世界のエネルギー消費が減少するとき(江頭教授)
| 固定リンク 投稿者: tut_staff
今年もまたこの季節がやってきたなあ。
私は2年生向けの「サステイナブル工学基礎」という授業を担当しているのですが、その中でちょうど今ぐらいの時期にエネルギー需給に関する話をするのです。授業に際しては、説明に利用する統計データなどを毎年更新しています。その際、資源エネルギー庁が出している「エネルギーに関する年次報告」通称「エネルギー白書」はとても便利。
さて、そのデータの一つが下の図。「世界のエネルギー消費の推移(地域別、一次エネルギー消費)」です。
ご覧の通り、グラフがスタートする1965年以来、世界のエネルギー消費はほぼコンスタントに増加を続けています。これは日本のエネルギー消費のグラフとは大きく異なっています。日本のエネルギー消費はすでに2007年頃にピークを越え、今は減少に転じています。
とまあ、こんな話を授業で説明したのですが、ついでにこんな話も。
全体としては増加の傾向ですが、部分的にな例外もあります。例えば2020年は減少していますが、これは何が原因だか分かる人はいますか?
結構手が上がりました。これを読んでいる皆さんもお気づきかと思いますが、これは2019年から始まったコロナ禍の影響です。
なるほど、コロナ禍の影響は世界のエネルギー消費に影響するぐらい甚大だったのか。
それはそうでしょう。というか、あれだけの大事件があった割には変化が少ないのでは……
資源エネルギー庁のサイトでこのグラフの元データをみると
2019年 14,030
2020年 13,530
2021年 14,269
(単位は「100万石油換算トン」です)となっていて、単純に2019年と2021年の平均として2020年の「有るべき消費エネルギー」を求めると約14,150 となります。実際の値との差(つまりコロナ禍による減少)は620。これは全体の4%強といった程度です。
この数値を大きいとみるか小さいとみるかは人それぞれかと思います。とはいえ、世界のエネルギー消費量を削減しようと考えたとき、例えば4%の削減を目指すとすればどの程度の社会的な影響が生じるのか、という疑問に対して一つの目安を示してくれるデータだとは言えるでしょうね。
PS: この授業で私が驚いたのは、授業を受けている大学2年生諸君、コロナ禍の際にはまだ高校生ではなくて中学生だったということ。コロナ禍なんてついこないだじゃないか!
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