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ガラスの計容器を乾燥機に入れてはいけない(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 化学の実験にはガラス製品が付きもの。ですから計容器、つまり液体の量を測る器具もガラス製のものが主流です。メスシリンダーやメスフラスコ、ホールピペットにビュレットなど。色々ありますよね。

 さて、この様な計容器について、化学の実験をする前に言われたのではないでしょうか、

ガラスの計容器を乾燥機に入れてはいけない

と。

 共洗いができる場合は別として、計容器は乾燥させないと使えません。早く実験したいのに乾燥機不可とは理不尽な。

 いやいや、いつの話をしてるんです。最近そんな話はしませんよ、という人もいるかも。要するに、この「計容器に乾燥機はNG」というルールは昔は広く語られていたのですが、最近はとんと聞かなくなった話なのです。

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 さて、そもそもこの「ガラスの計容器を乾燥機に入れてはいけない」という禁止事項、というか言い伝えの根拠は何でしょう?

 前回前々回と紹介してきましたが、化学実験で用いるガラス器具は昔は手作業のガラス細工で作っていたのです。加熱による膨張と軟化と冷却による収縮と硬化を経験するだけでなく、途中に加工されて変形しているのがガラス器具です。冷却中に砕けてしまうことは無かったとしても、モノによっては大きな残留応力を抱えているかもしれません。そんなガラスの計容器を乾燥機に入れて加熱したらどうなるか。

 大きな残留応力を抱えているガラス器具が加熱されれば、その応力を緩和するように器具が変形するかも知れません。応力が緩和されるなら良い事のように感じられますが、いやちょっと待ってください。ガラスの計容器の標線は最初の応力が溜まった状態で検定されているのです。

 下手に残留応力が緩和されてガラスが変形してしまったら計容器としては誤差を生じて使えなくなってしまいます。これが「ガラスの計容器を乾燥機に入れてはいけない」理由です。

 ではなぜこれが過去の「言い伝え」なのでしょうか。それについては稿を改めて説明したいと思います。

江頭 靖幸

 

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