インフルエンザの季節、は過ぎたようです(江頭教授)
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2020年のコロナ禍で皆が三密を避け、マスク・手洗いを励行した結果、インフルエンザは消えてなくなったように思われた時期がありました。信じられない?いえ、確かにあったのです。でもコロナ禍の終息と入れ違いにインフルエンザは見事に復活。このブログでも何回かインフルエンザの流行について触れました。
たとえば2023年11月16日のこちらの記事。ほとんど消滅したインフルエンザが2022年から2023年にかけての冬で復活した、それはそれで良いとして(良くない!)その次の冬(2023年から2024年にかけての冬)には異常に早く流行が始まった、いや2023年の冬というより2023年の秋くらいから流行しはじめたのです。この記事を書いたときは2023年の冬の始まり(11月16日ですからね)だったので、その後の展開について
このデータを一体どう見るのか。「今年の末から来年の初めにかけて空前のインフルエンザの大流行が起こる」とするとこれはとんでもないことです。とはいえ「この冬のインフルエンザの流行は10週間ほど前倒しだ」という見方もあるでしょう。
と書いておきました。で、実現したのは後者の方。2023年から2024年にかけてのインフルエンザの流行は前倒しになっただけで大流行とはなりませんでした。
ところが!2024年から今年(2025年)にかけての冬には別の異変が。まずは恒例の国立感染症研究所の「インフルエンザ過去10年間との比較グラフ(第5週 2/17更新)」を見てください。
まず2024年のデータに注目しましょう。2023年とちがって「異常に早く流行が始」まるようなことは無く、例年通りの傾向を示し……ているのは48週くらいまで。その後年末にかけて一気にグラフは跳ね上がっています。流行が早まる代わりに大流行が起こっているのです。そういえば年末近くに授業を休む学生さんもちらほら。ニュースなどでも話題になっていたかと思います。
さて、明けて2025年の1月。さぞや大変なことになるのでは、と思いきや、グラフを見ると(マーカーが赤丸に変わっています)すんなりと低下して例年並み、いえ、例年以下に落ち着いてきている様子。どうやら今回の冬のインフルエンザは「空前の大流行」というよりも「一気に広がって一気に収まる」タイプの流行だったようです。
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