授業でノートをとる、ということ(江頭教授)
| 固定リンク 投稿者: tut_staff
本学の新学期が始まってから大体7週間。14週間単位の2学期制の授業だとそろそろ中間試験が行われる科目もあるようです。では、その準備としてはどんな勉強をすれば良いのでしょうか。小学校から高校までの授業では教科書がしっかり準備されていましたから、まずは教科書の試験範囲の部分をしっかりと読み返す、というのが第一でしょう。大学でも初年度の授業に多い基礎的な学科の授業では多くの場合教科書がしっかりと準備されていますから、同様な対応でOKですよね。
とはえい、大学も学年が上がってくると教科書が指定されていない授業や、教科書の範囲を超えた内容を講義する科目も増えてきます。さてどうするのか。
授業でノートをとる、昔はこれが普通の対応でした。だって授業の中で口頭で説明された内容、黒板に書かれた内容などは一瞬で消え去ってしまいます。教科書がなければ記録をとっておけるのは手書きのノートのみ。ノートを読み返して試験に備えるのですね。
でも2025年現在、これはどうなのでしょうか。大抵の授業では講義資料のPDF版などを授業中にも、授業終了後にも参照することができます。だとすれば、今はもうノートを取る必要はないのでしょうか。
いえいえ、授業のノートをとる、ということは今でもやはり重要だと思います。
授業の内容を教科書や配付資料(電子的なものを含む)で後から参照できるとしても、ノートの意味はそれだけではありません。普通、授業のノートをとる場合には授業の内容をそのまま全て記録するわけではありませんよね。先生の話から要点を抜き出してノートに記録しているはずです。
この「要点を抜き出して」という点が重要で、ノートを取るという作業には「授業のどこが重要かを考える」「重要な点をまとめる」という主体的な作業が含まれているのです。
そして、自分で要点をまとめて書いたノートであれば、それを読み返すことによって、その授業の要点以外の内容についてもよみがえってくるはずです。これは授業内容の形式的なまとめとか、他人がまとめてくれたノートなどには無い、自分が授業中に作ったノートだけのメリットなのです。
これを読んでいるあなたがもし学生さんなら、この点を意識して授業のノート作りに取り組んでほしいと思います。
PS:この記事を書こうと思って「いらすとや」で「ノート」と検索したのですが、出てくるのはノートPCのイラストばっかりで、いわゆる紙のノートが出てこないのです。探してゆけば出てくるのですが「ノート(文房具)」という扱い。なんなら「ノートルダム寺院」のイラストより後に出てくる始末。うーん、紙のノートって最近は需要がないのでしょうか。
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