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「預金の利息が凄く増えた」とは言うものの(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 この記事を読んでいるあなたがもし高校生なら「学会」というものに興味があるかも知れませんね。「学会」には二つの意味があって、一つはいろいろなところから研究者が集まって成果を発表する「学会」。言うなれば「学術研究発表会」の略称でしょう。

 そしてもう一つの意味は研究者が集まった組織としての「学会」です。これは「○○学者同好会」ぐらいの意味でしょうか。同好会と言いましたが、「日本化学会」や「化学工学会」などはそれなりの規模のある「会」で法人格をもった組織です。他にももっと小規模な「学会」もたくさん有って、それぞれの分野でいろいろな活動をしています。その中には先の「学術研究発表会」としての「学会」の開催もあるのです。

 えっ、「学会」と表題の「預金の利息が凄く増えた」がどう関係しているかって?そうそう、その話ですね。

 実は先日、そんな「学会」(法人の方の意味です)の総会に出席したのですが、この「預金の利息が凄く増えた」というのはその総会の中の会計報告で出てきたセリフなのです。「数倍どころか100倍近く増えていまして……」えっ、そんなに儲かっているの?

 さて、これは当然と言えば当然の話です。日本の金利はいままでほとんど0に近い値(「金利の単位は%ではなくてppmだ」というくらい」だったのですが以下の図(日本銀行の「時系列統計データ検索サイト」より)の様に昨年(正確には一昨年)から徐々に上がってきているのです。

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 いままで預金の利息は数十円程度で会計報告では説明していなかったそうです。それが今年は、と言うわけで先ほどのセリフにつながるのですね。

 しかし、まあ、利子の金額自体は1万円以下の金額です。 昔の金利が低すぎたので「もの凄く増えた」ように見えますが、普通預金の金利はまだ1%にも満たない値です。学会が預金金利で運営できるようになる、というのは夢のまた夢ですね。

 

江頭 靖幸

 

 

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