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再びNHK 藤子・F・不二雄SF短編ドラマ「定年退食」について(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 たまたまレコーダーのハードディスクの中にNHKのドラマ版「定年退食」を見つけたので久々に見てみました。これ、2023年の4月ごろの放送なのでもう2年も前の作品なのですね。「定年退食」についてはそのときにこちらこちらの記事で触れています。その元になった漫画版についてはこちらの記事で紹介しました。

 ということで「定年退食」については大体言いたいことは言い尽くした感があるのですが、そこで思い出したのがそのときの記事に書いた以下の部分

ではこの「定年退食」の内容をChatGPTにまとめてもらいましょう。

「定年退食」は藤子・F・不二雄氏の描くハートウォーミングな漫画作品です。主人公は定年退職を迎えたサラリーマンで、突然訪れた時間の余裕に戸惑いながらも、家族との絆を再発見し、新たな人生の価値を見つけ出す物語です。退職後の日常を通じて、人生の第二章を楽しく生きる方法や家族との関係の大切さを伝える作品です。

いやいや、ちゃんと読んでくださいよ。「退職」じゃなくて「退食」ですよね。

おっと、これ以上はネタバレになりますね。いや、「定年退食」の「退食」は「退職」の誤記ではなくて重要な意味があるのですが、当時(2年前)のChatGPTにはその違いが理解できていなかった、と言いたいのです。では今のChatGPTはどうなのでしょうか?

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(後半には「定年退食」の内容についてのネタバレがあります。)

今回(2025/04/20)のChatGPTの回答から引用しましょう。

■ 主なテーマと風刺
高齢者社会と社会保障制度の限界

個人の尊厳と国家による生死の管理

家族関係の変化と老後の孤独

“合理的”で“無慈悲”な未来像

なるほど、私の考えと完全には一致しませんが、これはこれであり得る意見です。さすがAIの進歩はすさまじい。これならいろいろな面で実用に耐えうるのでは……と、思いきや。

■ 概要
作品名:定年退食

作者:藤子不二雄A(※藤子不二雄はかつてのコンビ名で、後に藤子・F・不二雄(藤本弘)と藤子不二雄A(安孫子素雄)に分かれました)

発表時期:1980年代(正確な掲載年は文献によって異なるが、初出は「ビッグコミック」系の雑誌)

収録書籍:『藤子不二雄異色短編集』の一冊に収録

いや、あのー。「定年退食」の著者は藤子・F・不二雄氏なんですが。プロンプトに

藤子不二雄氏の「定年退食」について教えてください。

と入れて「F」と明記しなかったのがいけなかったのかも。しかし

■ 評価と意義
「笑ゥせぇるすまん」などと同様に、日常の中の狂気や恐怖をブラックユーモアで描く藤子不二雄Aの真骨頂とされる作品です。

などと、どや顔でデタラメを言ってくる。今や、藤子・F・不二雄氏のSF(すこし不思議)短編より現実の方がSFっぽくなっていますね。

 

江頭 靖幸

 

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