「パンデミックで人類滅亡」はあり得るか その2 (江頭教授)
| 固定リンク 投稿者: tut_staff
前回の記事ではCOVID-19の前に存在したコロナウイルスによる伝染病、SARSについて紹介しました。2002年に中国から発生したSERSは32の国や地域に広がったのですが、その後の対策が功を奏して2003年7月には終息しています。
つまりSERSのコロナウイルス、SARS-CoVは自然界から消滅してしまったのです。それに対してコロナ禍でのコロナウイルス、COVID-19は自然界に存在する人間の病原体の新たなメンバーとして定着してしまいました。私達はコロナ禍を「克服した」と思っていますが、実のところ負けたのは人類の方かも知れません。
とはいえ、コロナ禍が始まった頃、例えば2019年の武漢でのCOVID-19と現在我々が共存せざるを得なくなっているコロナウイルスとはかなりの違いがあります。前回の記事にも書いたとおり今のCOVID-19は感染性こそ高くなっているものの、その致死性はかなり少なくなっている。なので今の私達は
コロナに罹ってもあまり気にしない
ですし
他の誰かが罹った場合でも、心配はしても「亡くなるかもしれない」などとはまず考えない
のです。
今頃こんな話をしても説得力がないのを承知で言いますが、このような変化は以前から予想されていました。
ものすごく強力が病原体が発生したら人類が滅亡してしまうのではないか。そんな恐ろしいSF的なストーリーは以前から存在し、子供の頃の私はそんな考えたにとりつかれてひどく怖がっていたことがあるのです。そのとき周りの大人(たぶん兄だと思います)から聞いた説明は以下の様なものでした。
致死性がものすごく高い病原体が突然変異で発生したとしても、その病気に感染した人間はすぐに死んでしまうので、他の人間に病気をうつすような活動はできない。だから致死性が高い病原体は感染力が低く、感染力の高い病原体は致死性が低い。つまり感染力も致死性も高い病原体は存在できないのだ。
なるほどそうか。そう思った私は一安心したのでした。もっとも組み合わせ的には致死性も感染力も低い病原体があるはずですが……、まあそれはどうでも良いでしょう。
さて、実際2019年に始まったコロナ禍の経過を思い出してみるとこの説明にかなり近いことが起こっていたようです。最初は致死性も感染性も高いと考えられていたCOVID-19ですが、より感染性の高い株が次々と登場すると同時に、その致死性も低下していったように見えます。(もっとも治療法の確立やワクチンの存在などの効果も死亡率の低下には重要だったとも思いますが。)
こう考えると、COVID-19のパンデミックが最後のパンデミックではないとしても、今後起こるパンデミックの影響には自ずと限界がある様に思えて、私はまた一安心するのです。
「日記 コラム つぶやき」カテゴリの記事
- 英文字略称(片桐教授)(2019.03.13)
- 地震と夏みかん(江頭教授)(2019.03.11)
- 追いコンのシーズンはご用心(片桐教授)(2019.03.07)
- Don't trust over 40℃!(江頭教授) (2019.03.06)
- 「加温」の意味は「温度を加える」?(西尾教授)(2019.03.04)





