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パーセントとパーセント・ポイント(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

10%ポイント還元、実は9.1%割引なのですね。見かけより割引率が0.9%ポイント小さい、あるいは10%割引の91%程度の割引効果しかなく9%分は見せかけだ、という言い方もできるのです。

 これ、先日私が書いた記事の最後の部分なのですが、正直自分での何を言っているのかよく分からないのでは、と思います。ポイントは「ポイント」の使い方。いや、ポイント還元のポイントではなくてパーセントについてのポイントがお話のポイントだ、という...まあ、このぐらいにしておきましょう。今回のお題は「パーセント」と「パーセント・ポイント」の区別についてです。

 普通パーセントと言えば二つの数字の比率で、分母が100のとき分子がいくつか、という数字です。分母が100円で分子が8円なら8%。分母が100 kg のとき分子が 10 kg なら10%といった具合です。パーセントをつかって増減を表すこともよく行われています。100円の商品に8円の税金がかかると出費は 8% 増えることになります。100 kg の体重の人が10kg減量すれば 10% 減、と言った具合です。

 ではパーセントとパーセントの比率を考えるとどうなるでしょうか。

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 8%の税率が10%に増えたとき、2%アップだ、ということもできます。でも見方を変えると10%÷8%=1.25、つまり100分の125倍になるわけですから125%に変化する、つまり25%アップするということもできてしまいます。

 この用法では「比率」を示す%と「比率の比率」を示す%がごちゃ混ぜになっているのが問題です。そこで「比率」を示す%の変化は「%ポイント」。比率の比率を表す%の変化を%と呼んで区別することが行われています。

 前回のポイント還元と割引の差、10%だと思っていた割引率が実質9.1%だった、だから 10% - 9.1% = 0.9 %ポイント の違いがあるということです。

 一方で10%を分母として9.1%を分子にすれば91%。100%から9%の減少ということになります。

 0.9%ポイントと9%が同じことを示している、となると立場によってどちらを使うかが変わってきます。ポイント還元と割引の違いを強調したい人たちは9%と言い、逆の立場の人は 0.9%ポイントを使うことになります。逆に言えばどちらの表現を使うかによって話し手の立場が分かる、とも言えそうですね。

 

江頭 靖幸

 

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