圧力の単位はなんでしょう?(江頭教授)
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圧力の単位はなんでしょう?そう聞かれたら今ならSIに準拠して「Pa」と答えるところですよね。でも他の単位もあります。たとえば「mmHg」とか。私はこれを「エムエムエッチジー」と呼んでいて、何か格好いいなあ、などと思っていたもです。でも正確には「ミリメーター水銀柱」(あるいは「ミリメートルエッチジー」)と読むそうです。
では、なんで圧力の単位が「mmHg」なのでしょうか?
これは片側を閉じて水銀を満たしたガラス管を水銀の満ちた容器の上に立てると760mm以上には登ってゆかない、というかガラス管内の液面が760mmまでは上昇する現象(いや実験結果か?)が起源になっています。
容器に満ちた水銀の液面は大気圧で押されていてその力で水銀は上昇する。でも760mmのところで水銀の重さと大気の圧力が釣り合い、そこでとまってしまうのです。大気圧と水銀の高さがバランスしているのでこの仕組みを応用して大気圧計をつくることもできます。そのとき、1気圧は760mmHgとなるわけですね。
ところで、このmmHgという単位は別名としてTorr(トール)という呼び方もあります。この語源はなんでしょうか?
図は仙台管区気象台の「気象測器の紹介」にある「気圧計の歴史」という記事から。水銀を用いた圧力計は現在では使用されていないそうです。
Torrの語源は実は人名なのです。Evangelista Torricelli(エヴァンジェリスタ・トリチェリ)という17世紀の人物で、この水銀柱の実験をした人物です。
Torrという単位が正式に認定されたのは1954年の国際度量衡総会だそうですが、これは当時の現状を追認したものでしょうから、この時期にはTorrという単位が常用されていたのだと思います。詳細は不明ですが、17世紀から20世紀のどこかの時点で1mmHgを1Torrと呼ぶ、という習慣ができたのでしょう。
Torricelli自身は別に「圧力の単位は私の名前にちなんでTorrとする」、などと言った訳ではないでしょうから、Torricelliの名前が圧力の単位に使われて、それが省略されてTorrになったのも自然発生的なものだと思われます。
N(ニュートン)とかK(ケルビン)とか、それこそ圧力のPa(パスカル)とか、人名にちなんだ単位の名称というものはいろいろあるのですが、このTorr(トール)の様に人名の略称というのは珍しいですね。
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