くお正月にならないですかねえ」

とか言うことに決めました。これで何が変わる訳ではありませんが、少しだけ、ほんの少しだけ気分が良くなるような気がします。

 さて、皆さんは時の流れについてどう感じているのでしょうか?

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2024.12.03

土曜日は半ドン(江頭教授)

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 このブログを読んでいる皆さんがもし高校生なら「半ドン」という言葉は聞いたことがないかも知れませんね。

 私が学生だったころ、まだ週休二日制は一般的ではありませんでした。ですから土曜日も普通に授業がありましたが、それでも土曜日にはフルに授業があるのではなく、その数が減らされているのが普通でした。

 確か小学生の頃には土曜日の授業は午前中で終了。家に帰ってから家族で昼食を摂っていたことを記憶しています。

 今にして思うと半日の授業のためにわざわざ登校していたのかと考えるともっと有効な時間の使い方があるのではないか、などと考えてしまいます。でも当時の私は早く帰れるというだけで土曜日を心待ちにしていたものです。

 おっと「半ドン」の話でしたね。この土曜日に午前中で授業(あるいは仕事)が終わって、のこり午後の半日が休みになることが「半ドン」と言われていました。土曜日の朝、学校で「今日は半ドンだよね」などと言ったわけです。

 でもなんで「半ドン」なのでしょうか?

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2024.12.02

パーセントとパーセント・ポイント(江頭教授)

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10%ポイント還元、実は9.1%割引なのですね。見かけより割引率が0.9%ポイント小さい、あるいは10%割引の91%程度の割引効果しかなく9%分は見せかけだ、という言い方もできるのです。

 これ、先日私が書いた記事の最後の部分なのですが、正直自分での何を言っているのかよく分からないのでは、と思います。ポイントは「ポイント」の使い方。いや、ポイント還元のポイントではなくてパーセントについてのポイントがお話のポイントだ、という...まあ、このぐらいにしておきましょう。今回のお題は「パーセント」と「パーセント・ポイント」の区別についてです。

 普通パーセントと言えば二つの数字の比率で、分母が100のとき分子がいくつか、という数字です。分母が100円で分子が8円なら8%。分母が100 kg のとき分子が 10 kg なら10%といった具合です。パーセントをつかって増減を表すこともよく行われています。100円の商品に8円の税金がかかると出費は 8% 増えることになります。100 kg の体重の人が10kg減量すれば 10% 減、と言った具合です。

 ではパーセントとパーセントの比率を考えるとどうなるでしょうか。

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