リモート化とはデジタル化のことである(江頭教授)
| 固定リンク 投稿者: tut_staff
コロナ禍の影響でリモート授業に移行した大学、それに高校も多かったのではないでしょうか。そのときには授業の内容はオンラインで送信、テストや課題もオンラインでのやり取りになったと思います。でも、そこで利用されたオンラインの通話システム(ZoomとかMeetとか、昔風に言えば「テレビ電話」ですね)やLMS(Learning Management System、学修管理システムです)によるデジタルでの資料配付・テストの実施・レポートの提出の機能は実はコロナ禍以前から有ったものなのです。
特に本学では全ての学生に授業でのノートPCの携帯を義務付けていましたから、コロナ禍以前からオンライン授業は可能だった、と言えるのでしょうか?
この点、私自身もコロナ禍の際に考えさせられたポイントです。実際にオンラインでの授業を行ってみて行き着いた結論は、通話システムとLMSだけでは不充分であるということ。そして、これらの仕組みで足りないのはリアルな教室での教員による「板書」を再現する機能である、という点です。(詳しくはこちらの記事をご覧ください。)
ですから、私の視点からは「コロナ禍以前からオンライン授業は可能だった」としても、それは決して完全なものではなかった。それどころか今でも「板書」を含めた授業のリモート化は不完全である。板書のデジタル化が完成されるまで授業のリモート化もまた完成しない、ということになります。
さて、この結論がどのぐらい広く受け入れられるかは分かりませんが、今回わたしが強調したいのはもう少し別のポイントです。私はコロナ前から通話システムのZoomなどの存在は知っていましたし、LMSとしては moodle が本学に導入されていました。つまり、本格的にリモート化に取り組む前からリモート授業に必要な要素はかなり揃っていたのです。
その時点の私に「授業のリモート化は可能ですか」と聞いたとすれば「はい、可能です」と気軽に答えたのではないかと思うのです。でも実際には完全とはほど遠いものだと分かった。これは「リモート化」を実践したら「デジタル化」できない部分が見えてきた、ということです。
逆に考えると「デジタル化」できない部分を明らかにするためには「リモート化」すれば良い、という論理も成り立つのではないでしょうか。
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