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地球温暖化防止法?(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 地球温暖化防止法? あれっ、何か違いますよね。

 そうです、正しくは「地球温暖化対策推進法」ですね。今日のお題は日本の温暖化防止のための政策についてです。

 まず、「地球温暖化対策推進法」は日本の温暖化対策の基礎となる法律です。環境省のホームページにはこうあります。

温対法は平成10年、COP3での京都議定書の採択などを背景に、地球温暖化への対策を国・自治体・事業者・国民が一体となって取り組めるようにするため制定されました。
制定された当初は、政府における基本方針の策定、地方自治体における実行計画の策定などが主な制度の内容でしたが、京都議定書の締結やCOP16におけるカンクン合意などを背景に、地球温暖化対策本部の設置、温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度の制定など、合計7回の改正を経て現在の条文に至ります。

 さて、この法律で定められている国、地方公共団体、事業者、国民の責務ですが、こと温暖化ガスの排出抑制については、大ざっぱに言えば「各自自主的に努力しましょう。」ということに尽きています。国は調査研究や温室効果ガスの排出量のモニタリングに加え、自らが出す温室効果ガスの排出量抑制、さらに温暖化対策の基本計画をつくることで国全体での排出抑制につとめます。

 地方自治体も同様に自らが出す温室効果ガスの排出量抑制と地域の温暖化対策基本計画をつくることになります。ただし、その実現の方法は省エネの推進、再生可能エネルギーの導入の推進、普及啓発活動などです。温室効果ガスを削減した(あるいは削減しようとする)企業や市民に対するサポートであり、排出した人へのペナルティではありません。

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 たとえばシアン化合物を川に放出している業者がいたとします。排出量削減のための支援が得られる、というよりは改善命令がでて操業停止になるでしょう。これは「水質汚濁防止法」による規制の例ですが、「大気汚染防止法」でも同様の対応がとられます。

 つまり、「○○防止法」には排出した人への罰則が決められているのに対して、「地球温暖化対策推進法」には温室効果ガスを排出した人に対する罰則がありません。あくまでも「対策推進法」であって、「防止法」ではない、ということでしょうか。

 温室効果ガスの大部分が二酸化炭素であり、エネルギーを使う限り発生する、というかそれ以前に動物なら皆が二酸化炭素を発生させています。これにいちいち罰則を決めていてはきりがありません。とは言うものの「○○防止法」による規制は公害の封じ込めに役だってくれました。本気で温暖化対策を考えるのであれば「地球温暖化防止法」について議論しても良いのかも知れません。

 

江頭 靖幸

 

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