期末テストに一工夫(江頭教授)
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「こんどのテストはカンニングペーパー持ち込み可だよ!ただしA4で1枚。手書きに限ります。」
「えっ、カンニングはだめでしょう。」
「いやいや、カンニングペーパーをつくる作業自体が授業の要点をしっかりとまとめる勉強になるんだよ。それも込みでのテストであり成績なのさ。」
こんな感じで「カンニングペーパーをつくらせる」というテストの工夫は私が高校生の頃からありました。はて、今の高校でも同じ様なことをしている先生がいるのでしょうか。
高校生だった私もいまは大学の教員。テストを作る側になっているので、日頃から何か面白いやり方があればなあ、と思っています。そこでふと思い出したのが大学の専門科目で受けたテストのこと。国井大蔵先生の伝熱工学(当時は「単位操作第一」と言ったような)の期末試験で、たしかこんな内容でした
今期の伝熱工学の授業の期末試験として適切な試験問題を作成せよ。模範解答も示すこと。
なるほど、これは良い問題ですね。
まず試験問題を作る、というのはただ単に問題を解くよりもかなり難しい。試験問題は必ず正解が出なければなりませんから問いに対して必要にして充分な情報を与えないといけませんからね。しかも授業の内容を反映した問題と指定されると、授業の内容を色々思い出して重要なポイントを出題のために選ばないと。
テストの工夫として、これはなかなかのアイデアだと思います。でもかなりレベルの高い問題になってしまって調整がききません。それに他にも若干の問題点が。
これ、採点もまたレベルの高いものになってしまうのでは。一人一人の解答が全部異なってくるので人数に比例して手間と時間がかかりますから、人数の多い講義には不向きでしょう。
残念ですが、今私が受け持っている授業では実施できそうにありません。
PS:当時のこの試験に対する私の解答を。
期末試験として適切な試験問題
「今期の伝熱工学の授業の期末試験として適切な試験問題を作成せよ。模範解答も示すこと。」
その模範解答
「今期の伝熱工学の授業の期末試験として適切な試験問題を作成せよ。模範解答も示すこと。」
国井先生はこれをどう思われたのでしょうか。先生に聞いてみる機会はありませんでしたが、単位は貰えたところを見ると「ふざけるな!」とうことではなかったようです。
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