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白衣に穴が開く話(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 先週月曜日から新学期が始まりました。授業始まりの週にはいろいろなガイダンスがあったと思いますが、私が担当する1年生の学生実験もガイダンスからスタート。告知には集合する教室が指定されていて「白衣・保護メガネは不要です」という但し書きがついています。

 さて、始まったガイダンスは教室での講義ですが、次回からは学生実験室での実験がスタートします。そのためガイダンスの中で「実験室では白衣と保護メガネが必要」という注意がされていたのですが、それを聞いて表題の「白衣に穴が開く」現象を思い出しました。

 あっ、化学の実験をしている人は白衣に穴が開くのは当たり前だと思いますよね。それは私もおなじです。化学の実験では酸やアルカリを使うのでそれが白衣に付着するとてきめんに穴が開きます。硫酸で焦げたようになった穴、水酸化ナトリウムで布がぽろぽろと崩れ落ちたあとにぽっかりと空いた穴。この穴はあの時のミスのせい、こちらの穴はついこの間こぼした薬品のせいだろうなあ。白衣の役割は下に着ている服の防護という意味合いもあるのですから、もっともなことだと思います。でもこういう時は穴の開いた理由に心当たりがあるものなのです。

 ところが今回私が言っている「白衣に穴が開く」現象、これは私が昔、別の学生実験を担当していた時に、自分は実験していないのにいつの間にか穴が開いている、という現象のことです。別段、誰かが酸をこぼしたとかアルカリはぶちまけたとか、そんな事故もなく平穏無事に実験が行われていたはずなのに、数か月の実験のあとでいつのまにか白衣に穴が開いているのです。

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 うーん、なぜだろう。

 これは、薬液の飛沫が実験室内には飛んでいる、と考えるしかありません。私自身も、そして実験をしている学生諸君も意識できないような量やタイミングで服に穴をあけるような酸やアルカリが飛んでいる。そう考えると学生実験室は決して安全な空間ではない、ということです。

 実験室では白衣と保護メガネ、基本の基本ですがやっぱり大切だ、ということですね。

 

江頭 靖幸

 

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