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2025年1月

2025.01.31

卒業論文発表会 2日目(江頭教授)

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 我々応用化学科の卒業論文発表会は昨日(2025年1月30日)から開催。今年は7期生が発表します。

 昨日の記事にもこの「卒業論文発表会」について書いたのですが、申し訳ないことに間違いが一点。本学科の発表会は

パラレルセッション無しで全ての学生の発表を聞くことができる様になっています。

と書いたのですが、実は今年から2会場のパラレルセッション方式に変更されていました。もっとも、

学生には主査の他に副査が2名つき、発表を聞きながらWEB上の評価を記載してゆきますが、会場でのディスカッションはオープンですから、発表会の議論を通じて卒業論文の改訂を行い、その改訂版が正式な卒業論文となります。

という部分には間違いはありません。例年通り粛々と発表が続いたのですが、パラレルセッション方式導入によるメリットが一つ。今年の卒論発表会第1日。スタートが午後になったのです。例年、朝一番からのスタートからは大きな変更です。えっ、数時間の違いはたいしたことないって?いえいえ、発表を控えた学生さん達には貴重な数時間だと思います。

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これは発表開始前の会場の様子です。発表会場は撮影禁止!なのですが、これはぎりぎりOK。

 

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2025.01.30

卒業論文発表会(江頭教授)

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 我々応用化学科の卒業論文発表会は本日(2025年1月30日)から2日間で開催。実は本学科が開設してから卒業論文発表会は今回で7回目。今年発表する学生諸君は7期生ということになります。もう何回も卒業生を送り出してきた様に思うのですがまだ7期生なんですね。

 応用化学科は学生数が比較的少ないので、パラレルセッション無しで全ての学生の発表を聞くことができる様になっています。各学生には主査の他に副査が2名つき、発表を聞きながらWEB上の評価を記載してゆきますが、会場でのディスカッションはオープンですから、発表会の議論を通じて卒業論文の改訂を行い、その改訂版が正式な卒業論文となります。

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2025.01.29

「研究室配属に関する説明会」を開催しました。(江頭教授)

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 そうか、今のうちに4年生から始まる卒業研究を行う研究室を決めないとね。授業が終わって春休みになってからだと説明会を行うタイミングが難しいからこの時期に、という訳か。

 ええ確かに。でも実はこの説明会、2年生向けなのです。

 応用化学科では2年生で研究室に配属されます。でも配属されるのは2年生の3月28日。その後すぐに3年生になりますから、実質的には3年生の初めからの配属となります。

 「えっ?3年の初めって早くない?」その通りですね。実はこれ、本学工学部の特徴であるコーオプ教育との関係で決まりました。応用化学科の学制諸君は3年の前期にコーオプ実習として学外での研修を行うことになります。従って、3年前期、学生諸君は大学から離れて学外に出る時間が長くなります。早期の配属を行うとしたら3年前期には無理。夏休みを過ぎれば3年後期になってしまいます。ということで、少々早いですが2年後期末のこの時期に説明会となったのです。

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2025.01.28

水俣病とアセトアルデヒド(江頭教授)

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 水俣病の原因は水銀、それも有機水銀と呼ばれたメチル水銀が体内に取り込まれたことによる重金属中毒である、ということは良く知られていると思います。メチル水銀を放出したのはチッソの水俣工場だった、これも良く知られているのではないでしょうか。

 では、チッソ水俣工場では何を作っていたのか。正確にはチッソ水俣工場のどのプロセス、何を造るプラントからメチル水銀が流出したのでしょうか。ここまで来ると知っている、という人は少ないと思います。

 答えは「アセトアルデヒド」。アセトアルデヒドを造っているプラントからメチル水銀が流れ出たのです。(まあ、化学に詳しくないひとは「アセトアルデヒド」とは何ですか、となるだけでしょうが...。)

 さて、今回のお題。このアセトアルデヒドは今、どのように作られているのでしょうか。他のアセトアルデヒド製造プラントから再びメチル水銀が流出し、新たな水俣病を起こす可能性はないのでしょうか。

 まず確認しましょう。アセトアルデヒドは炭素、酸素、水素からなる有機化合物であって、水銀を含んではいません。アセトアルデヒドは当時、アセチレンと水を反応させて作られていましたから、原料物質にも水銀は含まれていません。

 当時のアセトアルデヒド製造プラントでは水銀は触媒として利用されていました。触媒は「自身は変化することなく、反応を加速させるもの」なので、本来はプラントから排出する必要はありません。水銀は安価な物質ではありませんから、廃液から水銀を回収した方が有利なはずなのですが...。

 実際に、水俣病が発生した当時、水銀を触媒として利用していたアルデヒド製造プラントは日本国内にも6基以上あったそうですが、メチル水銀が流出して水俣病が起こったケースは2件だけです。なぜ、こんな事が起こるのか、についてはこのページで紹介した書籍「水俣病の科学(西村 肇, 岡本 達明 著 日本評論社)」に詳細な考察が述べられていますので参照してください。

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2025.01.27

「公害の輸出」と「水俣条約」(江頭教授)

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 以前、こちらの記事で「公害の輸出」と呼ばれる現象、グローバル化した世界では環境規制の緩い国に化学工場が集まって公害の原因物質を出し続けること、を説明しました。グローバル化した世界では、規制の緩いところに問題が集中する。これは一般的な傾向で、化学工場の廃棄物による環境汚染もその例に漏れない、ということです。

 この「公害の輸出」を防ぐためには世界で一斉に規制を行うことが必要ですが、「世界政府」が存在しない現在の世界では、法的規制は多国間での条約締結という形をとるになります。

 その具体例として思い浮かぶのは「水俣条約」でしょう。

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2025.01.24

グラフの原点はどこにとるべきか(江頭教授)

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 以前、アル ゴア元アメリカ副大統領の映画「不都合な真実」について紹介した記事で、ゴア氏が地球温暖化についての説明を「大気中の二酸化炭素濃度の上昇についてのグラフ」から始めている点を強調して、「わかっているな」と感じます、と述べました。

 このグラフの説得力、そしてこのデータを起点として地球温暖化に対して語り始めるゴア氏の視点の鋭さについては全く異論はないのですが、実は私は少しだけこのグラフに不満があるのです。

 このグラフの縦軸の原点、0になっていません。このグラフから

ここ60年で大気中のCO2の濃度は約4/3倍に膨れ上がった

などと結論づけることができるのですが、グラフを一見するともっともっと大きな変化を表している様にみえてしまいます。

 視覚的なインパクトを狙ってこのような書き方をしているのかもしれませんが、そういう姑息なやり方は返って内容への信頼感を下げるのではないか、などと思うのですが如何でしょうか。

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2025.01.23

卒業論文提出日(江頭教授)

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 応用化学科のこの春卒業の予定の4年生は、いま卒業研究の仕上げにかかっています。今日と明日(23,24日)は卒業論文の提出日となっていますから正に追い込みですね。

 卒業論文の提出というのは大学の中では結構なビッグイベントです。提出しなければほぼ自動的に留年決定なのですから、普通のレポートの様に期日までにポストに入れる、という訳にはいきません。場所と時間を決めて担当の教員に提出することになります。内容をチェックして規定を満たさないものは却下。受け取ってもらえた場合は「受領証」に判をもらいます。この受領証は卒論を提出した大切な証拠書類ですから、卒業証書をもらうまで大切に保管することになります。

 卒論の提出が間に合わない!というシーン、昔はドラマや漫画で見たような気がしますが今はどうなのでしょうか。実際の卒論提出はやはり厳格なもので、期限通りに提出しないと受け取ってもらえないことになっています。提出する論文は本編とそのコピー2部。全部で3部を提出します。印刷する時間もそれなりに必要ですから余裕をもって準備するべきでしょう。

 応用化学科の提出日は本日(23日)なのですが、明日は一応の予備日。何かの事情で提出できなかった人向けの時間です。この場合は理由書を作成、指導教官が確認して押印することが必要条件です。

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2025.01.22

「45°の線に乗る」という表現(江頭教授)

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 ここのところ、主に実験の現場でグラフ用紙に手書きでプロットすることのメリットについて説明してきた(こちらとか、こちらとか)のですが、今回の話はメリットと言えるかどうか。表題のとおり「45°の線に乗る」という表現についてです。

 私のように普通にグラフ用紙をつかっていた(何故かって?昔はPCとか無かったのですよ!)世代は普通に

だから、○○の実測値を横軸、縦軸を計算値でプロットしたとき「45°の線に乗る」かどうかでしょ!

というような物言いをしがちです。はてこれは今の人に通じるのでしょうか。

「45℃の線」ってなんですか?

なんて返されても文句は言えない。Googleで検索しても「45℃の線」はでてこないと思います。(「45°」じゃなくて「45℃」ならなおさら。)

 さてこの表現は、一つの物理量の予測値と実測値のように、本来等しくなると期待されるもの、が本当に等しくなっているか、を確認するような場合、両者を縦軸Xと横軸Yにプロットしたグラフで

Y=X

の関係が成立しているかを確認するという作業についてです。グラフ上のY=Xを表す直線を指して「45°の線」と呼んでいるのですが、この呼び名は縦軸Xと横軸Yが同じスケールになる場合にだけ当てはまるものですね。

 グラフを書くために「グラフ用紙」を使っていたころは、一般的な市販のグラフ用紙は縦方向も横方向も同じ間隔の目盛りが入っているので、Y=Xを表す直線の傾きは45°、つまり「45°の線」になるわけですね。

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2025.01.21

実験データをとる順番はどう選ぶのか(江頭教授)

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 昨日の記事では実験中には手書きのグラフを書くことをお勧めしたのですが、今回は実験データをとる順番についてのお話。もっとも前回の記事であつかった「反応速度の測定」の実験ではデータをとる順番について議論する余地はありません。だって、時間変化を追跡してデータをとるのですから、順番も何もありません。時間の進むとおりにデータをとるだけですよね。

 同じ「染料が漂白剤で脱色される反応の速度を測る」という実験でも、漂白剤の濃度を変えるとどんな変化があるのか、を調べる実験を行うとすればどんな順番でデータを取るのかが問題になります。いや、問題というより選択肢ができるというべきですかね。

 さて、この場合どうやってデータを取るのが良いでしょうか。

 まず思い付くのは「漂白剤の濃度の低い側から順番にデータを取る」というやりかたでしょう。

 普通に考えて漂白剤が濃い方が脱色する反応は早くなるはず。ならば「薄い漂白剤に濃い漂白剤が混ざる」と影響が大きいのですが「濃い漂白剤に薄い漂白剤が混ざる」場合には影響は少ないはずです。漂白剤の濃度の低い側、つまり薄い漂白剤を使った実験からスタートしておけば、もし実験で漂白剤の混入が起こったとしても、その影響は少ないはず。これならきれいなデータが取れるでしょう。

 と、まあ、理屈はその通りなのですが、はて、それで良いのでしょうか?

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2025.01.20

実験中には手書きのグラフを書くのがお勧めです(江頭教授)

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 本学工学部応用化学科の1年生のカリキュラムにはもちろん、学生実験があります。名称は「工学基礎実験(C)」。最後に(C)とあるのは化学系の実験だから。以前はセメスター制だったので夏学期の「工学基礎実験(C)Ⅰ」と冬学期の「工学基礎実験(C)Ⅱ」を実施していましたが、新しいカリキュラムからはクォーター制になったので「工学基礎実験(C)Ⅰ-A」「工学基礎実験(C)Ⅰ-B」「工学基礎実験(C)Ⅱ-A」「工学基礎実験(C)Ⅱ-B」の四つで実施しています。

 私もこの実験の「工学基礎実験(C)Ⅱ-A」「工学基礎実験(C)Ⅱ-B」を担当しているのですが、ついこないだ(第4クォーターなので「工学基礎実験(C)Ⅱ-B」です)担当した実験は色素の漂白剤による分解反応の反応速度を求める、というもの。色素なので濃度の測定は吸光光度計で比較的簡単にリアルタイムで観測が可能です。

 色素と漂白剤を混ぜて色が薄くなっていく様子を吸光光度計で測る、という実験なので色素の濃度変化、つまり吸光度の時間変化が分光光度計から出力されます。このとき、学生さん達にやってもらったのが「実験データをグラフ用紙に手書きする」ということでした。

いや、21世紀も四半世紀が終わろうとしているこのご時世に手書きなんて。そもそもグラフ用紙なんて誰も持っていませんよ。

そう言われるのもしかたないことかも。しかし、この「実験データをグラフ用紙に手書きする」ということには明白なメリットがあるのです。

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2025.01.17

期末試験が始まりました(江頭教授)

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 2024年度後期の授業は2024年末までに1週間を残して終了。新年に入ってその残り1週間分の授業が終わったのが1月10日。ちょうど1週間まえでした。

 さて、その後は1月13日は「成人の日」の祝日、補講日(1月14日)に授業開講予備日(1月15日)があり、昨日1月16日から待望の(?)の期末試験が始まりました。

 期末試験は基本的には1週間。普通の授業と同じペースで試験があるのですが、試験をしない授業もありますし(体育とか)、授業内で試験を終わらせている授業もありますから、そこまで過密スケジュールという訳ではありません。

 また、試験の時間は1時間。通常の授業は90分なので、30分短くなっています。これに対応して試験期間中は休み時間も少し長く取れるようになっています。

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2025.01.16

核融合の現在(江頭教授)

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 昨日のこのブログでは、工学部応用化学科の1年生諸君の「核融合」への熱い想いに刺激されて昔に書いた核融合についての記事を再録しました。そこでは国際協力による核融合実験炉 ITER(イーター) のWEBサイトを紹介して、その中からこんな引用をしています。

「ITER」は、国際熱核融合実験炉が語源で、イーターと読みます。 ITER計画は、平和目的の核融合エネルギーが科学技術的に成立することを実証する為に、人類初の核融合実験炉を実現しようとする超大型国際プロジェクトです。ラテン語で道や旅という意味を持つ「ITER」には、核融合実用化への道・地球のための国際協力への道という願いが込められています。

ITER計画は、2025年の運転開始を目指し(2016年6月ITER理事会で決定)、日本・欧州連合(EU)・ロシア・米国・韓国・中国・インドの7極により進められています。

いや、前半は良いのですが……。なんと「2025年の運転開始」とあります。今年は、もう2025年。そろそろ核融合炉が稼働するのでしょうか。ワクワク。いや、それにしても世間は盛り上がっていないけど、どうして?

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ITER建設サイト外観写真(ITER国内機関のWEBサイトより)

 

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2025.01.15

核融合は未来のエネルギー源か(江頭教授)

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 先日の記事で本学工学部応用化学科の1年生諸君が「核融合」について熱い議論を燃せてくれた(大袈裟?)という話題に触れました。そう言えばこのブログでも核融合について触れたっけ、などと思い出して見つけたのが2018年4月18日の記事。今回はこの記事を再録しましょう。


 未来のエネルギー源、ここで未来というのはかなり遠い未来、たとえば2100年くらいのことだと思ってください。日本政府の「エネルギー基本計画」でも言及されるのはせいぜい2050年くらいまでですから、2100年とか22世紀になると具体的な計画や政策の射程を越えた未来、となるわけです。となれば、なんでも自由に想像しても良いのですが、少しでも合理的に考えれば石油や天然ガスなどの化石燃料は枯渇している、あるいは温暖化問題で使用が規制されているはずで、未来のエネルギー源にはなり得ないでしょう。

 未来のエネルギー源の候補の一つは「核融合」です。核反応を利用したエネルギーですが、核分裂と違ってウラン資源を必要としない点で実質的に無尽蔵のエネルギー源だと言えます。

 実際、石炭から石油へのエネルギー源のシフトが行われたころから、化石燃料から核分裂、そして核融合へ、というエネルギー源の変化が、ある種の社会的なコンセンサスがあった様に思います。

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2025.01.14

「社会連携演習Ⅰ最終発表会」を実施しました(江頭教授)

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 本学工学部の特徴の一つ、コーオプ教育。その最初の授業と位置づけられるのが1年生後期の授業「コーオプ演習Ⅰ」ですが、新カリキュラムからは名前が変更になって「社会連携演習Ⅰ」となりました。とはいえ、内容は今までと同じ。最新の工学・技術的トピックスについて調査し、発表すること。グループワークを中心とした授業で、賛否のわかれる技術上の課題やサステイナブル社会に関連する新技術などを対象として調査を行い、調査結果に基づいたディスカッションの内容を発表します。

 先週の金曜日、1月10日にこの「コーオプ演習Ⅰ」改め「社会連携演習Ⅰ」の最終発表会が開催されました。

 実は昨年の末にはこの最終発表会前の予選が行われていました。その際にも感じたのですが、今回の発表、というか1年生での発表はある意味特別な発表と言えるかも知れない、そんな事を思いました。なぜなら、学生諸君はまさに工学の勉強を進めている最中で、やがて社会の問題に対しても工学の関わるもの、という立場から発言することになるでしょう。でも、この発表をした1年生の時点では、まだまだ立場の定まらない、ある意味で世の中一般の人、という立場にあるのです。彼らが数年後に自分の発表を見返したとき、それはどのように見えるのでしょうか?楽しみだ、というのは少し意地悪かもしれません。

 さて、今回も例年の(「コーオプ演習Ⅰ」ですが)同様、いろいろなテーマがありました。どの班も短い時間の中でよく調べていたと感じましたが、中でも印象的だったのは「核融合発電の実現に向けて」という発表でした。

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2025.01.13

今年度の授業は先週金曜日(1月10日)に終了しました(江頭教授)

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 お正月休みが終わって2週間が過ぎ、今日から3週目。とはいえ今日はいわゆる国民の祝日。元日の次の祝日は「成人の日」です。学生諸君の中にはまさに主役の新成人たちも多いのですから、大学には縁の深い休日と言えるでしょう。さすがに「祝日授業開講日」などという無粋なことにはなりません。えい、それどころか本日はすでに授業そのものがありません。(タイトル通りですが)今年度の授業は先週金曜日(1月10日)に終了しているのです。

 今年最初の授業は1月6日の月曜日でした。その際、

実は後期の授業はかなりの部分が終了しているのです。

と書いたのですが、正にその通りで1週間分の、というか5日分の授業しか残っていなかったのです。「いっそ全部終わらせてから休みに入れば……」とも思いますが、いえいえ、さすがに1月1日を「祝日授業開講日」にはできないですよね。

 さて、1月第2週で授業は終了。第3週の月曜日(今日)はお祝日でお休みです。次は期末試験、となるところですが、補講日(1月14日)や授業開講予備日(これは自然災害等で休講となった場合の振替日。1月15日です)もありますので、その後の1月16日の木曜日が期末試験のスタートとなります。予備日まで含めると冬学期の授業期間の本当の終わりは1月29日と結構先なのですね。冬休みの始まりは1月30日となります。

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2025.01.10

「世界が良くなっている事を示す すごい 映像」に字幕が付いていた(江頭教授)

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 先日の「世界が良くなっている事を示す すごい 映像」という記事、実は昔の記事の採録だったのです。初出(というほどでもないですが)は2015年5月29日のこちらの記事。古い記事なのでアクセスしにくくなっているかと思っての採録で、もちろん、内容は古くなっていないと考えてのことです。

 とはいえ、全く同じというわけにはいきません。この約10年間の間に変更が必要な部分もありました。それは

この すごい 映像を、ぜひ一度見てみてください。音声は英語で字幕もありませんが、聞き取りやすい英語での平易な説明、それと圧倒的な映像の力でこの200年に世界の人々がどれほどrichに、healthierになっていったか、が誰にでも分かるように表現されていると思います。

という部分。いや、「聞き取りやすい英語での平易な説明」はそのままですし「圧倒的な映像の力」も全く古びてはいません。それに「音声は英語で」まではOK。でも「字幕もありませんが」が違っているのですね。

 件の記事を採録する前にもう一度見直したところ、なんか字幕がついている。どうやら「スペイン語」の字幕なのだが……なんでスペイン語?

 よくわかりませんが、画面に出ている歯車のアイコンをいじってみると、スペイン語からの自動翻訳で日本語の字幕も出力できるようです。これなら英語が苦手な人にもお勧めし易いですね。

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2025.01.09

映画「不都合な真実」(江頭教授)

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 「不都合な真実」はアメリカのクリントン政権時の副大統領、アル ゴア氏の地球温暖化に対するキャンペーンを中心としたドキュメンタリー映画です。講演で観客に語りかけるゴア氏の姿、世界各地で起きている温暖化の影響についての印象的な映像、ゴア氏の個人的な回想を織り交ぜて地球温暖化の危機を理解させ、対応を促す内容となっています。

 ゴア氏が副大統領を務めた期間は1993年から2001年まで。京都議定書の採択が1997年ですから、彼の任期中に地球温暖化問題へ関心が高まった事がわかります。実のところ、ゴア氏は地球温暖化問題へ関心を高めた立役者の一人であり、2007年にはその功績でIPCCとともにノーベル平和賞を受賞しています。

 この映画でのゴア氏の温暖化問題についての説明は、彼が学生時代に教授から見せられた大気中の二酸化炭素濃度の上昇についてのグラフから始まっています。現在では広く認められている人為的な温室効果ガス(主に二酸化炭素)の排出による地球環境の変動、温暖化ですが、当時は懐疑的な人も多くいました。その状況でこのデータを最初に示している点、「わかっているな」と感じます。二酸化炭素の放出から温暖化まで、その因果関係にはいくつものステップがあり、確実性の高いものと低いものがあります。その中で地球の大気中の二酸化炭素が増えている、という事実は特に確実性の高いものです。

 映画という媒体の特性でしょうか、やや映像で煽るような場面もありますが、それでも落ち着いたトーンで分かり易く温暖化のメカニズムとその影響について説明した内容は2006年の公開から20年ちかく経過した今でも充分通用する内容だと思います。

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2025.01.08

世界が良くなっている事を示す すごい 映像(江頭教授)

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 本学工学部が課題として提示している「サステイナブル工学」ですが、わざわざ「サステイナブル」と名乗っているのは、いままでの工学が作り上げた産業社会が「サステイナブルではない」という欠点を持っている、だから新たに「サステイナブル」な産業社会を目指そう、という意図を反映してのことです。

 この一面では現在の産業社会に対して批判的な目を向けているのですが、もちろん今の産業社会にはポジティブな面、良いところもたくさんあります。今回は、そのなかでも最も重要な側面、産業革命の波及によって人々が裕福になり、長寿になった、ということを印象的に示してくれる映像を紹介したいと思います。

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2025.01.07

午前10時の映画祭で「妖星ゴラス」を観た(江頭教授)

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 午前10時の映画祭については先の記事でも紹介しました。これは名作映画を再上映するという企画で、その一つとして「妖星ゴラス」が劇場公開される、とのこと。私はこの「妖星ゴラス」という映画が大好きなので、以前に書いた「妖星ゴラス」の感想を再掲しつつ紹介したという次第です。

 さて、新年に入って早々、1月3日に上映開始となった「妖星ゴラス」を観てきた、というのが今回の内容です。

 映画「妖星ゴラス」の内容は前回紹介した通り、外宇宙から太陽系に侵入してきた天体「ゴラス」が地球と衝突する軌道にあることが分かる、というストーリー。ゴラスの質量は地球の6000倍もあり、衝突すれば地球は消滅。計算上もっとも離れた軌道を通過した場合でも水や空気をゴラスに奪われ、当然人類は滅亡するというのです。

 私が今回、とくに気になったシーンについて紹介しましょう。

 「ゴラス」との衝突から地球と人類を守るために活動を開始した科学者たち。かれらは自分達の働きかけに対して腰の重い政治家や役人達にもどかしい思いをつのらせています。そんななか、官庁巡りから帰るタクシーの中で、かれらは運転手とこんな会話をするのです。

時に運転手さん、あんた方はゴラスが来たらどうするね。

ゴラス、ああ、流れ星のことですか。なーに、お客さん。星が衝突するなんて話は大昔から何回もあってさ、まだ一度だってぶつかった試しはねえんでさ。

しかし、新聞やラジオでは…

ありゃ騒ぐのが商売ですよ。

世界中の学者が心配しているんだよ。

そりゃ、学者の理屈から割り出すと衝突することになるんでしょうがね。そう理屈通りには行きやせんよ。また、行ってもらっちゃ困りますがね。

さて、このシーンのタクシー運転手は「地球に危機が迫っているという状況に対して、無関心な一般市民」の代表として描かれていることは明かでしょう。実際、この後「人間はいつの時代にもただ目先のことに追われて生きてくようにできているらしいね。」というセリフが続きます。

 以前、この映画を観た私、特に最初にTV放映でみた小学生くらいの私は、まさに制作者の意図通りにこのタクシー運転手の態度に憤ったものでした。それに対して危機を正しく認識して人類のために努力する科学者達の崇高さを見よ、といったところでしょうか。

 しかし、今見直してみると少し違った印象をもつのです。何というか、このタクシーの運転手さんの常識に基づいた考え方にある種の「知恵」とでもいうべきものを感じるのです。

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(映画「妖星ゴラス」のタクシー運転手との会話のシーン。運転手さんが実に良い味を出しています。)

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2025.01.06

八王子キャンパス、今日から活動再開です。(江頭教授)

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 我々応用化学科が所属する本学の八王子キャンパスですが、年末の12月28日から昨日1月5日まで、9日間の期間原則閉鎖となっていました。本日(1月6日)が新年に入って最初にオープンする日となります。

 キャンパスが閉鎖というのは少し違うかも。正確に「防火・防犯態勢等」が強化されると言うべきでしょう。学生の教員も原則入構できませんが、原則、とあるように特別に許可をとれば入構はできます。また、この期間を利用したキャンパスの整備等も行われているのではないでしょうか。(私自身が入構許可を取っていないのでこれは未確認ですけれど。)

 さて、日本の大学のほとんどは二期制(セメスター制)で前期(多少前後しますが4月はじめから9月末)と後期(9月末から3月末まで)との二学期で運営されています。その意味で年末年始を含んだこの「冬休み」は後期の途中にある少し中途半端なお休みです。後期が9月末から3月末までなら後期の真ん中、ということになるのですが実は後期の授業はかなりの部分が終了しているのです。

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2025.01.03

推薦図書「ほんとうの日本経済 データが示す『これから起こること』 」(江頭教授)

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 「人口」という切り口から日本の社会について議論する本は数多くあります。たとえばこのブログで扱ったものでも河合雅司氏の「未来の年表」シリーズ(こちらの記事では「未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること 」を紹介しています)などがありました。

 さて、今回紹介するのは以下の本です。

坂本貴志 著

「ほんとうの日本経済 データが示す「これから起こること」」(講談社現代新書)

講談社(2024)

この本も上記のような「人口」という切り口から日本の社会について議論する本なのですが、いままで紹介した本とは少し違います。本書の立場は「将来の人口減少社会を予測し警鐘を鳴らす」ものではありません。すでに起こっている人口減少の影響について、なるべく具体的に捉えることに注力した本なのです。

 「はじめに」を読んだ段階ですでに明かなように本書では、日本社会への人口減少の影響はすでに人手不足という形で現れているのだ、という立場をとっています。コロナ禍やロシア-ウクライナ戦争などの影響によりここ数年来、日本の経済、とくに物価や賃金については大きな変動が生じています。ややもすれば、世の中が落ち着いてこのような突発的な事象の影響がなくなれば全ては元に戻るのだ、と考えたくもなります。

 しかし、本書の第1部では日本の経済はすでに「人口減少局面」に入っており労働力不足の影響で賃金が上がり始めているとしています。現在は海外要因(戦争の影響や円安など)によって生じているインフレーションも将来労働力不足による賃金上昇を原因とするインフレーションへと転じるというのです。

 一般的には日本の賃金が上がっているとは認識されていませんが、それは一人当たりの賃金を見るから。昔は働いていなかった女性や高齢者の多くが今や働くようになったものの、彼らの労働時間は比較的短く、一人当たりの平均賃金を押し下げるように作用しています。時間当たりの給与というデータで評価すれば日本の賃金は既に上昇局面に入っていることが確認できるのです。

 バブルの崩壊以降「人余り」だった日本社会はついにその状況を脱し、今や「人手不足」の社会に転じた。それがこの本の第一の主張です。

 続く第二部で、本書の印象はガラッと変わります。

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2025.01.02

産業革命と幼児死亡率と「子鹿物語」(江頭教授)

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 お正月早々に三題噺の様なタイトルですが、別にオモシロおかしい話をしようというわけではありません。今回の記事は、先日紹介した映画「子鹿物語」について、もう少し言い足しておきたいことがあって書くことにしたのです。

 さて、まずは産業革命について。産業革命にはいろいろな側面があるのですが、私なりの理解では「科学の知識を体系的に応用することによる技術革新(つまりは工学)が社会の一部に組み込まれ、生産力が爆発的に拡大した現象」といったところでしょうか。ついでに、この生産力の爆発的な拡大はいまも継続していて、ついに地球の許容量の限界に達しつつある。それが人類文明存続の危機の原因であり、その危機の克服こそがサステイナブル工学の役割なのだ、と付け加えさせて頂きましょう。

 なるほど、産業革命が危機の原因であるならば、敢えて産業革命の成果を破棄し、それ以前の世界に戻るという選択肢はないのでしょうか?

いいえ、絶対にあり得ません。

それが私の答えです。

 以下の図はハンス・ロスリング博士の著書「FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣(日経BP 2019)」からの引用ですが、「産業革命以前の世界」がいかなるものであったかを端的に示しています。当時、世界の人口は低いレベルで安定していて、確かに「自然と調和」していました。しかし、そこで暮らす人々の生活は貧しいものであり、その何よりの証拠は幼児死亡率の高さなのです。その時代に生を受けた赤ん坊はほとんどの場合「自然と調和しながら死んでいった」のです。成長し、世代をつないでゆくことができたのは運の良い一部の赤ん坊だけだったのです。

 このロスリング博士の著作では「幼児死亡率」が社会の貧しさ、豊かさの指標として用いられていました。下の図は産業革命以降の(そしてサステイナブル社会へつづく)一連の変化は確かに自然との調和を乱すものではありますが、「自然と調和しながら死んでいった」社会を脱して真の意味で「自然と調和した」社会、つまり「自然と調和しながら暮らせるようになった」社会(これをサステイナブル社会と呼んでも良いでしょう)の実現のためには必要なステップだったことを示しているのですね。

 さて、最後に「子鹿物語」について。

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2025.01.01

年頭のご挨拶 2025年を迎えて(江頭教授)

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 新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 東京工科大学工学部応用化学科は、2015年の開設から9年と9か月が経過しました。今年3月末で10年目を終え、4月から新たな10年が始まります。

 これまでに、応用化学科は学部生として5期の卒業生を送り出し、今年3月には6期生が卒業を控えています。さらに、大学院へ進学した修士課程修了生は、学士・修士一貫早期修了プログラムの学生も含め4期を輩出しています。博士課程まで進学し学位を取得した第一期生もおり、約10年間を経てようやく学科としての完成形に到達したといえる段階に来ました。

 また、この10年間の間に、教員の中からも定年退職で「卒業」された先生方がいらっしゃいます。髙橋昌男先生、長年にわたるご尽力に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。

 応用化学科が設立された際に工学部カリキュラムの一環として導入された「コーオプ教育」は、大学と企業が連携した授業です。その中でも、約2か月間、企業での毎日8時間・週5日の実習を行う「コーオプ実習」は、応用化学科においてすでに8年の実績を積み重ねています。この必修授業には単純計算で約640名の学生が参加し、貴重な就業体験を得てきました。

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