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2025年3月

2025.03.31

今年の桜はどうでしょう?(江頭教授)

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 卒業式じゃなくて学位記授与式(このネタ何回目?)は終了、在学生ガイダンスも終わったので今年度(2024年度)最後の今日一日はほっと一息つける一日ですね。そんな気持ちで朝を迎えたのですがなんか肌寒い。先週の金曜日は暖かい、というより暑いくらいだったのに、土曜日辺りから急に冷え込んできて今日もそれが続いている様です。とはいえ春が近づいていることは確か。大学に来るとそれをはっきり示す光景が。

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生憎の曇り空のせいでしょうか。写真だとはっきり見えませんが正門から見るとキャンパス内の桜がすでに開花しているのが分かりました。もっと近づくとこんな感じ。

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 実は池の上の桜は少し成長が早いのです。正門のすぐ近く、この写真を撮ったときの私の立ち位置の桜をアップにすると……。

 

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2025.03.28

在校生向けのガイダンスを実施しました(江頭教授)

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 卒業式、じゃなくて学位記授与式は先週終了。来週は入学式が予定されているのですが、今週はその隙間で暇な1週間、というわけにはいきません。新年度に入って新入生を迎える前に一つやっておくべき事が。それが在校生に対するガイダンスです。

 ということで、我々工学部のガイダンスは昨日の27日に実施。1年生、というか新2年生、それに新3年生、4年生に向けたガイダンスのために教員はそれぞれに向けた準備をしたのです。

 「入学時はともかく、大学でガイダンスなんか必要なの?」

 はい、必要です。新3年生なら本学に固有の「コーオプ教育」の情報が必要。新4年生には卒業研究や就職活動のサポートについて説明する必要も。そしてどの学年に対しても大学院進学のための情報など、在学生にも必要な情報を一気にまとめて伝達する、ガイダンスはそのための絶好の機会です。

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2025.03.27

アドバイザー面談のこと(江頭教授)

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 「アドバイザー」は本学全体の制度です。高校生、中学生の皆さんに理解し易いイメージで言えば「担任の先生」のような役割だと思ってください。大学では研究室に所属すれば強固な人間関係ができるのですが、入学から研究室配属までの間、どこにも所属しない状態になるのが一般的です。この時期、大学生活になじめないと生活のリズムを壊すことが多く、大学からドロップアウトしてしまう可能性が高いのです。それに対応するために作られたのがアドバイザー制度で、定期的に学生諸君と面談をすることでケアをすることになっています。

 新しい年度が始まる、というかもうすぐ始まるので本日は我々応用化学科が所属する工学部の在学生ガイダンスが実施されます。春休み中ですが、ほとんどの学生はこのガイダンスのために大学に来るので、この機会にアドバイザーとしての面談をやってしまおう、ということに。

 1年生(新1年生)はまだ入学前なので、新2年生以上が対象となります。新3年生は研究室配属の関係でもうすぐアドバイザー教員が切り替わる予定。(研究室が決まればアドバイザー教員は研究室の指導教員に切り替わるのです。)結局、対象となるのは新2年生と新4年生のみ。半分の学生さんが対象ということになります。

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2025.03.26

電子レンジでコップ1杯のお湯を沸かすには何分必要か?(江頭教授)

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 電子レンジはとても便利。最近はコンビニで「レンジでチンして」食べる食品が売っています。そんな食品には大抵「500Wで○○分、1500Wで××分」などと記載があるのですが、ではそんな記述のないものを暖めるにはどのぐらいの時間が適当なのでしょうか。

 最も簡単な例として水を加熱してお湯を沸かす場合を考えて見ましょう。電子レンジで消費されるエネルギーが完全に水に伝わる、と考えればこれは熱の仕事当量(1g=1mLの水の温度を1℃上げるために必要なエネルギーの量です)を使って簡単に計算できます。

 まず電子レンジの出力が500Wだとすると1秒で500Jのエネルギーが水に供給されることになります。熱の仕事当量は4.19Jですから1mLの水なら500÷4.19 =119.3より、約120℃の温度上昇があることになります。おっと、これでは沸騰してしまいますね。逆に120mLの水なら1℃温度が上がる、と考えましょう。

 1分間=60秒なら120mLの水を60℃暖められます。水の初期温度にもよりますが、例えば20℃からスタートすれば80℃。いい加減のお湯ではありませんか?

 コップ1杯の水を、例えば180mLとすれば水の量は1.5倍。したがって500Wの電子レンジならコップ一杯で約1分半と言うことになります。

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2025.03.25

応用化学科懇親会@ひな鳥山(江頭教授)

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 これを読んでいるあなたが学生さんなら、先生と会うときは学生大勢に対して先生1人、せいぜい一対一ぐらいでしょう。先生がたくさん集まっている、という風景はなかなかレアなのでは?少なくとも私が学生のときはそうでした。大学院の入試で学科の全教員を前にして面接を受けたときには「多勢に無勢とはこのことだ」と怯んだ記憶があります。

 さて、そんな「先生がぞろぞろ」というイベントが学科の懇親会。応用化学科では年に一度は懇親会という名の飲み会を行っています。今回の懇親会は3月24日に八王子にある「ひな鳥山」といういろり焼きのお店にて。このひな鳥山というお店、個室の奥に水路が通っていて船で料理が運ばれてくる、という趣向です。もっとも船と言っても料理をいれたお盆が載るくらいのサイズで、さすがに人が漕いでくる訳ではありません。

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2025.03.24

今年最初のオープンキャンパスを実施しました(江頭教授)

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 タイトルのとおり、少し気が早いですが26年4月入学を予定している高校生諸君に向けた最初の(そして24年度最後の)オープンキャンパスを昨日の日曜日、2025/03/23に実施しました。

 いつものオープンキャンパス同様、朝早くに大学に行くと片柳研究棟入口の看板が私達を迎えてくれます。

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受付もいつものとおり。とはいえ、夏休み中のオープンキャンパスと比較すると少し人出は少ない様子。(正直に言うとこのくらいの方がやりやすいのですが…って、おいおい。)

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2025.03.21

ブログシステム、トラブルの様です(江頭教授)

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 この記事を書いているのは2025/03/21 9:14 です。表題の通りで今現在、このブログにアクセスしようとすると以下の様なメッセージが。ついでに、書きかけの記事をプレビューしても同じ結果に。

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 うーん、一体どうしてしまったのだろう?他学部のブログは見えている様なのですが……。

 ブログはオンラインで利用しているので、現状のトラブルに対して私の側からできることはありません。願わくば短期間で問題が解決されんことを。

 

江頭 靖幸

2025.03.20

卒業式(正確には学位記授与式)が行われました(江頭教授)

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 昨日、3月19日には東京工科大学の卒業式が行われました。おっと、正確には「学位授与式」と呼びます。大学では授業を受けて所定の単位を取得し、卒業研究を行って、その論文が合格と認められれば学士号という学位が大学から授与されます。(大学院では修士号や博士号が授与されます。)ですから大学は卒業式ではなくて学位を授与する式、学位授与式となるわけですね。

 さて、その学位記授与式の当日には、早朝からみぞれが降り始め、式典が始まるころには写真の様な情景に。この冬は雪が少なかったので、なんと3月の卒業式の日がこの冬一番の、とは言いませんが2位か3位くらいの積雪となったのでした。

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 完全な雪ではなくみぞれだったためでしょうか。足下はシャーベット状になっています。雪で滑ることはありませんが、足下が冷たいのはつらいかなあ。

 下の写真でも通路がぬれているのが分かるかと思います。

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2025.03.19

野菜うま煮はなぜ熱々か?(江頭教授)

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 これは私が大学院生だった頃のお話し。毎日夜まで実験をする研究室の面々はよく連れだって大学の近くの食堂に夕食を食べに行ったものでした。私達の行きつけの定食屋の人気のメニューの一つが「野菜うま煮」。とろみのついたスープにたっぷりの野菜、という仲々健康的な料理です。ところがこの「野菜うま煮」には困った点が一つ。これが結構、熱々で食べるのに時間がかかるのです。

 他の料理を注文した連中はすぐに食べ終わってしまいます。そして議論がスタート。議題は「野菜うま煮はなぜ熱々か」です。

 議論に参加するメンバーも一度は熱々の野菜うま煮を食べているので、これが個人の問題で無いという点ですぐに意見は一致しました。その先も、おそらく「とろみのついたスープ」が熱々の原因だろう、というところまでは合意がとれたのですが、ではなぜ「とろみのついたスープ」は熱々なのでしょうか。

 第一の仮説は「高分子説」です。「野菜うま煮のとろみのもとはおそらくでんぷん糊であろう。ということは高分子が含まれていることが熱々の原因に違いない。おそらく高分子の(あるいはでんぷんの)分子構造の何かの特徴によってとろみのついたスープの熱容量はかなり大きいのではないか。」というもの。

 当時はこの仮説にもそれなりの信憑性があったのです。でも、こちらの記事で示したように高分子の比熱は水に比べれば大した値ではありません。どうも「高分子説」が真相、ということはなさそうです。

 第二の仮説は「とろみ」そのものに注目したもの。「熱々であることを感じるのはあくまでも人間の、おそらく舌であろう。さらさらスープととろみスープとを比べると、例え同じ温度、比熱であったとしてもとろみスープは舌に粘り付いてより効率的にその熱を伝えるに違いない。その結果、人間はとろみスープを熱々であると認識するのだ。」これは「感受性仮説」とでもよびましょうか。

 まあ、「感受性仮説」で主張されるような効果が全く無いとは言えませんが、でもそれが主要なのかというと、どうでしょうか。そもそも熱さを感じるのは舌だけでは無いですよね。

 さて、その場での議論はそのままになってしまったのですが、この話には続きがあります。しばらく後で大学の先輩に、この「とろみスープ熱々問題」を説明する有力な仮説を教えてもらったのです。

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2025.03.18

至高の保温材は「真空」だが、というお話し(江頭教授)

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 前回の記事、切っ掛けはこちらの記事で、不調になった電気ポットを新しいものに買い換えた話だったのですが、流れ流れて電気ポットの材料についての話になり、保温材についての説明をさせてもらいました。

 曰く

究極の保温材は空気だ

という結論に。

 で、究極がでたからには至高も必要だろう、ということで(なんで?)今回は至高の保温材である「真空」のお話しをしましょう。

 至高の保温材、つまり熱の流れを断ち切って、熱を逃がさない様にする容器について、実はこのブログで以前に触れたことがあります。「魔法瓶ってどうよ」という記事では

一定距離の壁の間が真空になっている場合、熱を伝えるものがないため伝熱が進まない

という仕組みで保温あるいは保冷を行う容器として、家庭用のいわゆる「魔法瓶」と研究室などで利用されるデュワー瓶について紹介しました。

 「真空」なら何もない、何もないなら熱を伝える物もない、だから断熱できる、と理屈は明解。でも実は「完全な真空」を作ることは難しい、というか不可能です。そしてこちらの記事で紹介したように大気圧の付近では「圧力が変わっても伝熱はほとんど変化しな」いのです。

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2025.03.17

究極の保温材とはどんな材料か(江頭教授)

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 電気ポットは何からできているのでしょうか?これは前回からの続き、というかその前回がそれ以前からの続きなのですが、とにかく今回のお話しは「金属」「プラスチック」以外の電気ポットの材料として予想される物として挙げた「保温材」についてです。

 まず「金属」「プラスチック」「保温材」というのでは並びがおかしいですよね。プラスチックは電気ポットの「外装」に使われているのは見た目で明かです。そして「ヒータ-」には金属が。電気ポットの筐体は金属でしょうか、それともプラスチックでしょうか。おそらく「筐体」「ヒーター」「外装」とさらに「保温材」辺りがポットのメインの構成材料でしょう。

 では「保温材」とはどんなものでしょうか。以下のグラフは丸善の「化学工学便覧(第6版)」からの引用です。全部で13種の保温材がリストアップされていて、その熱伝導度の温度依存性がグラフとして示されています。

 図をみて分かるのは保温材の熱伝導度が強い温度依存性を示すこと、そしてその値が室温付近で0.1 Wm-1K-1 以下だと言うことです。

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2025.03.14

電気ポットとプラスチックの比熱について(江頭教授)

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 またまた電気ポットのお話を。新しく研究室のために購入した電気ポット、取扱説明書に加熱に必要な時間、冷えてゆく時間のデータがあったので、それを利用して電気ポットの熱的な特性を定量化した、というお話しの続きです。

 いろいろな解析によって電気ポット本体(水を除いた部分)の見かけの比熱について「2.17 J/(℃g) 」で「水の約半分」という結論を得たので、この電気ポットの材料が何かを予想してみよう、というのが前回の記事。こちらの記事で紹介した化学資料館で少し調べたところ、有力候補であった金属(アルミニウム、銅、鉄)の比熱(重量当り)は非常に小さく、とても「水の約半分」には及ばない、という結論でした。さて、今回は次なる有力候補であるプラスチックについて検討しましょう。

 前回同様化学資料館で「化学便覧 基礎編 改訂6版」を検索すると「表10.3-12 有機高分子物質の定圧比熱容量」に各種プラスチックの熱容量が記載されています。この表での熱容量の単位は「J K-1 g-1」でモル当りではありません。まあ、相手が高分子なので当たり前ですが。

 このデータによれば、多くのプラスチックの比熱はアルミニウムの値(0.90 J/(℃ g))より大きいか同じ程度。鉄や銅よりも大きな値となっています。とはいえ、水の比熱(4.179 J/(℃ g))はかなり大きい。その約半分である2 J/(℃ g) を超えるものだけをピックアップするとデータの数はぐっと減って以下の4種のみとなりました。

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2025.03.13

GPAのこと(江頭教授)

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 「GPA」と聞いてすぐ分かるひとは大学の「内部の事情に詳しい者」、要するに大学生と大学教員だけではないでしょうか。

 もったいぶるのは止めましょう。「GPA」、Grade Point Average は"Average"とある様に成績評価の平均値のことです。でも、本学の評価は「S・A・B・C・D・X」で行われています。アルファベットのままでは平均をとることはできませんよね。

 このため、GPAの計算ではSを4ポイントとし、Aは3、Bは2、Cは1という具合に点数を割り付けて、その平均値をとることとしています。単位が取得できないDやXは0ポイントです。

 下の写真は本学の学生便覧。GPAの定義式が書かれています。

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2025.03.12

「自己責任」のはなしと休学者ガイダンス(江頭教授)

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 大学の学部は4年制、大学院と一貫で3年半で終わる学生さんもいますが、基本的には4年間で卒業と決まっています。

 とはいえ、必ずしも全ての学生さんが予定通りに卒業できる訳ではありません。学業の途中で病気になる場合、経済的な問題で学業を続けられない場合もあるのです。そんな場合の一つの選択肢として休学という制度があります。一旦大学を休んで問題が解決するのを待って大学に戻ってくる。本日、そんな休学制度を利用している学生さん達が本学に復帰するためのガイダンスを行います。休学する学生さんの人数はそれほど多くはないので、このガイダンスは応用化学科だけではなく工学部で共通、学年も全学年共通で実施します。

 ガイダンスは学生生活にかかわる話、教務関係の確認、そして就職についての説明と多岐にわたりますが、不充分な部分についてはその後に予定されているアドバイザー教員との面談で、あるいは学務課やキャリアコーオプセンターなどで学生さん本人に問い合わせてもらいましょう。その際に気をつけて欲しいこと。それが表題の「自己責任」の話です。

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2025.03.11

地震と夏みかん(江頭教授)

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 今日は3月11日。「3.11」の東日本大震災から14年の月日が経ったことになります。今回は以前に書いた「3.11」についての記事を再掲しましょう。


 3月11日、いわゆる「3.11」は東日本大震災が起こった日です。あれから8年が過ぎましたが、今でもこの日には地震に関連したいろいろな話題がでてきますね。

 さて、この地震について私の個人的な記憶を書いてみよう、というのが今回の趣旨です。

 2011年3月11日、まだ東京工科大学の工学部も応用化学科も設立されていない頃です。私は大阪大学の基礎工学部というところに所属していて豊中市のキャンパスにいました。地震か起こったちょうどその時間、卒業間近の学生さんと論文の修正について打合せをしていた。地面の揺れを感じて、はじめは大きな地震ではないな、と感じたのですがいつまで経っても振動が止まらない。やたらに長い時間揺れ続けていた記憶があります。(地震からかなり後になりますが、東日本大震災の地震の震動の広がりをグラフィカルに示した動画を見たのですが、震源地よりはなれた地域の方が長く揺れが続いていたようです。)

 これは大きな地震がどこかであったのかも知れない。そう考えて東京の実家に電話をかけたのですが、これが普通に通じました。

大きな地震があって夏みかんが木から落ちた

これが実家からの情報です。うーん、一番大きな事件が「夏みかんの落下」であるとすれば、要する両親ともに無事だ、という事だね。Natsudaidai

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2025.03.10

電気ポットと材料の比熱について(江頭教授)

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 またまた電気ポットのお話を。新しく研究室のために購入した電気ポット、取扱説明書に加熱に必要な時間、冷えてゆく時間のデータがあったので、それを利用して電気ポットの熱的な特性を定量化した、というお話しの続きです。

 最新の記事(こちら)では、電気ポット本体(水を除いた部分)の見かけの比熱について「2.17 J/(℃g) 」で「水の約半分」という結論になりました。

 では、この(見かけの)比熱から、この電気ポットの材料が何かを予想してみよう、というのが今回の趣旨です。こちらの記事で紹介した化学資料館で少し調べてみましょう。

 まずは金属について。「化学便覧 基礎編 改訂6版」の第10章「表10.3-5 低温における単体の定圧モル熱容量」からデータを拾ってみましょう。

 アルミニウムの298.15 K (25℃)での熱容量は 24.35 J K-1 mol-1

 銅の25℃での熱容量は 24.43 J K-1 mol-1

 鉄の25℃での熱容量は 25.0 J K-1 mol-1

となっています。水の比熱についての情報は別表(表10.3-9 101 325 Paにおける水の定圧比熱容量)に精度の高い数値が載っていて

 水の25℃での熱容量は 4.1793 J K-1 g-1

だそうです。

熱容量が「水の約半分」なんてとんでもない。金属の熱容量は凄く大きいから電気ポットにはほとんど金属は使われていないのだろう。

などと言うと大きな間違いです。よく見てください。単位が違っていますよ!

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2025.03.07

点字の思い出(江頭教授)

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 昨日の記事で点字ブロック、改め点状ブロックについて書いたのですが、そう言えば「点字」は皆さん、ご存じなんでしょうか?

 そう思って研究室に居る学生さんに聞いてみるとみんな「点字」については多少の知識があるようでした。

「国語の授業で一回だけ。」

「道徳の授業で知りました。」

「僕はゲームに出てきたのが印象に残っています。」

なるほど、今の若い人たちにはよく知られているのですね。

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2025.03.06

点字ブロック?点状ブロック?(江頭教授)

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 ホームで電車を待っていたときのことです。アナウンスをなんとなく聞いていると

...黄色い点状ブロックの内側で...

という台詞が

あれ、白線の内側じゃないの?それに、点状ブロックって、点字ブロックじゃないの?

そう思って足下を見ると確かに「白線」はありません。でも、これって点字ブロックだと思うのですが、最近は呼び名が替わったのでしょうか。

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2025.03.05

こんどこそ、雪の八王子キャンパス(江頭教授)

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 昨日(2025/03/04)の記事ではこの冬初めての八王子キャンパスの雪景色、を紹介したかったのですが今ひとつ不甲斐ない降雪でした。でも午後になると下の写真のようにまた雪が降り始めました。聞けば夜通し雪が予報らしく、今度こそは立派な雪景色を見せてくれると期待です。(いや、大学の授業や試験が終わって雪のデメリットを気にしなくて良くなったのです。)

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 さて、明けて3月5日ですが……。雪は途中で雨に変わったのでしょうか。今はその雨も止んでいて、雪はあまり積もっていないようです。八王子キャンパス正門の様子がこちら。この写真だけをみると雪がたくさん残っている様に見えますが、足下はもうみぞれ状の雪が所々にある状態です。

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2025.03.04

これが初雪?八王子キャンパス(江頭教授)

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 この冬は大雪が降った、というニュースを何回も聞いているのですが、はて、今ひとつ実感がない。それもそのはず、東京は八王子にある我らが東京工科大学八王子キャンパスには今年は、というかこの冬はまったく雪が降っていないのです。

 それはそれでありがたい話なのですが、期末試験や入学試験など、雪がふると困る大きなイベントも終了し、ほっと一息ついてみると雪が降らない冬というのも味気ない、などと勝手なことを思うようになります。

 そんな時、昨日(2025/03/03)には久方ぶりの雪が降りました。これは積もるのだろうか、などと言っているうちに雨に変わってしまったのですが……。明けて本日(2025/03/04)の朝、果たして八王子キャンパスに雪は残っているのでしょうか。

 1枚目の写真は八王子キャンパス正門前。枯れた芝生の上にうっすらと雪が残っていますね。

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2025.03.03

「化学書資料館」のこと(江頭教授)

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 化学の勉強をしている高校生の皆さんはいろいろな計算問題を解いたことがあると思います。化学の計算問題には元素や化合物のいろいろな性質を表す数字が与えられていて、それを使って問題を解いていきますよね。

 問題で使われる数字は全くでたらめというわけにはゆきません。例えば「He 1molは何gか?ただし、Heの原子量を1とする」などという問題は算数としては「1g」という答えが与えられるのでしょうが、化学の問題としては不適切です。試験の問題で与えられる数値のうち、元素や化合物の性質を表す数値(先の問題でいえばHeの原子量)には適切な数値を用いる必要があります。

 では、化学の問題が「He 1molは何gか?ただし、Heの原子量は各自調べること。」となっていたらどうすれば良いのでしょうか?もちろん、自分勝手に「Heの原子量を1とする」などと決めることは許されませんから、正しい数値を探してくる必要があります。原子量の場合、話は簡単で教科書で周期律表をみれば4.0という数値を見つけることができるでしょう。ではもっとマイナーな性質の数値はどうでしょうか。たとえば、「物質が水にとけるときの溶解熱」など、硫酸など代表的な物質を除いて、なかなか見つけるのが難しいのではないかと思います。

 そんなときに役立つのが「化学便覧」に代表される化学に関するハンドブックです。

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