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ガラスの計容器を乾燥機に入れてはいけない、ことはない(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 前回の記事では

ガラスの計容器を乾燥機に入れてはいけない

という化学実験のルール、というか昔からの「言い伝え」について紹介しました。

 ガラス器具は加熱・変形によってその形が作られていて、冷却過程で固化と収縮とが同時に起こる。場合によっては大きな残留応力が生じ、再度加熱されると変形するかもしれない。これがその理由でした。

 では今私達が実験室で使っているガラス器具はどうなのでしょうか。少し調べてみて、ガラス器具の作り方を紹介しているガラス器具メーカーのWEBページを見つけました。「HARIO」という会社で一般の人にはコーヒーメーカーなどガラス製の食器で知られているかもしれません。私達にとっては化学関係のガラス器具の会社としてよくみる名前です。

 さて、件のWebページには動画付きで現在のガラス器具製造のプロセスが紹介されています。

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 原料を高温で融かし、固まるまでにガラス器具の形を作ってゆくのですが、ガラス細工で私達がイメージする「片方の端を融かしたガラス管に息を吹き込んで形をつくる」という工程がそのまま機械化されているされている(ブロー成型)のには少し驚きました。もっとも、金型を使うプレス成型も行われているようですが。

 さて、これらの成型過程も見ていて何か楽しいのですが、今回の話で重要なのはその後に出てくる「徐冷」の工程です

レア(徐冷炉)で約620℃の高温に熱し、次に低温状態へゆっくり移してガラスのひずみを取ります。 ひずみを取ることで次の加工がしやすくなります。

という解説が示す様に、今私達が入手しているガラスの実験器具は、このような残留応力を取り除く工程をへて出荷されたものなのです。

 「ガラスの計容器を乾燥機に入れてはいけない」というルール、昔はそれなりに理由があったのですが今では不必要なものとなりました。化学実験のルールも時代によって変わってゆくものですから、なぜそのルールがあるのか、を時には考えてみる必要があるのです。

江頭 靖幸

 

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