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2025年6月

2025.06.30

学長賞授賞式(江頭教授)

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 明治から戦前の日本を舞台にした小説やドラマで「あの人は金時計だ」とか「さすが帝国大学の銀時計組だ」などといった表現をみることがあります。(最近は少ないかも。)

 さて、この金時計・銀時計というのは帝国大学(今の東京大学です。昔は大学と言えばここしかありませんでした)が首席、つまり成績最上位の学生に銀時計(金時計じゃないんですね)を記念品として贈った、ということから来ています。つまり金時計・銀時計は成績優秀者の証し、という訳ですね。

 金時計や銀時計、今なら腕時計を想像するところですがこれは「懐中時計」というタイプでした。なんでそんなものを?時計は昔は高価な精密機械の代表でした。水晶振動子が大量生産されて以来、正確で安価な時計が世の中に溢れている現状では想像し難いかも知れませんが、今で考えれば「電気自動車をもらう」位の感覚だったのではないでしょうか。

 さて、金時計・銀時計は成績優秀者を讃えるための制度であり、同時に学生に首席をめざして努力することを促す仕組みでもあります。今では懐中時計を渡すところはないでしょうが、いろいろな大学が類似の表彰制度を持っていて、東京工科大学にも同様な制度があります。

 それが学長賞です。

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2025.06.27

人間に必要なエネルギー(カロリー)はどれくらいか(江頭教授)

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 最近、人間とエネルギーについていろいろと書いているこのブログ(前回前々回など)。今回は趣向を変えて、エネルギーはエネルギーでも生き物としての人間が必要なエネルギー、つまり食事から採るカロリーについて考えてみましょう。

 人間がどのくらいのカロリーを必要としてるか。これについては厚生労働省から日本人の食事摂取基準についての資料が発表されています(「日本人の食事摂取基準(2025年版)の報告書」など)。

 この食事摂取基準はなかなか詳細な資料で必要カロリーも「1人あたり○○カロリー」などという大雑把なまとめ方はされていません。必要なカロリーは、まず男女で違う。年齢によっても違います。さらに生活中で体を動かす度合い(身体活動レベル)によって3グループに分けて、それぞれに必要カロリーを計算しているのです。

 ちなみに、私(江頭)の必要カロリー量は 2100kcal となります。運動量が少ないので小さめ、とも言えますが男なので大きめな値と言っても良いでしょう。

 さて、必要カロリー量の平均値をどのように求めるべきでしょうか。いろいろ考えられますが、ここでは思い切ってキリの良い値と言うことで、1人1日当たりの必要なエネルギーを 2000kcal としてみましょう。

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2025.06.26

人間に必要なエネルギーはどのぐらいか(江頭教授)

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 前回は「人間にはどのぐらいのエネルギーが必要か(江頭教授)」と題して、現在の日本人が1人平均でどのぐらいのエネルギーを消費しているか、調べてみました。結果は

 一次エネルギー供給で毎年 150GJ、 エネルギー消費では 100GJ

というものでした。エネルギー変換でのロスを考えると実際に利用されるエネルギーの消費は一次エネルギーの供給よりすくなくなるのでしたね。

 さて、この年間 100GJ とか 150GJ といった値、一体どの程度の値なのか簡単にはイメージできないのではないでしょうか。今回はなるべくイメージできる形でこのエネルギーの量を表現してみたいと思います。

 まず、エネルギーが全て電力だと考えてみましょう。1年間は 365×24×60×60 = 3.15×107秒ですから、100GJ=100×109Jをこれで割り算して

100×109J/3.15×107s = 3.17×103W

となります。電力として考えると約 3kW となります。100Wの電球30個を付けっぱなしにする、というイメージですね。(LED電球が普及してきたので、この表現もそのうち通じなくなるのでしょうか。)

 こんどは、エネルギーが全てガソリンだったとしたらどうでしょうか。ガソリンの発熱量を33.37MJ/L とすると(この値は2013年以降の統計で用いられている値を「エネルギー源別標準発熱量一覧表」から引用しました)、

100×109J/33.37×106(J/L) = 3.00×103L

となります。年間ガソリン3kLです。一日当たり 8.2L。燃費12km/Lの車なら毎日100km走る計算です。

 さて、エネルギー源別に最終エネルギー消費に占める割合が総合エネルギー統計に示されています(下図)。

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2025.06.25

人間にはどのぐらいのエネルギーが必要か(江頭教授)

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 先進国の豊かな生活を続けるためには充分なエネルギーの供給が必要だが、エネルギー資源が枯渇すれば生活水準を落とす必要がある。サステイナブル工学の役割は、技術の力で生活水準を持続できるようにすることである。これは昨日の記事でも述べたことです。

 では豊かな生活を維持するにはどのぐらいのエネルギーが必要なのでしょうか。一人の人間が必要とするエネルギーはどのくらいなのか、これにはいろいろな見方があると思いますが、今の日本人の生活が豊かな生活を代表していると考えて、日本人が一人当たりに使っているエネルギーを「人間が必要とするエネルギー」の指標だ、と考える事もできると思います。前回同様「総合エネルギー統計」をみると、下図のようなグラフが載っていました。

 2005年以降、一人当たりのエネルギーは減少傾向にあり、直近2023年度のデータは 140.7GJ/人 となっています。

 日本の人口は約1億2千万人だから 140 倍すると 約170億。日本全体では 170億GJか。PJ(ペタジュール)はGJ(ギガジュール)の千倍の千倍、つまり6桁上だから170億GJは17,000PJ くらいになるはずだが...。あれ、前回のグラフだと 11,515PJ となっているんだが?

 気がついた人もいたと思うのですが、今回の記事ではエネルギーということばをかなり曖昧に使っています。下図のエネルギーは「一次エネルギー国内供給」とありますが、昨日の記事のグラフで示されているのは「最終エネルギー消費」。両者は異なるものなのです。

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2025.06.24

エネルギーの限界と成長の限界(江頭教授)

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 産業革命以来の科学技術の発達によって、先進国に暮らす人々、例えば私たち現在の日本に生きる人間は豊かな生活を享受してます。具体的には、充分な量の食料が供給され、多種多様な衣服が提供され、快適な居住環境が整備されています。それに加えて娯楽から学修まで多種多様な情報源に接することも容易ですし、伝染病や災害の制御によって長い寿命を生きることが期待できるのです。


 この科学技術の成果を全肯定するのがサステイナブル工学の前提であり、その一方で、このような豊かな生活は現状のままでは維持できず、持続可能なものに根底的に変革されるべきだ、というのがサステイナブル工学の理念です。


 では、なぜ現在の科学技術文明は持続不可能だ、と考えるのでしょうか。その理由は一つではありませんが、大きな、おそらく最大の理由の一つはエネルギー資源の有限性だと私は考えています。


 現在の文明は石油に浮かぶ楼閣であるが、石油資源には限りがある。いつか石油を掘り尽くして持続不可能な状態に陥る、これが一番素朴なエネルギー資源の有限性への認識でした。やがて、石油の枯渇が温室効果ガスによる気候変動に置き換えられ、化石資源はあっても使えないもの、大気中のCO2の限界によって制限されるもと、という認識が一般化しました。いずれにして、エネルギーの限界こそが成長の限界である、すくなくとも最初に訪れる限界である、という認識に変化はないでしょう。


 では、有限のエネルギー資源、という意識はいつ頃できあがったものなのでしょうか。


 まずは下の図を見てください。これは資源エネルギー庁の「総合エネルギー統計」から引用した日本の最終消費エネルギーの経年変化です。


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2025.06.23

西か東か、オーストラリア(江頭教授)

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 先日のオープンキャンパス、自分の西オーストラリアでの植林についての研究を見学に来た学生さん達に紹介しながら、ふと思いついて聞いてみました。「オーストラリアって、日本の西にあると思う?それとも東だろうか?」

 まずオーストラリは日本の南。ずっと南で赤道よりも南だ、ということは皆さんご存じですよね。例えば私が研究サイト入りするときに経由する西オーストラリア州の州都、パースは南緯31度57分、東京が北緯35度41分なので赤道を挟んでオーストラリアと日本は真逆の位置にあるわけです。当然季節は完全に逆転していて、夏場の出張はともかく、冬場に調査を実施すると帰国後に必ず風邪を引くメンバーがいる、という具合です。

 ということでオーストラリは日本の南なのですが、オーストラリが日本の西か東か、これは意外と皆さん分からない様子です。

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2025.06.20

「アセスメント」って何だ?(江頭教授)

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 皆さん、アセスメント、という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これを読んでいるあなたが高校生や大学生なら聞いたことがある、という人が多いのではないかと思います。でも私が高校生のころには全く聞いたことがありませんでした。いや、別に「俺も昔はワルでねぇ...」なんて話をしたいわけではありません。私が高校生の頃にはなかった言葉だと言いたいのです。

 アセスメントの由来は英語の Assessment ですが、辞書を調べると「評価」と出ています。こちらはもちろんずっと昔から存在した言葉なのですが、これがカタカナの「アセスメント」になったのはおそらく「環境アセスメント」という言葉の一部として広く用いられる様になったからだと考えられます。「環境アセスメント」とは東京都環境局の説明を引用すれば

環境アセスメント(環境影響評価)とは、大規模な開発事業などを実施する際に、事業者が、あらかじめその事業が環境に与える影響を予測・評価し、その内容について、住民や関係自治体などの意見を聴くとともに専門的立場からその内容を審査することにより、事業の実施において適正な環境配慮がなされるようにするための一連の手続きをいいます。

となります。

 ここでのアセスメントは確かに「評価」なのですが、単に目的に対する評価にとどまらず住民など他の利害関係者に対する影響まで含めた評価だ、という意味まで含んでいるのでしょう。そう考えると「環境評価」では不十分。「環境影響評価」としてもまだニュアンスを伝えきれないので「環境アセスメント」という言葉が使われたのでしょう。

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2025.06.19

私が考える「サステイナブル工学」(江頭教授)

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「サステイナブル工学」。本学工学部の一つの特徴として打ち出しているコンセプトではありますが、「サステイナブル工学」は概念としては多くの人が考えているものの、「これがサステイナブル工学だ」という具体的な内容は定まっていないと思います。そこで今回のお題は私の考える「サステイナブル工学」ということにしましょう。

 さて、「サステイナブル工学」を考える前に今までの工学、というか現時点での工学とはどんなものかを考えて見ましょう。工学の誕生は産業革命と相前後していて、産業社会の進歩と同期して工学も進歩してゆきました。この産業と工学の進歩の成果は人々を豊かにするという点で疑いようもないほどに明白な成果を挙げています。多少の問題はあるとしても、この進歩の成果を全肯定することがサステイナブル工学の大前提だと私は考えています。

 この素晴らしい産業と工学ですが、このままでは環境破壊や資源・エネルギーの枯渇を招くことが分ってきました。このまま継続することはできない。つまり、現状の産業と工学はサステイナブルではないことが分かった。これは1970年代にはすでに広く知られる様になっていた考えです。

 ではどうすれば良いか。一つの考え方は環境破壊や資源・エネルギーの枯渇を防ぐために産業と工学の発展を抑制し、さらには後退させようという考えです。このような考えは私は絶対に認められません。そこが私の考える「サステイナブル工学」のポイントです。

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 環境破壊や資源・エネルギーの枯渇のためいままでの工学はサステイナブルでは無い、ならば進歩を抑制し時代を遡らせるのか?

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2025.06.18

大学教員の「便所サンダル」は定番か?(江頭教授)

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 もうずいぶん前の事ですがNHKの朝の連続テレビ小説で「ひらり」というドラマをやっていました。(今wikipediaで調べたところ1992年秋から1993年春までの半年の放送だったそうです。)その中に「便所サンダル」というあだ名を付けられる登場人物が出てきました。

 別に陰湿ないじめの被害者、というわけではありません。「ひらり」というドラマは相撲部屋に関わる人々を中心としたドラマなのですが、その相撲部屋の近くの診療所の医師が「便所サンダル」と呼ばれるのです。その理由は、診療所でいつも「便所サンダル」の様な履き物を履いているから。

 さて、なんでこの「便所サンダル」先生のことをよく覚えているか、というと私自身も当時「便所サンダル」を履いていたからです。(いや、別に「便所サンダル」を買ってきた訳ではありません。たしか「健康サンダル」と呼ばれていたような。)大学の助手(いまなら助教ですね)になったころですが、その前の大学院生のころから大学ではいつも「健康サンダル」を履いていました。

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2025.06.17

「100点以外は0点とおなじ」という厳しい基準(江頭教授)

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 研究室での学生さんとの会話です

どう、巧くいってる?

いや、ダメですね。この電圧変換モジュールの5V側は正常に動いているのですが3.3V側の電圧がおかしくて……

えっと、これってどうつながっているの?ここがGNDで……

あっ、この部分の配線、抜けていました!

ということで配線を刺し直したらすぐに正常に動作。これはこれで良いのですが、この会話から「複数の要素が組み合わされた装置を動かす」というのは学生さんにとっては意外に大変に感じられるのかも知れない、と思い至りました。

「複数の要素が組み合わされた装置」というものはどこかに一つでも不具合があるとすぐに動かなくなります。(いえ、動かなくなること自体はありがたい。これがもし中途半端に動いておかしなデータを出したら、そしてそのデータを信じ込んでしまったら目も当てられないことになりますからね。)

 当たり前といえば当たり前なのですが、大学以前の、というか大学でも3年生までの教育ではこのタイプの「もの」に出会う機会は意外と少ないのではないでしょうか。だって「一つでも不具合があるとすぐに動かなくなる」ということは、テストで例えれば「100点以外は0点とおなじ」という評価に等しいのです。

 この世に100点以外とったことの無い人など居るでしょうか。いや、居ない(反語)

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2025.06.16

オープンキャンパスを実施しました。(江頭教授)

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 昨日、6月15日の日曜日、今年度最初のオープンキャパスを実施しました。おっと、正確には2026年入学の皆さんを対象としたオープンキャンパスは3月にもありましたから、そういう意味では2回目ですね。(んっ、このネタは先週も使いましたね。)

 さて、今回のオープンキャンパス、夜のうちに雨も止んで天気も何とか持つのか、と思ったのですが昼過ぎにはやや強い雨もありました。天気に恵まれないと言うべきか、あるいは猛暑に襲われずにありがたいと言うべきか。例年、オープンキャンパスでは熱中症に注意が必要なほどの暑さになることが多いのですが今回はまだ6月。さすがにその点は大丈夫でしたね。

 オープンキャンパスの一日、我々応用化学科がある片柳研究棟という建物の前には朝早々に看板が用意されていました。

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そして開始の10時を待たずして以下の様に次々と来訪者の方々が受付をされています。

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 以前はここから学科紹介のために教室に異動してもらっていたのですが、今回は応用化学科の見学を希望される皆さんには直接7階の学生実験室にすすんでいただきました。

 

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2025.06.13

組み込み型電池と二つの時定数(江頭教授)

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 先日、大学での会議に出席したのですが、ノートPCを取り出してコンセントにつなぐ、という一連の動作を何の疑問もなく普通にやっていることにふと気が付きました。

 大学の会議資料は共有ドライブ上にあって、ノートPCをつかって閲覧するのですが「そう言えば昔は紙の資料を配っていたものだなあ」などと思い出しました。これが「ノートPCを取り出して」までの話。

 そしてこの後に「コンセントにつなぐ」のですが、そこでもう一つ思い出しました。「そう言えば昔は電池が取り外し可能なノートPCを使っていたものだなあ。」

 いや、昔はノートパソコンに限らず、携帯情報機器の電池は取り外しと交換が可能なものが多かったのでは。

 ぱっと思い出すところで携帯カセットプレイヤー、えーっと有名どころではソニーの WALKMAN です。(ワークマンじゃないよ!)WALKMAN には写真の様な専用のニッケルカドミウム電池、通称ガム電池が使われていました。アダプターをコンセントにつないでガム電池を充電。電池を入れると WALKMAN が使える様になります。

 これはとても便利で、予備の電池を買っておけば出先で電池切れになっても充電済みのものと交換すれば大丈夫、という使い方ができたのです。では、こんなに便利なガム電池、なんで今は使われなくなってしまったのでしょうか。

 えっと、まず確認しましょう。今話をしているのは携帯「カセット」プレイヤーです。カセット、つまりカセットテープが記憶媒体です。テープのリールを機械的に回転させてテープを動かして磁気的に記録された音声データを読み取るのです。必要とされる電力は必然的に大きいので電池の持ちが悪い。もし内蔵蓄電池を使っていたとすると、出先で電池切れになって後は帰って充電するまで使い物にならない、という事態が頻発したと思われます。電池交換ができる、というのは便利な機能と言うより、出先で使う事を考えると必要な機能だったのでしょう。

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2025.06.12

ガソリン車は電気自動車はよりクリーンではないのか(江頭教授)

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 前回に引き続いて電気自動車とガソリン車の比較です。「クリーン」の解釈は今回も温暖化に注目して、「ガソリン車 は電気自動車よりCO2排出量が多いか」とします。前回は「化石燃料をエネルギー源とした場合」としましたが、今回はこの制限を取り払って考えてみましょう。

 電気自動車は走行時にはCO2を排出しませんが、これに対してガソリン車は走行時にCO2を排出します。走行時だけをみればガソリン車は電気自動車はよりクリーンではないのですが、システムをトータルでみると、あるいはライフサイクル思考を前提とすると、これだけでは判断できないことがわかります。

 極端な比較としてガソリン車をバイオマス由来の燃料で、電気自動車を化石資源由来の電気で動かしたとするとガソリン車から排出されるCO2はバイオマス成長時に吸収されたCO2とつり合う(オフセットされる)ので、ガソリン車がCO2フリー、一方で電気自動車がCO2を排出する、という状況も考えられます。

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2025.06.11

電気自動車はガソリン車よりクリーンなのか(江頭教授)

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 まずは前回と同様、「電気自動車はガソリン車よりクリーンなのか」と問うなら、まずクリーンとはどういうことかを明らかにする必要がありますよね。クリーンということが窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)を出さない、ということなら「YES」ですが、今回は温暖化に注目して、「電気自動車はガソリン車よりCO2排出量が少ないか」と言い換えることにしましょう。これでも問いとしてはあいまいなので、もっと限定的に「化石燃料をエネルギー源とした場合」とします。要するに石油を出発点として自動車が走るという結果を得るとして、自動車と電気自動車のどちらが効率的なシステムなのか、という問いに言い換えることができるでしょう。

 いつものことですが答えは「ケースバイケースです」となりますが、まずは現在のガソリン自動車のシステムとくらべて電気自動車のシステムのどこにメリットがあるのか、と考えてみたいと思います。

 ガソリン車の基本部品はエンジンで、ガソリンが燃焼するときに放出されるエネルギーを直接運動に変えています。つまり、

化学エネルギー → 運動エネルギー

の1段階の変換システムです。

 一方、電気自動車の基本部品はモーターで電気を運動に変える。化石燃料がエネルギー源だとすると電気自動車は化石燃料から電力へ変換する発電所ももう一つの必須要素だといえます。そう考えると、

化学エネルギー → 電気エネルギー → 運動エネルギー

となり、電気自動車は2段階のエネルギー変換を必要とするシステムです。より正確にはバッテリーでのエネルギー変換も考えて、

化学エネルギー → 電気エネルギー → 化学エネルギー → 電気エネルギー → 運動エネルギー

という充電と放電を加えた4段階のシステムというべきかもしれません。

 一般的にはエネルギーの変換にはロスがつきものですから、変換の段階の数を少ない方が効率的なシステムになると期待できます。そう考えるとガソリン車の方が効率的で結果としてクリーン、ということになりそうです。

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2025.06.10

電気自動車はクリーンなのか(江頭教授)

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 われわれ応用化学科が所属する本学工学部は「サステイナブル工学」の実施をコンセプトの一つとして開設されました。そしてサステイナブル工学の授業ではLCA(ライフサイクルアセスメント)の重要性について折について触れています。その際、よく例に出すのが今回のタイトル「電気自動車はクリーンなのか」という話題です。

 電気自動車はクリーンだ、というイメージを多くの人が持っている、と言ってもそれほど異論は出ないのではないでしょうか。とは言え、「電気自動車はクリーンなのか」と問うなら、まずクリーンとはどういうことかを明らかにする必要があります。

 走行時に窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)を排出しない、という意味でクリーンというならばこれは明白でしょう。ガソリン車やディーゼル車でこのような物質が発生するのは燃料に含まれる不純物や窒素と酸素が反応するほどの高温状態が存在するからであり、電気自動車にはそもそもそんなものはありません。排気ガスのにおいも気にする必要はありませんし、まして中毒になる危険もありません。この意味でなら「電気自動車はクリーンだ」といえると思います。

 では、グローバルな環境問題から考えて電気自動車はクリーンなのでしょうか。より具体的に言うなら、電気自動車からのCO2排出量はガソリン車より少ないのでしょうか。

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2025.06.09

6月15日(日)に最初のオープンキャンパスを実施します(江頭教授)

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 いや、前にも「最初のオープンキャンパス」をやるって書いてましたよね。

 確かに。でもあれ(3月23日)は「今年最初のオープンキャンパス」でした。今回ご紹介する6月15日(日)のオープンキャンパスは「今年度最初のオープンキャンパス」となります。とはいえ、どちらも対象は2026年入学の皆さんです。おっと、2026年度以降に入学予定の高校2年生、1年生の皆さんも是非ご参加を。

 昨年度と同様、本学の来場型のオープンキャンパスは「申込制」となっています。でも入退場は自由です。また同伴者の方のご予約は不要で当日に会場で受付をすればOKとなっています。

 今年度のオープンキャンパスはいろいろ新機軸を考えています。我々応用化学科としては、なるべく大学生活をイメージできるような体験をしてもらいたい。そのために今まで講義室を借りて行っていた学科説明を応用化学科の学生実験室の一つを利用して行う事にしました。エントランスで入場手続きをされた皆さんにはすぐに応用化学科の学生実験室に行ってもらう予定です。

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2025.06.06

今週で第一クォーター終了、来週から第二クォーターが始まります(江頭教授)

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 4月にスタートした新年度、従来の前期後期の学期制なら今頃は「前期も半分過ぎて折り返し点です」ということになるでしょう。実際、本学科の1、2年生にとってはその通り。気を引き締めて前期残りの期間を充実させましょう。

 ただ、応用化学科の3年前期の授業はクォーター制で行われています。クォーター制とは前期を第1期、第2期の二期に分けて行うもの。本来は1年を4期に分けて行うものですが、本学のクォーター制は前期後期制の一方の期を二つの分ける、やや変則的な制度です。(ハーフ・アンド・ダブルクォーター制とでもいうのでしょうか?)

 でも、なんでこんな制度に?

 これは本学工学部の教育の重点の一つ、コーオプ実習制度に対応したものです。すべての学生が企業で7週間の実習教育を受ける、というのがこの制度の要点ですが、では前期14週間の残りはどうしているのか?もちろん遊んでいる訳ではなく、授業を受けるのですが、こんどは授業期間は短くなってしまう、という問題があります。

 そこでクォータ制。1週間に受ける授業の科目数は少なくなりますが、一つの科目は原則週2回実施します。(一部2回より多い科目もあります。)半分の科目を倍のスピードですすめるのがクォータ制。そのため、本年度の第1期が本日(6月6日)で終了となったわけです。

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2025.06.05

授業でノートをとる、ということ(江頭教授)

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 本学の新学期が始まってから大体7週間。14週間単位の2学期制の授業だとそろそろ中間試験が行われる科目もあるようです。では、その準備としてはどんな勉強をすれば良いのでしょうか。小学校から高校までの授業では教科書がしっかり準備されていましたから、まずは教科書の試験範囲の部分をしっかりと読み返す、というのが第一でしょう。大学でも初年度の授業に多い基礎的な学科の授業では多くの場合教科書がしっかりと準備されていますから、同様な対応でOKですよね。

 とはえい、大学も学年が上がってくると教科書が指定されていない授業や、教科書の範囲を超えた内容を講義する科目も増えてきます。さてどうするのか。

 授業でノートをとる、昔はこれが普通の対応でした。だって授業の中で口頭で説明された内容、黒板に書かれた内容などは一瞬で消え去ってしまいます。教科書がなければ記録をとっておけるのは手書きのノートのみ。ノートを読み返して試験に備えるのですね。

 でも2025年現在、これはどうなのでしょうか。大抵の授業では講義資料のPDF版などを授業中にも、授業終了後にも参照することができます。だとすれば、今はもうノートを取る必要はないのでしょうか。

  

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2025.06.04

新しい教職員証は色違い、ではないのです(江頭教授)

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 自分の持っている教職員証に「有効期限」が記入されているということに気が付いたのは、実は新しい教職員証が配られることを聞いたときでした。本学に入職してすでに10年以上。有効期限切れもやむ得ない話ですね。

 で、新しい教職員証をもらったのですが、今度の教職員証は色違いで紫色なのか……いや、ちょっと待てよ。

 思い出したのですが、私は以前、教職員証をパスケースに入れて首にかけていました。最初はソフトビニール製のパスケースを使っていたのです。ところが、風が強い日に煽られて教職員証をなくす、という信じられないようなトラブル(幸い、教職員証はすぐに教務課にとどいていました)に見舞われて、ハードなプラスチック製のパスケースに変更しました。

 その後、問題なく使っていたのですが首にかけているパスケースを何となく外す様になって研究室内に置き忘れる、というトラブルに。何回かそんなことが続くので、今度は定期入れにいれて胸ポケットに入れて持ち歩くようになりました。

 そのとき久々にパスケースから教職員証を引き出してみたところ、透明でないパーツで隠れている部分だけ色が違っていたのです。

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2025.06.03

サステイナブル工学基礎 学内施設見学(2025年度)(江頭教授)

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 本学の工学部が掲げる「サステイナブル工学」、その最初の授業として本学2年生が履修している授業が「サステイナブル工学基礎」です。本年四月からは2024年度入学の第10期生が受講を始め、第10回目の講義が行われています。

 この「サステイナブル工学基礎」で行われるのが学内施設の見学。工学部三学科が代わる代わる学内のサステイナブル工学に関係の深い施設を見学します。6月2日には我々応用化学科の見学が行われました。この見学、コロナ禍の影響で2020年、21年と中止され、昨年22年に再開されました。ですから、授業は10回目ですが見学会は8回目となります。

 見学は、まず「スマートハウス実習棟」という専門学校の施設からスタート。太陽電池が乗っている建物です。太陽電池パネルの発電量は6kWだとか。その電力と、建物の断熱性を高めて冷暖房の必要エネルギーを削減すること、地中にたまった熱を熱源として用いることで消費エネルギー以上の暖房効果を実現すること、などいろいろな家庭向けエネルギー関連技術の設備があり、その運用や施工方法を学ぶ場所となっています。

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2025.06.02

授業に原稿はない!(江頭教授)

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 いや、中にはちゃんと授業の原稿を用意してそれを読み上げている先生もいるのかも知れません。とはいえ普通は、少なくとも私は、原稿なしで授業をやっています。一コマ100分の授業、下手をすると映画一本分の時間を原稿なしのアドリブでやるわけですが、それでも大した苦もなく毎年基本的には同じ話ができる。年によって話の流れが変わったりすることはありません。(時間が延びて尻切れトンボになることは、時にはあるのですが...。)これは別に私の特殊能力というわけではなくて、多くの教師が普通にやっていることです。

 でもよく考えるとこれはかなり不思議なことなのではないか。出所を失念してしまったのですが、このような能力についての研究を紹介した文章を読んだことを思い出しました。研究では琵琶法師が語る「平家物語」を題材として、琵琶法師が話す「平家物語」の内容をたくさん集めて比較検討した、というのです。たしかその結論は、

(1)琵琶法師の語る「平家物語」はその都度微妙に変化している。

(2)しかし、どの語りでも必ず一致している部分がいくつかあって、その部分は揺らぐことがない。

(3)琵琶法師はその一定している部分だけをハッキリと記憶していて、その間を無理のないようにつないでゆくことで長い物語をコンパクトに記憶していると考えられる。

というものでした。だとすれば、

(4)一定している部分が物語のキーポイント、クライマックスなどに相当しているのではないか。

と思うのですが、先の文章がここまで言っていたかどうか、ちょっと定かではありません。

 さて、なんでこんな話をしているか。実は学生さん達の発表練習を聞いていてこの話を思い出したのでした。

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