「ガラス細工」の学生実験のはなし(江頭教授)
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学生諸君にいろいろな実験を経験してもらいたい。それは教育、とくに化学に関する教育の仕事に従事している者なら必ず感じることではないでしょうか。前職でのことですが、この実験もあの実験も、と欲張っているときりが無いので、一度学生さんたちにどんな実験が印象にのこっているか意見を聞いてみよう、ということになりました。
で、結果堂々の一位は
ガラス細工
でした。
うーん、化学の実験っぽくないかなあ……。当時の私は少し拍子抜けしました。でも、今にして思うと化学が専門でない人から見ればガラス細工は装飾品として職人さんがつくるのが普通。それを自前でつくる(と言うほどのことができる人は少数派ですが)という実習は「さすがガラス器具を使う化学」というイメージで化学実験の本流に見えるのかもしれませんね。
ガラス管をガスバーナーで強熱すると炎がオレンジ色(これはガラス内のNaの炎色反応でしょう)に染まり、やがてガラス管自体も鈍い赤色の光を発するようになります。そのころには既に柔らかくなっていて曲げてL字管をつくったり、引き延ばしてキャピラリー(細管)を作ったりといろいろな加工ができるようになります。これはなかなか楽しい。そして炎から取り出して赤い光が消えたところで「もう冷えたかな」と思って迂闊に触ってやけどをする、ここまでがガラス細工実習のワンセット。「ものの温度を見た目で判断してはいけない」という教訓も一緒に学べます。
私も大したガラス細工ができるわけではありません。ガラス切りで切断したり、バーナーで加熱して曲げたり角を鈍したり。引き延ばしてキャピラリーを作る、というのは実習でやったことはありますが実用したことはないかなあ。最近は研究室のガスが来ていないので、ガラス細工をするときは学生実験室での作業になるので少し足が遠のいています。
さて、先日実験装置の部品として「外径6mmくらい、長さは10cm」くらいのガラス管がほしいなあ、ということに。当然「6mmのガラス管を買ってガラス切りで10cm程度に切断。両端をバーナーで炙って角を鈍して」という手順を頭に描いたのですが、ちょっと待てよ。
ガラス管を買うと最低でも1mはあるし、長物なら送料もかかるだろう。なら加工済みのものを購入した方が良くないか。特注というとお金が掛かるだろうから既製品はないだろうか。
少し探したのですが10cm程度の直管は見つかりませんでしたが、90°曲げたL字管ならあるのです。しかもかなり安い。(1mのガラス管より安価でした。)うーん、別に曲がっている必要はないけどこれもで良いか。
結局、今回はL字管で妥協することに。ガラス細工とは少しずつ縁が遠くなっているようです。
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